泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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2012年07月27日

第20期 AIDSボランティア学校 講座

第20期 AIDSボランティア学校にて、私の講座がありました。
本会はAIDSのボランティア学校の生徒さんが集う勉強会です。

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『第20期 AIDSボランティア学校』 

日時:平成24年7月21日(土)
場所:横浜AIDS市民活動センター
         横浜市中区尾上町3-39尾上町ビル9階
主催:NPO法人AIDSネットワーク横浜(ANY)
講座講師:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦
講座名:『性感染症のUpdate in横浜 これが性感染症だ』

今回は女性の聴講生が9割以上でした。 

 

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投稿者 aids : 15:09

2012年07月11日

性感染症の専門家が集う研究会で講演しました

7月7日(土)札幌で講演をさせていただく機会がありましたので報告いたします。
本会は婦人科医、泌尿器科医、皮膚科医など性感染症の専門家が集う研究会です。 

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 -北海道医師会認定生涯教育講座 
第21回北海道 性感染症研究会≫ 

場所:第一三共株式会社札幌支店3階会議室

日時:平成24年7月7日(土)

座長:性の健康医学財団 名誉会頭 熊本悦明

演題:『性器ヘルペス 臨床の最前線』

演者:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦

講演要旨:

  1. STI(性感染症)の特徴
    性器ヘルペスの疫学
  2. 性器ヘルペス
    性器ヘルペス初感染のメカニズム、再発のメカニズム、検査法、実際の臨床症例。
    特に女性の性器ヘルペスは深刻な疾患である。女性の方が罹患率が高い。
    臨床症状が激しく、発熱、疼痛、膀胱炎症状、歩行障害、鼠径部リンパ節有痛性腫脹などを認める。
    排尿障害、便秘などの末梢神経麻痺を伴うこともある。
    ときに強い頭痛、項部硬直などの髄膜刺激症状を伴う。
    頻繁に再発する場合は、QOLが低下する。
    ■Elsbergsyndromeといって馬尾症候群を呈する進行性炎症性多発神経根炎を生じる
    尿意を感じない神経因性膀胱となり、カテーテルの挿入が必要となるケースもある。
    ■HSVが上行性に仙骨神経根に直接進展し、限局性の髄膜脊髄炎が起き排尿障害などを生じる
    大事なポイントとして性器ヘルペスの初感染は性感染症であるが、再発は本人にとっては性感染症ではないが、HSVを排泄するためパートナーにとっては性感染症になりえる。
    また治療に関しては神経のウイルス感染症であるから外用薬ではなく内服薬(抗ウイルス薬)が是非、必要であることを強調した。
    性器ヘルペスを年間6回以上繰り返す場合は、再発抑制療法を積極的にトライアルしてほしい。
  3. 鑑別診断:梅毒、帯状疱疹、ベーチェット病、固定薬疹、毛嚢炎などについて述べた。

 

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投稿者 aids : 08:47

2012年07月04日

泌尿器科医からの性器ヘルペスの質問

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ある泌尿器科医から性器ヘルペス(GH)についての質問・相談がありました。

<質問>
私は口唇ヘルペスと性器ヘルペス、HSV-1型とHSV-2型の両方に感染した人は診たことがありません。
もちろん、同時期の感染の経験も無いし、時期別での感染の経験もありません。
1型の人は2型に免疫、またその逆もありますか?
ただ私が知らないだけでしたら教えて下さい。
これまでの臨床経験では、口唇ヘルペスと性器ヘルペスの両方に感染したことのある患者をみたことがないのです。よろしくご教示ください。

<回答>
少し専門的になりますが、以下の4項目について、勉強していただけたらと思います。 

  1. HSV-1およびHSV-2のウイルスに感染する例は稀ではありません。
  2. 同時期に感染するケースは稀ではあろうが理論的にはありえます。
  3. HSV-1に既感染の人が、HSV-2に感染することは十分あります。
    ただし、多少は免疫の効果があるでしょう。その場合、症状は穏やかになりやすいと考えられます。
  4. HSV-2に既感染の個体はHSV-1に感染しにくいと考えられています。
    但しありえないわけではありません。実際HSV gG-ELISAの採血をして、HSV-1,HSV-2ともに陽性の患者をよくみますので、 両方に感染している患者はいくらでもいると考えられます。
それでは、ご機嫌よう。

投稿者 aids : 20:48

淋菌の咽頭・生殖器同時感染

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30代後半の男性が来院してきました。
その男性は、慢性腎不全を患っていますが、透析は受けていません。
しかし、腎臓の薬は何種類か飲んでいました。
まだ結婚はしておらず、彼女もいないとのこと。
受診の10日ほど前にソープランドに行き、
その一週間後に尿道の先から黄色い膿が出てきて、
パンツが膿で汚れるようになり、受診して来たのです。

性器を診察すると、確かに外尿道口から膿が排出されていました。
また、彼には咽頭症状はないが、尿道炎にかかっている場合、
30%の方が咽頭感染をしていることを説明しました。

本人の希望もあり、尿道分泌物検査、尿検査、さらに咽頭検査も行いました。
咽頭検査は拭い液法とうがい液法の両方を行いました。

生殖器からは淋菌はもちろん、クラミジアも検出されました。
また咽頭からも淋菌が検出されました。

これはまさに『淋菌の咽頭・生殖器同時感染』であり、
かつ生殖器にはクラミジアまで感染したケースとなりました。

そこで淋菌感染症、クラミジア感染症の両方の治療を行いました。
彼はまじめに通院し、経過は良好です。

その2週間後、淋菌とクラミジアの治癒判定検査を行い、良くなっていることを確認しました。
めでたし、めでたしですね。
早く彼女を見つけ結婚し、子供を作ってほしいものです。

最近は性感染症の咽頭感染が増加しています。
皆さんもぜひ注意してください。

投稿者 aids : 20:37

2012年07月02日

LUTS Forum 2012

日本全国から泌尿器科医の集う研究会に参加しました。

<会場>
福岡 山の上ホテル

<演題1>
Male LUTSに対する薬物療法 ~最新の臨床研究結果を中心に~
座長:山梨大学大学院医学工学総合研究部 泌尿器科学教授 武田 正之先生
演者:日本大学医学部 泌尿器科学系泌尿器科学分野主任教授 高橋 悟 先生

<演題2>
OABを伴ったBPHに対する治療戦略
座長:信州大学 泌尿器科 教授 西沢 理 先生
演者:獨協医科大学 排泄機能センター(泌尿器科)教授 山西 友典 先生

参加者は約70名でした。
研究会終了後 博多のお寿司屋さん(たつみ寿司 総本店)で美味しい寿司を少し食しました。

<宿泊ホテル>
グランド・ハイアット・福岡

投稿者 aids : 22:03

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