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繰り返す慢性腎盂腎炎
繰り返す慢性腎盂腎炎
40代後半の専業主婦から相談がありました。
【相談内容】
治らない慢性腎盂腎炎
はじめまして。40代後半の専業主婦です。昨年9月からの約1年の間に腎盂腎炎を3回繰り返しています。
初めは内科にかかり、尿の細菌検査をして菌がいると言われ約1ヶ月の投薬して一旦は治まりましたが、また同じ症状になりました。
今度は泌尿器科専門に行って、今までの症状を説明しましたが、前回の治療が効いてるのか菌はいないとの事でした。
エコーはしましたが造影剤の検査はしていません。
今回、また同じ症状になり、かかりつけの産婦人科で注射と3日間の投薬を受けましたが、すっきり治りません。
この1年の間ずっと頭痛、倦怠感、腰痛(鈍痛)が続いています。
これはもう慢性化しているのでしょうか?産婦人科の先生曰く、原因をきっちり付き止めないといけないとの事でした。
泌尿器科で造影剤の検査を依頼出来るのでしょうか?紹介状を書いて頂いた方がいいのでしょうか?
ちなみに今から25年前に急性腎盂腎炎を患い、その後、年に1,2度、膀胱炎を繰り返しています。
これからの事が心配です。よろしくお願いします。
【回答】
貴女は40代後半の女性。25年前に急性腎盂腎炎になり、その後年に1,2回、膀胱炎を繰り返していた。
今回は昨年9月からの約1年間に、腎盂腎炎を3回繰り返している。
始めは、内科で尿の細菌学検査を施行し原因細菌がわかり、約1カ月の投薬(抗生剤と考える)を受けた。
また、腎盂腎炎が再燃(再発)し泌尿器科専門医を訪ね、起炎菌は検出できなかった。
さらに、腎盂腎炎が再燃(再発)し産婦人科を受診し治療を受けたが、臨床症状(頭痛、倦怠感、腰痛(鈍痛)は改善していない。
臨床経過が長くなり大変でしたね。
腎盂腎炎は繰り返すことが多いのが特徴ですが、何か隠された疾患がないことを確認するために総合病院の泌尿器科を受診し精査(造影剤の検査、画像診断など)されることをお勧めいたします。
できれば紹介状(医療情報提供書)を書いていただきましょう。
お大事になさってください。
夏は股間がかゆくなる! どうすりゃいいんだ?
日刊ゲンダイ2011年7月5日(火)第10439号
2011年7月5日発行の日刊ゲンダイに宮本町中央診療所(院長 尾上泰彦)の記事が掲載されましたので報告いたします。
『もっと元気になる!』 渾身の実践特集
夏は股間がかゆくなる! どうすりゃいいんだ?
医者に行かず自分でなんとかしたい
「夏は股間がかゆくなる~」とサラリーマンがオフィスで歌うCMが、今年も流れだした。
昨年、“夏に股間がかゆくなる原因”を本欄で紹介した。主な原因は、インキンタムシ、湿疹、ケジラミ。
性感染症であるケジラミは夏に限ったことではないが、「解放感からか、夏は風俗遊びをして性感染症にかかる人が多い。ケジラミもそう」(川崎の「宮本町中央診療所」・尾上泰彦院長)とのこと。
今年は、より実践編。恥ずかしくて病院に行きたくない、自分でなんとかしたい、という人に役立つ情報を紹介しよう。尾上院長に聞いた。
原因によって当然対策は違うので、まずはそれからだ。「かゆみの場所を見ます。太ももの付け根から肛門にかけてか、陰嚢や陰茎か、陰毛か、です。太ももの付け根から肛門にかけてならインキンタムシ、陰嚢・陰茎なら湿疹、陰毛ならケジラミの可能性が高い。さらにインキンタムシとケジラミには特徴があります。インキンタムシの場合は境界が鮮明で環状の赤い発疹ができる。ケジラミの場合は白い下着をはくとわかりやすい。“血糞”といって、茶色く小さいシミのようなものが下着に点々とつきます」
さて、自力で解決するには、市販薬で対処する。インキンタムシの原因は水虫と同じ白癬菌。水虫の治療に使う抗真菌薬を使う。「カサカサしたタイプにはクリーム、かゆみが強いタイプは清涼感があってかゆみや腫れを抑えやすいスプレー、ジュクジュクしていればパウダースプレーがお勧めです」
湿疹なら、湿疹用の塗り薬だ。ここで注意しなくてはならないのは、インキンタムシに湿疹用の塗り薬を塗ってはならず、またその逆もダメだということ。「症状がかえって悪化します。“自分でできる対策”としてここでは市販薬を紹介していますが、もし、薬を塗って症状が悪化したら、インキンタムシと湿疹の見分けを間違えているということ。あるいはまったく別の病気かもしれない。“もはや自分で何とかできる段階ではない”と判断し、皮膚科か泌尿器科を受診してください」
インキンタムシ、湿疹は、風通しのいいトランクスをはくと生じにくくなる。市販薬で症状がよくなったら、夏の間はトランクスをはこう。
ケジラミには、専用のシャンプー「スミスリンLシャンプー」を。
「パウダーもありますが、シャンプーの方が使い勝手がいい。スミスリンLシャンプーで3日置きに体全体を洗い、シャンプーがなくなるまでそれを続けます。1回洗うとケジラミは死にますが、卵でついていた場合はそのままになるので、“3日置き”なのです」
ケジラミでよくやる間違った対策が、「陰毛をそる」だ。
「陰毛をそってしまうと、ケジラミはほかの毛のあるところに移動します。脇毛、すね毛、肛門の毛などです。かえってかゆみが分散して、対処しにくくなります」
夏、必須の知識だ。
淋病 クラミジア同時感染
淋病クラミジア同時感染
ある女性から淋菌感染症とクラミジア感染症について相談がありました。
【相談内容】
彼が性病に罹ってしまったので、私はある婦人科で検査をしたのですが、検査結果が出るのに1週間かるといわれ薬もでませんでした。
その間、微熱が続き内科を受診(彼が性病であることは言わず)したところ、白血球の数値が高いとのことで、クラビット250×2を1日1回飲むように言われました。
飲み終わっても微熱が続くので次にジスロマック1000mg飲んだら熱は下がりました。
それから、3日後に婦人科の検査結果が出て、淋病とクラミジアが陽性であることが判明いたしました。
薬を服用したことも、内科に行ったことも伝えませんでした。
現在、グレースビットというお薬を貰い、今服用4日目です。
再検査したら、もう治っているのでしょうか?
【回答】
彼が性病(現在は性感染症という)に罹患していた。
貴女も検査を受けたが検査成績が分かるのが、1週間後と言われた。
その後、発熱(微熱)したため、内科を受診し、白血球の数値が高いと言われ、クラビット250×2を1日1回飲むように言われた。服用後も微熱が続くので、ジスロマック1000mgを服用したところ解熱した。
その3日後に淋病感染症とクラミジア感染症に同時感染していたことが判明し、グレースビットを投与された。
現在、服用4日目である。
以上臨床経過をまとめてみました。
さて、淋菌・クラミジアの治癒判定検査は抗生剤服用後、2週間以上経過してから受けることを勧めます。
早く受けると検査の信頼性がなくなり、意味のある検査ではなくなります。
お二人の性の健康をお祈りいたします。
ご機嫌よう!
老夫婦の淋菌感染症
最近の症例ですが、79歳男性と73歳女性の高齢者、淋菌感染症の報告をいたします。今日の高齢者時代、当然といえば当然ですが、高齢者でも性行為をちゃんとしていることは、大変喜ばしく嬉しく思います。健康な性行動は人生を心豊かにすると考えられるからです。
もちろん、愛のある健康なセックスが前提にあることが条件です。 この老夫婦は残念ながら、79歳の夫が友人と海外旅行(タイのパタヤ、バンコック)に出かけ、現地の女性と性行為をしたそうです。 帰国、3~4日後して尿道から排膿、尿道の違和感、下着の汚染を認め、当クリニックを受診してきました。明らかに淋菌性尿道炎を認めました。
さらに、残念なことですが、タイから帰国した日に、73歳の妻と性交渉をしてしまいました。
まさか自分が淋菌感染症(尿道炎)に罹っているとは思ってもいなかったからでしょう。
その10日後、73歳の妻が、帯下の増量と膀胱炎症状を訴えて当クリニックに、夫の勧めで来院してきました。
精密検査の結果、淋菌性子宮頸管炎になっているいることが分かりました。
お二人とも、淋菌感染症の治療を行い、治癒判定検査でも治癒が確認され安堵いたしました。
これからのお二人の性の健康をお祈りいたします。
投稿者 aids : 17:01