泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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2013年02月28日

性器ヘルペスはどのような診察を受けるのですか?

20代の女性から性器ヘルペスのことで相談がありました。

「先生!性器ヘルペスはどのような診察を受けるのですか?具体的に診察の流れ教えてください。」

 『そうですね!性器ヘルペスの診察は先ず問診です。医師が患者さんに病気の原因や経過について聞き取りをします。自覚症状として発熱、鼠蹊部リンパ節の痛みのある腫れ、膀胱炎症状、があるかどうか。排尿状態(尿閉:尿がでなくなる。尿失禁:尿のお漏らし)、歩行障害などについても聞きます。
また、局所に痛み、痒み違和感、不快感があるかどうかも聞きます。
次に大事な診察です。体温を測定し、鼠蹊部のリンパ節を触診します。いよいよ性器の視診です。検診台に乗り視診を受けます。貴女の将来がこれで決まるかもしれません。
しっかりと診察を受けましょう。貴女が恥ずかしがっていると、医師も正しい診察ができず、正確な診断ができなくなります。
また、貴女の協力があれば診察は早く終わります。
性器やその周辺、あるいはお尻などに、皮膚・粘膜症状として特徴的な丘疹、紅斑、水疱、膿疱、痂疲があるかどうかを診察します。専門医であれば、これで大半は診断ができます。
もし病変が見つかれば、見せてもらうことも可能です。
積極的に自分の病気の患部を見せてもらい、納得して治療を受けることをお勧めいたします。
また症状のよく似た他の病気と鑑別するために、患部から検体を採取して詳しい検査をすることもあります。
場合によっては血液検査をすることもあります。
お分かりになりましたか?貴女のプライバシーは守られますから、何も恥ずかしくありません。
安心して診察を受けましょう』

この診察で彼女は幸せになれるかもしれませんね。
それではご機嫌よう!

 

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投稿者 aids : 09:13

性器ヘルペスかも?でも受診したくない!

20代の女性から性器ヘルペスのことである朝、電話相談がありました。

「先生!性器ヘルペスになったかもしれませんが、誰にも知られたくありません。ですから病院に行きたくありません。」

『そうですね!貴女の気持ちは良くわかります。でも医師には守秘義務がありますから、貴方の病気について無断で誰かに話すことは絶対にありませんよ。先ず、医師の診察を受け適切に治療することで、症状を軽くし、早く治すことができます。
性器ヘルペスは初期の段階で早く治療することが、とても大切です。治療が遅れてしまうと貴方の将来に影響してきますよ。
また、心配をずっと抱えていることは精神衛生上好ましいことではありません。ですから積極的に病院を受診いたしましょう』

「先生、わかりました。今日診てください。よろしくお願いいたします。」

 『お待ちしています!』

これで彼女は幸せになれるかもしれませんね。
それではご機嫌よう!

 

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投稿者 aids : 08:54

性感染症はのどにも感染する

オーラルサービスを性商品とする性産業、いわゆるピンクサロン、ヘルスまたはデリバリーヘルスに行く若者が増えています。
その理由は、ソープランドよりも低料金であることでしょう。
そしてその結果、咽頭(のど)にクラミジアや淋菌が感染します。

性感染症は性器のみに感染すると思っていませんか。
性行動においてオーラルセックスが日常化している現在、クラミジアや淋菌が咽頭へ感染する多くの若者が増加しています。
のどに違和感を覚える人は、是非、咽頭の検査を受けてみましょう。

性器クラミジア・トラコマチスは男女ともに初期症状が軽いため、早期発見が難しいのが特徴です。感染するとHIVにも感染しやすくなるので、早期発見・早期治療が求められます。
性器淋菌感染症については、男性の感染例が女性の4.4倍にのぼる性感染症です。

また治療薬に耐性をもった淋菌(耐性淋菌)の感染者も増加しています。
のどに痛みがある。風邪薬を飲んでも治らない。パートナーが性感染症と診断された。
こんな症状がある方は、直ぐにのどの検査を受けましょう。
うがい液で簡単に検査ができるようになりました。
従来は、のどの粘膜を綿棒でこすって検体を採る方法(拭い液法)が一般的でしたが、
最近、うがい液(ガラガラうがい)だけで簡単に検査できるようになりました。
ロシュ・ダイアグノスティックス(株)が、うがい液だけで簡単にできる検査の保険適用を取得いたしました。腫れた患部を綿棒で刺激せず、のどへの負担が少ないので安心が受けられます。
4,5日程度で検査結果がでます。

心配な方は一度、専門医をたずね、検査をうけては如何でしょうか。

 

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投稿者 aids : 08:45

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