泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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2011年12月30日

アトラスでみる これが性感染症だ

私の人生で始めての、そして最後の教育講演になると思います。
大変栄えある講演だと認識し、この準備に約半年の情熱を注ぎました。
大スクリーン2画面のプレゼンテーション、参加者約300名です。
このプログラムに参加しますと、日本性感染症学会の認定医のポイントを10単位取得できます。
緊張で始まり、リラックスして終わることができました。
このような機会をいただきました、本田まりこ学会会長と座長の保田先生に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

【教育講演】
日本性感染症学会 第24回学術大会(都市センターホテル)
12月3日(土) 卒後・生涯学習プログラム
座長:保田仁介 松下記念病院産婦人科
<講演1>『アトラスでみる これが性感染症だ』
<講師>宮本町中央診療所 尾上泰彦

【講演要旨】
『アトラスでみる これが性感染症だ』
性感染症は異性間あるいは同性間で性の営み、性行為があって初めて生じるという、大変人間性豊かな病気であり、誰もが感染しえる疾患群である。
また“性感染症を疑うポイント?”とは本人が、何時、何処で、誰と、何をしたのか、どんな事象が起きたのかの検証ともいえる。
外陰部はパートナーと濃密に接触する性行為の主役を果たす性器としての特異性とともに、皮膚粘膜、特に排泄口への移行部、各種の付属器官が豊富、皮膚が菲薄で柔軟であるなどの特性があり性感染症の好発部位となりえる。
性感染症の臨床現場においては、教科書でみるような「これが性感染症だ」という典型的な症例ばかりではない。
そのため,性感染症の診断には問診技術と視診技術が重要となるが、今回は特に視診技術に関して述べる。
私が経験しえたクラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペス、梅毒、尖圭コンジローマ、ケジラミ症、性器伝染性軟属腫、腟トリコモナス症、性器カンジダ症、軟性下疳などの性感染症症例を中心に臨床写真を提示しながら視診技術のポイントについて言及し 「これが性感染症だ」の実態に迫る。
多くが演者の臨床経験に基づいた(エビデンスに基づかない)内容であるが、パンツの中に隠された、驚くような性感染症の情報をご覧いただき、実際の診療に役立てていただければ幸いである。

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投稿者 aids : 22:15

2011年12月19日

<<第24回 北九州STI研究会>>

日時:平成23年11月17日(木)
場所:リーガロイヤルホテル小倉 3階 エンパイア

【特別講演】
座長:産業医科大学 副学長・病院長・泌尿器科教授 松本 哲朗先生
演題:『アトラスでみる 性器ヘルペス』
演者:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦 先生

【講演要旨】
(1)STI(性感染症)の特徴
(2)性器ヘルペス
性器ヘルペス初感染のメカニズム、再発のメカニズム、検査法、実際の臨床症例 
特に女性の性器ヘルペスは深刻な疾患である。女性の方が罹患率が高い 臨床症状が激しく、発熱、疼痛、膀胱炎症状、歩行障害、鼠径部リンパ節有痛性腫脹などを認める。
排尿障害、便秘などの末梢神経麻痺を伴うこともある。
ときに強い頭痛、項部硬直などの髄膜刺激症状を伴う 頻繁に再発する場合は、心身にストレスを与える。
Elsberg syndromeといって、馬尾症候群を呈する進行性炎症性多発神経根炎を生じ、 尿意を感じない神経因性膀胱となり、カテーテルの挿入が必要となるケースもある。HSVが上行性に仙骨神経根に直接進展し、限局性の髄膜脊髄炎が起き排尿障害などを生じる。
大事なポイントとして性器ヘルペスの初感染は性感染症であるが、再発は本人にとっては性感染症ではないが、HSVを排泄するためパートナーにとっては性感染症になりえる。
また治療に関しては神経のウイルス感染症であるから外用薬ではなく内服薬が是非、必要であることを強調した。
(3)鑑別診断:梅毒、帯状疱疹、ベーチェット病、固定薬疹などについて述べた。

 

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投稿者 aids : 00:52

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