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「キス病」伝染性単核球症とはどんな病気なの(後編)
今回は、「キス病」とも呼ばれる、伝染性単核球症の症状について、勉強していきます。
発病する前には悪寒発熱とともに頭痛があり、約1週間位持続します。
まれに吐き気、嘔吐があることもあります。
ついで体温は急激に上昇し、40℃以上にも達する場合もあります。
咽頭痛があり、口蓋扁桃には発赤腫脹がみられ、ときに膿が付着します。
また全身のリンパ節腫脹があり、特に約70%の方に後頸部リンパ節の腫脹疼痛がみられ、
約50%において脾腫、約10%において肝腫大がみられます。
肝機能障害はかなり高率に認められますが、2~3ヶ月で治癒に向かいます。
GOT、GPT、LDHなどの上昇があり、黄疸はまれで、ほかのウイルス感染による急性肝炎と区別する必要があります。
眼球後部疼痛、結膜炎、眼瞼腫脹などの眼科的症状を示すものが約15%あります。
その他に腹痛、髄膜刺激症状、眼球振盪、構音障害、嗅覚脱失などもみられます。
発熱は4~20日間持続して解熱します。
微熱が暫時持続することもあり、リンパ節腫脹および脾腫は急性症状消退後もしばらく持続します。
もし脾臓が腫れていると、転倒したときや、スポーツをしたときに脾臓が破裂して死亡することもあります。
治療については、特別な治療をしなくても数週間~2カ月以内には回復しますが、多くは対症療法で、解熱剤、肝臓を守る薬などが用いられます。
抗生物質は病気そのものに対しては効果もないので、二次感染した場合にのみ使用します。
脾腫がある場合は脾臓が破裂する危険があるので、スポーツは禁止します。
それにしても「爆笑問題」の田中裕二さんは重症化せずに済み、安堵いたしました。
おめでとうございます。
投稿者 aids : 12:36
「キス病」伝染性単核球症とはどんな病気なの(前編)
お笑いコンビ「爆笑問題」の田中裕二さんが、
11月13日、伝染性単核球症による肝機能障害のため都内の某病院へ入院し、話題になりました。今回はこの伝染性単核球症について勉強しましょう。
伝染性単核球症は米国では一時、大学生のなかでかなり流行し「キス病」とも呼ばれている急性感染症です。
原因はエプスタイン・バー・ウイルス(EBウイルス)の感染で、主に唾液を介して感染します。多くの人は3歳までに感染します。
3歳までに感染すると発症せずにすみますが、この時期を過ぎて感染すると発病してしまいます。
子供には少なくて20歳代、30歳代で約50%以上を占めます。
唾液による感染が多く、夫婦間、恋人同士、性風俗などからの感染もあり、若い人の間では「キス病」とも呼ばれています。
潜伏期間は約30〜50日です。
発病すると急性肝炎の疑いで、大きな病院に入院する場合もあります。
臨床症状はいろいろな症候が出てきて、病気の始まりには正しい診断がつきにくい場合もあります。
では、具体的にどんな症状が出るのかについて、次回お話することに致します。
投稿者 aids : 12:26