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2011年08月12日
「AIDSボランティア学校」
私の講座がありましたので報告いたします。
本会はAIDSのボランティア学校の生徒さんが集う勉強会です。
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日時:平成23年7月30日
場所:横浜AIDS市民活動センター
横浜市中区尾上町3-39尾上町ビル9階
“第19期AIDSボランティア学校” NPO法人 AIDSネットワーク横浜(ANY)
講座講師:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦
講座名:『性感染症のUpdate in 横浜』
講座1.性器ヘルペス
講座2.尖圭コンジローマ
約2時間の講座でした。
投稿者 aids : 01:17
『第5回Female LUTS Conference』
私の講演会がありましたので報告いたします。本会は婦人科医、泌尿器科医などの専門家が集う研究会です。
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日時:平成23年7月22日(金)
場所:ハイアットリージェンシー東京 27階 エクセレンス『
第5回Female LUTS Conference』特別講演
座長:日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野 教授 高橋 悟先生
演題:『これが性器ヘルペスだ』
演者:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦 先生
講演要旨:
(1)STI(性感染症)の特徴
(2)性器ヘルペス
■性器ヘルペス初感染のメカニズム、再発のメカニズム、検査法、実際の臨床症例
■特に女性の性器ヘルペスは深刻な疾患である。女性の方が罹患率が高い
■臨床症状が激しく、発熱、疼痛、膀胱炎症状、歩行障害、鼠径部リンパ節有痛性腫脹などを認める
■排尿障害、便秘などの末梢神経麻痺を伴うこともある
■ときに強い頭痛、項部硬直などの髄膜刺激症状を伴う
■繁に再発する場合は、心身にストレスを与える
■Elsberg syndrome といって馬尾症候群を呈する進行性炎症性多発神経根炎を生じる
■尿意を感じない神経因性膀胱となり、カテーテルの挿入が必要となるケースもある
■HSVが上行性に仙骨神経根に直接進展し、限局性の髄膜脊髄炎が起き排尿障害などを生じる
■大事なポイントとして性器ヘルペスの初感染は性感染症であるが、再発は本人にとっては性感染症ではないが、HSVを排泄するためパートナーにとっては性感染症になりえる
■また治療に関しては神経のウイルス感染症であるから外用薬ではなく内服薬が是非、必要であることを強調した
(3)鑑別診断:梅毒、帯状疱疹、ベーチェット病、固定薬疹などについて述べた。
投稿者 aids : 00:59
2011年08月01日
Elsberg syndrome (エルスバーグ症候群)
23歳の女性が新婚旅行を中止して帰国し、直ちに受診してこられました。
症状は、38℃の発熱、外陰部の水疱、膀胱炎様症状、鼡径リンパ節の腫脹、疼痛に加え、
歩きづらいということでした。
そして、疼痛のため排尿が困難となりました。
外来通院では治療が難しいため、近くの専門病院に入院されました。
このように、性器ヘルペスの症状は、女性にとって大変深刻な状態になる場合があります。
初感染の場合、セックスをして2~10日間の潜伏期間をおいて、突如として症状が出てきます。
症状の出方が激しく、38℃以上の発熱を伴うこともあります。
大陰唇、小陰唇から腟前庭部、会陰部にかけて浅い潰瘍性または水疱性病変が多く見られます。
両側性の場合が多いですが、片側性のこともあります。
感染は外陰部だけでなく、子宮頸管や膀胱にまで及ぶ場合も多くあります。
疼痛が強く、排尿が困難になり、歩くことすらままならなくなります。
多くの症例で鼠径リンパ節の腫脹と圧痛などを認められ、
さらに、強い頭痛、項部硬直などの髄膜刺激症状を伴う場合があります。
専門的になりますが、これは馬尾症候群を呈する進行性炎症性多発神経根炎です。
尿意を感じない神経因性膀胱となり、カテーテルの挿入が必要となり、
入院となるケースもあります。
このような症例はElsberg syndrome(エルスバーグ症候群)と呼ばれ、
単純疱疹ウイルス(HSV)が上行性に、仙骨神経根に直接進展し、
限局性の髄膜脊髄炎が起きていると考えられます。
このような場合は、早急に抗ヘルペスウイルス薬の点滴が必要となります。
この女性は、1週間後、無事退院できたことの報告をしに来院してくれました。
その笑顔に、私は大いに安堵したのでした。
投稿者 aids : 15:57