« 2017年01月 | メイン | 2017年03月 »
腟トリコモナス症の再発
30代の女性から「腟トリコモナス症の再発」について
相談がありましたので報告いたします。
①腟トリコモナス症
②腟トリコモナス原虫:活発に運動する
③腟トリコモナス原虫の鞭毛 (鏡検:生標本)
【相談内容】30代の女性。
腟トリコモナス症の再発で悩んでいます。
約1年間、検査と治療を繰り返している状態です。
原因がわからず、不安な日々です。
フラジール腟剤と内服薬で症状が改善されず、
チニダゾール腟剤と内服薬に切り替え治療を行いました。
その後陰性となりましたが、3週間後痒みがあったため、
再検査を受け、再び陽性。
チニダゾール10錠を1度に服薬後、陰性となりました。
次の生理後の再検査でも、トリコモナスの検出がなかったため、
1度は完治と言われました。
しかし、半年が経ち再び痒みがあったため、
検査をしたところ疑陽性との判定(陽性とまでは言い切れないと言われました)。
生理直前の検査で陰性。
生理後の検査で陽性となり、現在チニダゾール腟剤と内服薬7日間で治療しております。
この半年、新たな感染リスクのある行為はありません。
検査方法は、培養検査かと思います。
再発の原因がわからないこと、また現在の治療方法でよいのか、不安な日々です。
先生からアドバイスをお願いできますと幸いです。
よろしくお願いします。
つづく
④腟トリコモナス症ってどんな病気なの?
つづき
【回答】
腟トリコモナス症の再発で大変長い間、お悩みですね。
貴女は、約1年前から、検査と治療を繰り返している。
原因がわからず、日々不安である。
フラジール腟剤と内服薬で症状が改善されない。
そのためチニダゾール腟剤と内服薬に変更。
その後、陰性となったが、3週間後、痒みを認め
再検査を受け、再び陽性。
チニダゾール10錠を1度に服薬後、陰性となる。
次回の生理後の再検査で、トリコモナスは陰性。
一度は完治と言われた。
しかし、半年後、再び痒みを認めた。
検査をしたところ疑陽性との判定(陽性とまでは言い切れない)。
生理直前の検査で陰性。
生理後の検査で陽性となり、現在チニダゾール腟剤と
内服薬7日間で治療しております。
この半年、新たな感染リスクのある行為はない。
検査方法は、培養検査かと思います。
再発の原因がわからない。
現在の治療方法でよいのか、日々、不安である。
先生からのアドバイスを希望する。
以上貴女の臨床経過をまとめてみました。
つづく
⑤腟トリコモナス原虫 鞭毛 波動膜 18μm
つづき
さて≪腟トリコモナス症の治療≫ は、基本的にパートナーと共に、
同時期、同期間の治療を必要とします。
その際、男性では、女性に比べトリコモナス検出が困難であるため、
パートナーの男性が陰性と判定されることが多いのが現実である。
しかし、男性も治療を行うことをお勧めいたします。
トリコモナス感染症の治療には、現在、5-ニトロイミダゾール系の
メトロニダゾール(フラジール)が一般的であります。
女性でも尿路への感染の可能性があり、やはり経口剤が必要です。
腟座剤や経口投与が困難な例では、腟錠単独療法を行います。
なお、難治な場合や再発する場合では経口、腟錠による併用療法を行います。
●メトロニダゾール(フラジール錠250mgなど)の500mg/日分2、10日間
また、ニトロイミダゾール系の薬剤は、その構造内にニトロ基をもっており、
発ガン性が否定できないとされています。
そこで、1クールの投与は10日間程度にとどめ、追加治療が必要なら
1週間はあけることとしています。そのほか、投与中の飲酒により、
腹部の疝痛、嘔吐、顔面潮紅などのアンタビュース様作用
(アルコールと薬の相互作用で危険な症状がでること)が現れる危険性があるので、
投与中および投与後3日間の飲酒は避けることをお勧めいたします。
さらに、最近の治療法として、上記の10日間薬剤投与法のほかに、単回大量投与法として
メトロニダゾール(フラジール)1.5g単回投与がありますが、現在、保険適用ではありません。
また、メトロニダゾール(フラジール)と同系統であるチニダゾールでは2g(200mg10錠)単回投与が保険適用です。
≪治癒判定≫については、自他覚症状の消失をみるとともに、トリコモナス原虫の消失を確認いたします。
女性では、次回月経後にも原虫消失の確認をする方がよいとされています。
これは腟トリコモナス原虫が月経血中で増殖するためと言われているからです。
≪予後≫については、メトロニダゾール(フラジール)の経口投与で90~95%の消失がみられます。
同時期に患者とパートナーの両者を治療すれば、その予後は良好とされています。
つづく
⑥腟トリコモナス原虫;模式図
つづき
『腟トリコモナス症の治療』について
5-ニトロイミダゾール系の薬剤は大変有効ですが、一部に耐性を示すトリコモナスがあります。
これらは現在のところより高用量の再投与で対処していますが、なかには消失のみられない
難治な症例もあります。
これら耐性トリコモナスにも有効な薬剤の開発が待たれるところです。
初回治療が無効で再感染が否定される例への再治療として海外では、海外での初回治療である
メトロニダゾール(フラジール)500mg、一日2回、7日間にての再治療が勧められています。
その上でなお無効であれば、メトロニダゾール(フラジール)2g単回経口投与を24時間おきに
3~5日間を試みるとされていますが、このような治療は性感染症の専門家のもとでなされる
ことが勧められます。
幸い、貴女が受診されている婦人科の先生の治療は安心できると思います。
早く良くなってください。お大事になさってください。
⑦腟トリコモナス原虫の鞭毛 (鏡検:生標本)
【返事と相談内容】
先生ご丁寧にアドバイスをいただきありがとうございます。
新たな情報を得ることができ、治療に対して少し前向きになれました。
先生に追加でお伺いしたいことがあります。
下着やタオルについては、洗濯後、乾燥機等で完全に乾燥させれば、
使用して問題ありませんでしょうか。
また自宅浴槽については、入浴後水を抜いて通常の掃除を行い、
乾燥させることで、湯船に浸かっても問題ないと考えてよろしいでしょうか。
治癒後、温泉にも行きたいのですが、再感染しないか神経質になっております。
定期的にSTD検査を受けることが1番の予防法になるのでしょうか。
よろしくお願いします。
【2回目の回答】
腟トリコモナス症の予防法としては、
感染経路の遮断対策を忘れてはなりません。
性行為以外の接触による感染報告も時にみられるからです。
他の感染経路としては、身に着ける下着ヤタオルなどからの感染、
洋式トイレ、便器や浴槽を通じた感染の報告もあります。
しかし通常は日常生活で感染することは無いと考えます。
あまり神経質になる必要はないと思います。
貴女がおっしゃる通り、下着やタオルについては、洗濯後、乾燥機等で
完全に乾燥させれば、使用しても何ら問題ありません。
自宅浴槽については、入浴後水を抜いて通常の掃除を行い、
乾燥させることで、湯船に浸かっても問題ないと考えます。
治癒後は、温泉にも行き楽しんでください。
ご心配があれば婦人科でご相談し、もし必要があればSTD検査を
受けることは良い事だと考えます。
尖圭コンジローマの再発
30代の女性から「尖圭コンジローマの再発」について相談がありましたので報告いたします。
①尖圭コンジローマ
毛包はHPVの感染標的や潜伏部位の可能性がある
【相談内容】
34歳の女性。未婚。
去年の10月にお風呂でブツブツがある事に気付き婦人科で治療を
続けていますが5ヶ月経った今もいろんな場所に再発を繰り返しています。
ベセルナクリーム、液体窒素治療、外科的切除・・・
いろんな方法で治療していますが一箇所良くなりかけると違う場所にまた
出来ているのを見つけ精神的に疲れ果ててきました。
免疫力を上げる方法を実践したり漢方も飲み続けたり出来る努力は
しているつもりですが結果がついてこず悲観的になるばかりです。
『 コンジローマは再発との戦い』と言われていますが
1年近く再発し続ける事はあるのでしょうか?
私は今34歳、未婚な事もあり治療が長引く事にとても焦っています。
よろしくご指導お願いします。
②参考症例:女性の尖圭コンジローマ
(大陰唇・小陰唇・腟前庭など)
③尖圭コンジローマの治療戦略
【回答】
貴女は30代の女性。未婚。
2016年10月に風呂で外陰部にブツブツがある事に気付き某婦人科を受診し、
治療を受けている。
尖圭コンジローマの治療を始めて5ヶ月間経つが、いろんな場所に再発を繰り返している。
治療はベセルナクリーム外用療法、外科的治療として液体窒素、外科的切除などを行った。
一箇所良くなりかけると違う箇所にまた再発し、再発を繰り返すため、精神的にストレスが溜まっている。
自分で、免疫力を上げる方法を実践、漢方薬も継続服用している。
好転しないためQOLが低下し、悲観的になっている状態である。
以上、貴女の経過・状態をまとめてみました。
つづく。
④尖圭コンジローマの治療 外科的療法
【回答】つづき
貴女もご存知のように『尖圭コンジローマの治療は再発との戦いである』と
私はよく言っています。貴女のように長期間、再発が続く場合があります。
でも貴女の努力で、良くなる時期が必ずくると考えます。
学術的根拠はありませんが、私は尖圭コンジローマにも寿命があると考えているからです。
自然治癒も約20%あるとも言われています。
また良くなったかどうかの治癒判定は大変、難しい問題です。
それは再発率が高いからです。
⑤尖圭コンジローマの治療 薬物療法
⑥ベセルナクリーム外用療法
⑦イミキモド塗布と外科的治療の共同作戦
【回答】つづき
目安としてはコンジローマの消失後、最低3カ月は再発がないことを確認することです。
とりあえず、このタイミングで治癒と判定いたしますが、6カ月後、1年後に再発しないとは言えません。
治療法として凍結療法、レーザー蒸散、電気焼灼、外科的切除、イミキモドクリームなどがありますが
コンジローマの絶対的治療法はなく、どんな治療を行っても、3カ月後の再発率は15~30%あります。
このように尖圭コンジローマの最大の問題は再発です。
考え方は色々ありますが、ある程度治療してみて効果がなければ、
貴女が今まで行ってきたように、一つの治療法にこだわらず、
他の治療に変更することも考慮すべきだと思います。
ただその治療法の説明を受け、その特徴を理解し、
貴女が納得して治療に望むことをお勧めいたします。
⑧外用療法と外科的治療の共同作戦
⑨患者のQOLの低下
【回答】つづき
貴女は現在、治療が長くなり将来に不安を抱えています。
また再発しないのか、いつまで治療するのか、結婚できるのか、子供を作れるのか、
子宮頸癌ならないのか、等々・・・・・貴女の悩みは深く、“生活の質”が低下しています。
⑩HPV感染による最大の対策は
ワクチンによる感染予防
⑪日本でも4価ワクチン
⑫治療法のまとめ
【回答】つづき
貴女にはこれからの人生があります。
婦人科の主治医とよく相談され、治療を継続されてください。
早く治癒することをお祈り申し上げます。
お大事になさってください。
「アトラスで見る性感染症」学校医部会学術講演会
私の講演会がありましたので報告いたします。
2017年(昭和29年)1月26日(木) 19:30~21:00
川崎:ホテル精養軒
川崎市医師会学校医部会学術講演会
演題 『アトラスで見る性感染症』
座長:学校医部会 部会長 花田 徹野先生
この部会は組織が大変しっかりしており、部会の先生方が多く
出席されました。
皆さん大変、熱心に勉強なさっておられました。
現在、社会問題になっている梅毒を中心に
性感染症全般について解説いたしました。
①川崎市医師会学校医部会 学術講演会
『アトラスで見る性感染症』
②日本性感染症学会診断・治療ガイドライン2016
17疾患のSTIが記載されている.
講演要旨:
1)感染症発生動向調査 定点報告(4疾患)
2)梅毒の特徴
発症届け出の義務
疫学的調査:2011年以降増加傾向
異性間接触例の爆発的増加
20代前半の若い女性に急増
5年間で5倍に急増
2016年12月31日現在:4518例
梅毒恐るべし!
外国人の入国者が急に増加したのが原因?
③梅毒は全数報告疾患でどんな医師でも梅毒と
診断したら7日以内に発症届出の義務がある.
④梅毒の分類
3)梅毒の臨床現場
①第1期:初期硬結、硬性下疳、鼠径部リンパ節無痛性腫脹(無痛性横痃)
②第2期:バラ疹、梅毒性乾癬、梅毒性脱毛、扁平コンジローマ、
口腔咽頭粘膜斑
③第3期:結節性梅毒疹
④悪性梅毒
⑤梅毒は眼にも感染する
⑤性器外硬性下疳の症例:下口唇に2つ下疳.
⑥梅毒第2期 梅毒性乾癬の症例
⑦梅毒第2期:口腔咽頭粘膜斑:舌の乳白斑
⑧目にも梅毒は感染する
⑨ぶどう膜炎患者には積極的に梅毒血清反応を行う.
⑩HIV感染者の口腔カンジダ症(HIV・梅毒感染患者)
4)クラミジア感染症
5)淋菌感染症
⑪女性:クラミジア性子宮頸管炎
6)咽頭感染:口腔・咽頭は性感染症の温床
⑫CSWの口腔・咽頭は性感染症の温床
⑬CSWの淋菌性・クラミジア性咽頭炎症例
特徴:多くは自覚症状がない.
7)性器ヘルペス
⑭性器ヘルペスの初感染の発症メカニズム
⑮性器ヘルペスの初感染時には子宮腟部にも
ヘルペス症状がでる.
8)性器外性器ヘルペス
⑯性器外性器ヘルペス:女性:乳房症例
9)尖圭コンジローマ
10)性器伝染性軟属腫
⑰顔面に伝染性軟属腫が多発した場合はHIV
感染を疑う.
11)軟性下疳:幻の性病・輸入性感染症
⑱幻の性病:軟性下疳:南アフリカに多い
12)性感染症の予防
⑲性感染症の予防
最後になりましたが、このような発表の機会をいただきました、
学校医部会部会長 花田徹野先生に感謝申し上げます。
また学校医部会部の発展をご祈念いたします。
高齢者梅毒再発の可能性(女性)
2017年2月10日に本ブログに掲載されました≪高齢者の梅毒: 「高齢者梅毒再発の可能性 (女性)」≫について
相談者からご返信がありましたので報告いたします。
①世界らん展 2017 東京ドーム
お忙しいところ、早々にお返事をいただきありがとうございました。
再燃の可能性は無いとのこと。安心いたしました。
最初に、罹患歴があるとおっしゃった先生が「治療するほどではない。」と
いう言い方をされたので、素人考えで、水疱瘡のように、感染させるほどの
強さはないまま何十年も身体の中で眠っていて、抵抗力が無くなると再燃し、
病原体の宿主に少しずつ悪さをする可能性があるのではと思っていました。
そのため、原因不明でCRP高値になって体調不良になるたびに、再燃の
心配をしていました。
今思えば、その時の治療には無関係にも関わらず、わざわざ娘に罹患歴を
告げた意味がわかりません。
告げられた場所も、ナースセンターの片隅で他の患者さんも近くにいるところでした。
普通の主婦であった母が罹患歴があると聞き少なからずショックを受けましたが、
「心配するな。」とおっしゃった先生が「今でこそ少ないが、戦中戦後の方には多かった」
と言われたことで自分を納得させ、また、再燃の心配ばかりして、
不思議に日常生活での感染の心配はしませんでした。
しかし、原因不明で体調不良が続く母の姿を見るのがかわいそうで辛く、
主治医の先生には聞きづらく、ネットで検索しても高齢者の再燃といった
内容は見つからず途方に暮れていました。
このような信頼できる医療相談の場所があったことに本当に感謝します。
尾上先生、ありがとうございました。
②梅毒血清反応検査
以上のように身に余る感謝の言葉をいただき、大変うれしく思います。
梅毒の血清反応検査は駆梅療法を行っても、何十年も前の過去の
歴史(罹患歴)をほじくり返すような結果になってしまうことが大変多くみられます。
ほとんど意味のない検査です。がこれしか検査の方法がないのです。
困ったものですね。
ある専門家はこのような患者さんの「心を傷つける検査」はやらない方が良い、
とも言っています。
お大事になさってください。
④梅毒の治療はいつまで続けるの?
講演「アトラスで見る梅毒の臨床現場 」
講座報告です。
私は講義2を担当いたしましたので報告いたします。。
日時:2017年1月22日(日)
会場:林野会館603中ホール
文京区大塚3-28-7
主催:公益財団法人 性の健康医学財団
対象:医師、その他医療従事者
【第8回臨床現場の医師のための性感染症最新講座
ジカウイルス・TORCH症候群を含めた性の健康・STD講座】
日本性感染症学会認定研修5単位取得講座
私は【講義2】を担当いたしました。
私の演題は「アトラスで見る梅毒の臨床現場」です。
司会は根岸曉 事務局長です。
①第8回臨床現場の医師のための性感染症最新講座
②第8回臨床現場の医師のための性感染症最新講座
③講義2:演題:「アトラスで見る梅毒の臨床現場」
私の【講義2】の演題は「アトラスで見る梅毒の臨床現場」です。
約50分の講座となりました。
講義の抄録:
先生方ご存知の通り「今や、梅毒はパンデミック状態」
大きな社会問題になっている。
忘れてはならない梅毒。
昔の病気と思われていた梅毒。
忘れられていた梅毒。
そういう意味では再興感染症でもある。
梅毒は全数報告で、どんな医師でも「梅毒」と診断したら
都道府県知事に7日以内に届け出る義務がある。
それでは何故、梅毒が増加しているのか?
何故、この5年間で梅毒が急増したのか?
しかも、なぜ、若い女性に急増しているのか。
確かに、先天梅毒児も毎年増加傾向にある。
疫学調査によると、男性のピークは20~40歳である。
それに比して、何故か、女性のピークは20~24歳にある。
その原因、理由はわからない。
しかも、この謎に迫る疫学的調査をすることができない。
でも、この原因、謎に挑戦してみたい。
梅毒の疫学的調査、病因、臨床症状、第1期、第2期、第3期、
第4期。
HIV感染との関係。
梅毒の感染効率は約30%と言われている。
診断、治療、臨床医の落とし穴!
そして予防!
この梅毒の臨床現場にアトラスで迫ってみたい。
④講義2:演題:「アトラスで見る梅毒の臨床現場」
講義内容は以下の如くです。
1.疫学的調査の報告。
2.梅毒が何故、急に増加したのか。
3.梅毒トレポネーマの特徴。
4.梅毒の分類。
5.第1期 顕症梅毒の症状。
初期硬結・硬性下疳・無痛性横痃。
性器外硬性下疳。
6.第2期 皮膚症状:バラ疹、乾癬、脱毛、
扁平コンジローマ、口腔咽頭粘膜斑。
7.第3期 結節性梅毒疹、ゴム腫。
8.第4期 神経梅毒。
9.悪性梅毒。HIV感染との関係。
10.眼科領域の梅毒。
11.日本ではみられない軟性下疳。
12.鑑別診断。視診技術。
13.診断・検査
14.治療 「臨床医の落とし穴!」
15.梅毒の予防
⑤恐るべし『悪魔のお土産』梅毒?
⑥梅毒は全数報告・医師は発症届け出の義務
1.疫学的調査の報告。
⑦疫学的調査の報告。
梅毒は1940年代後半(戦後)は20万人も報告されていました。
その後、抗菌薬(ペニシリンなど)の登場により激減しました。
1967年の約12000人をピークに減少しました。
1997年には500人以下になったこともありました。
その後、やや微増傾向にありましたが、2011年(827人)からは様相は一変し、
増加に転じ、2013年には1200人を超し、2014年には1600人を超し、
2015年には2698人とアウトブレイクし、2016年にはなんと、
4518人と激増し、真にパンデミック状態となりつつあります。
今年(2017年)は1万人をオーバーするのではないかと、危惧する専門家もいます。
梅毒、恐るべし!
梅毒患者はこの5年間で約5倍と激増しています。
国立感染症研究所では梅毒を「注目すべき感染症」に指定し注意喚起しています。
2.梅毒が何故、急に増加したのか。
⑧梅毒は何故、急に増加したのか。
5.第1期 顕症梅毒の症状。
初期硬結・硬性下疳・無痛性横痃。
性器外硬性下疳。
⑨性感染症クイズ 【解答】梅毒の硬性下疳
6.第2期 皮膚症状:バラ疹、乾癬、脱毛、
扁平コンジローマ、口腔咽頭粘膜斑。
⑩第2期梅毒 口腔咽頭粘膜斑(butterfly appearance)
10.眼科領域の梅毒。
⑪眼の梅毒感染
14.治療
治療ガイドライン。
ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応。
治療の問題点。
HIV患者の梅毒の治療。
「臨床医の落とし穴!」
⑫臨床医の落とし穴!
15.梅毒予防の基本。
臨床現場での患者への指導が最も大事である。
⑬梅毒予防の基本
コンドーム!最初から最後まで!
⑭ご苦労様でした!イタ飯:ラ ベッカータにて!
ごちそうさまでした!
講演「目で見る これが梅毒だ」(岡山)
学会報告です。2017年1月14日 岡山コンベンションセンターで私は特別講演で招かれました。演題は「目で見る これが梅毒だ」です。
座長は中国・四国支部会長の岸本寿男先生です。
当日は日本中が寒気に覆われて、大雪注意報がでていましたので、新幹線が動くか、
無事に着くか心配していましたが、約30分遅れで岡山に無事到着できました。
途中、彦根あたりはかなり雪が降っており、車窓から雪景色を楽しみました。
①雪の降る中、岡山へ無事到着!
岸本寿男先生(岡山県環境保健センター所長)は2016年12月3日(土)・4日(日)に
開催されました日本性感染症学会 第29回学術大会の会長を務められました。
会場は岡山コンベンションセンターでした。
同時に December 1[Thu.]‐3[Sat.]2016
19th IUSTI ASIA‐PACIFIC CONFERENCE
がOkayama Convention Center
でJointoされました。
岸本寿男先生、大変お疲れ様でした。
また先生の素晴らしい統率力には感服いたしました。
②岸本寿男先生、大変お疲れ様でした。
私の特別講演の座長は
岸本寿男先生(岡山県環境保健センター所長)です。
③特別講演:演題:「目で見る これが梅毒だ」
私の特別講演の演題は「目で見る これが梅毒だ」です。
約90分の講演となりました。
梅毒患者はこの5年間で約5倍と激増しています。
④梅毒患者はこの5年間で約5倍と激増
講演内容は以下の如くです。
疫学的調査の報告。
梅毒が何故、急に増加したのか。
梅毒トレポネーマの特徴。
梅毒の分類。
第1期 顕症梅毒の症状。
初期硬結。
硬性下疳。
無痛性横痃。
性器外硬性下疳。
鑑別診断。
視診技術。
⑤参考症例:冠状溝に発症した硬性下疳
第2期 皮膚症状:バラ疹、乾癬、脱毛、
扁平コンジローマ、口腔咽頭粘膜斑。
第3期 結節性梅毒疹、ゴム腫。
第4期 神経梅毒。
悪性梅毒。
眼科領域の梅毒。
軟性下疳。
⑥梅毒は著名人のサロン文化の中で育まれた。
梅毒の診断・検査。
梅毒の治療。治療ガイドライン。
ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応。
治療の問題点。
HIV患者の梅毒の治療。
臨床医の落とし穴。
梅毒の予防。
⑦梅毒予防の基本
⑧講演風景
講演終了後、岸本寿男先生の案内で素晴らしい「鮨や」へ!
その後、先生の遊び場のジャズピアニストやベース、ボーカリストのいる
ジャズ喫茶へ!
⑨岸本寿男先生のみごとな尺八演奏!
お陰さまで素晴らしい岡山でした。
岸本寿男先生に感謝!
高齢者の梅毒:「高齢者梅毒再発の可能性 (女性)」
高齢の母親の梅毒再発の可能性について息子さんから 、
相談がありましたので報告いたします。
【相談内容】
86歳の母親のことでご相談します。
10年ほど前に体調不良で入院した時の血液検査の結果から、
治療が必要な値ではないが、以前梅毒に罹患していたことがあると言われました。
その医療機関では嘔吐や食欲不振に応じて、どんどん薬を増やすだけで、
母は末期癌患者のように痩せてしまい、その医療機関には不信感を持つようになりました。
さすがに本人には梅毒のことは聞けないまま、かかりつけにしていた整形外科の先生に、
高齢者の梅毒再発の可能性を問い合わせたところ、
可能性は低いので心配しない方が良いと言われました。
結果的に転院し、服用していた心臓の薬の副作用だということで、
服用を中止したら食欲も戻って元気になり、梅毒のことは忘れていました。
①昔の著名人には梅毒が多い!
ここ数年、原因不明でCRP高値、微熱が続くことが多く、軽い肺炎や、
レントゲンには写らないけれど気管支炎か肺炎の可能性?
と言われ入院することが度々ありました。
毎回、抗生物質の点滴や服用の治療を受けました。
今回も、半月以上続く発熱(36.8~37.5~38.3 1日で変動あり)
CRP8.4(10月1.75で徐々に上昇気味でした)で入院しましたが原因不明です。
今回、大変気になることが一つあります。
年明けごろから、右下唇の端1cmほどが、はみ出した口紅を拭き取ったような感じで、
粘膜部分がはみ出したように少し赤く腫れていました。
本人は、痛くもかゆくもないし大丈夫と気にしていませんでしたが、
10日あまりすると、潰瘍ほどではないのですが、ちょっと湿ったような感じ見えたり
かさっと見えたりしながら赤みが強くなってきました。
全体が赤くなく中ほどが少し肌色だったので押してみても化膿しているような
痛さは無いとのことでした。
最終的には大きな黒いかさぶたになり、数日で剥がれ落ちました。
今回の診療で、このことは先生に伝えましたが全く聞いていらっしゃらない感じでした。
2年ほど前に入院した時も下肢に何箇所も赤くなった後かさぶたになることがあり、
ドキッとしましたが老人性の湿疹だと言われました。紫斑とは違います。
ワーファリンを服用しているため、紫斑はできやすいのですが、
今も腕に何箇所か1~2cmの紫斑はあります。薔薇疹の写真をみるとドキッとします。
質問です。 薬で免疫力の低下した高齢者の治療済みの梅毒が再発する可能性はありますか?
CRP高値の場合は梅毒感染が疑われるという記事を読み不安になっています。
心臓とリウマチ、甲状腺と多剤服用中です。
リウマトレックスを何年も服用していましたが、一昨年原因不明でCRP11超え
(それまでは1以下にコントロール)で中止して、
プログラフカプセルとアザルフィジンに変更されましたが、免疫力は健常な方より
抑えられていると思います。プレドニゾロンも服用中です。
原因不明でCRPが高値になるたびに、梅毒再燃の可能性はないのかと心配になります。
よろしくお願いします。
②葉キャベツ
【回答】
先ず言葉の意味ですが、「再発」とは、また新たに感染したということになります。
お母さまには、そういうことは考えられません。
ですから「再発」ではなく、貴方のお母さまに、梅毒の「再燃」の可能性はないのかということになります。
10年ほど前に体調不良で入院した時の血液検査の結果で、
治療が必要な値ではないが、以前梅毒に罹患していたことがあると言われたという事ですが、
お母さまが梅毒に感染した時期がわかりません。
恐らく若い時に感染したと推測いたします。
それに梅毒の治療済み(駆梅療法終了)ということであれば、何らご心配ありません。
また、お母さまは入院することが度々あり、毎回、抗生物質の点滴や服用の治療を受けたということですが、
これは 抗生物質の点滴や服用の治療をしたということは、梅毒の治療もしたということにもなります。
ただし、内容が不明なため梅毒に対し適切な抗生物質とはいえませんが、梅毒の原因のスピロヘータは
原始的な細菌で多くの抗生物質に反応いたします。
ですから、知らないうちに梅毒の治療もしたということにもなります。
CRPが高値になるのは何らかの感染症・炎症があるのでしょうが、分からないということですね。
このことについては、内科の主治医に経過観察してもらってください。
かかりつけの整形外科の先生に、高齢者の梅毒再発の可能性を問い合わせたところ、
「可能性は低いので心配しない方が良い」と言われたそうですが、その通りです。
③臨床医の落とし穴!
一般的に梅毒は無治療の第1期及び第2期は感染力ありますが、
適切な治療を行っていれば、約4数週間ほどで感染力はなくなります。
また、陳旧性梅毒の場合は、梅毒血清反応で抗体は陽性になる場合があります。
しかし、梅毒の原因となるトレポネーマ病原体はいないと考えてください。
ですから、一般の日常生活で感染することはありません。
貴方のお母さんのように、高齢者で過去に感染したしたことを示すTPの抗体を認めることはがあっても、
現在、感染させる病原体を持っている高齢者はいないと考えてください。
④梅毒 :スピロヘータ科 トレポネーマ属に属するグラム陰性菌
⑤梅毒トレポネーマの特徴
尖圭コンジローマについて
50代の男性から尖圭コンジローマについて相談がありましたので報告いたします。
【相談内容】
お忙しいところすいません。よろしくお願いします。
2ヶ月くらい前から亀頭や陰茎にボツボツや白浮線状のような物ができてきました。
本日、泌尿器科へ受診したところ、尖圭コンジローマと診断されました。
そこで大きな病院への紹介状をもらいました。
自分は、5年くらい前に本番なしの風俗で遊んだ事はあるのですが以降、
まったく性行為がありません。
包茎があり、不衛生からできたのかとも思ったのですが、
性行為が無くても尖圭コンジローマにかかる事はあるのでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。
①はじめに
②ヒトパピローマウイルス感染症
③包皮内板の乳頭腫
④包皮内板の乳頭腫(鶏冠状)
【回答】
貴男が覚えている感染機会は5年前ですから、尖圭コンジローマ
が発症したことが納得できませんね。
しかし人生にはこうゆうこともあるのですね。
原因がわかりませんから、イボの一部を切除し組織学的診断検査をやってもらいましょう。
本当に尖圭コンジローマかどうか確認いたしましょう。
HPV(ヒトパピロマウイルス)が寝ていたのですかね。
イボが発症した場所、数、大きさ、形状などで治療を考えましょう。
貴男の仕事の都合なども考慮し、
良く説明を受け納得して治療を受けましょう。
努力すれば必ず良くなります。
⑤外用療法:イミキモドクリーム
⑥外用療法:イミキモドクリームの特徴
⑦外用療法:イミキモドクリーム治療開始前の説明
⑧治癒判定
⑨尖圭コンジローマの治療は再発との戦いである
⑩尖圭コンジローマの最大の問題は再発
治療は外用薬、手術療法などがあります。
どんな良い治療を行っても15~30%の再発があります。
治療後、目視で3カ月以上再発がなければひとまず治癒という事になりますが、
6カ月~1年で再発する場合があります。
⑪マディラ諸島(ポルトガル)
コバス4800システムHPVにおけるTACAS検体保存安定性検討
研究論文として 「医学と薬学」( 第74巻 第2号 p.189~199 共著)に
TACASを用いたcobasHPV測定論文が掲載されましたので報告いたします。
2017年1月27日 発行 (株)自然科学社
林 聖子:(株)医学生物学研究所
柏原愛子:ロシュ・ダイアグノスティックス(株)
佐伯健二:公益財団法人 愛媛県総合保健協会
尾上泰彦:宮本町中央診療所
①「医学と薬学」 論文掲載誌
【はじめに】
子宮頸癌の発症はヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染が原因とあると
言われており、中でもHPV16型および18型の持続感染は、前がん病変へ
の進行リスクがその他の高リスク型HPVに比べて高いとされているため
早期発見、早期予防が重要となります。
子宮頸癌の早期発見については、細胞診検査が主な検査法でありましたが、
近年HPV DNA検査との併用検診により、感度、特異度ともに向上することが
報告されています。
②コバス4800システムHPVにおけるTACAS検体保存安定性検討
③コバス4800システムHPVにおけるTACAS検体保存安定性検討
今回、検討を行った「コバス4800システムHPV」(コバスHPV)は、PCR検査用
自動測定装置を用いて核酸抽出から核酸増幅・検出まで全自動で実施し、
HPV16型および18型の同定と、HPV16、18型以外の12種類の高リスク型
HPVを一括で検出します。現在、国内において普及しているHPV一括検査試薬
としても臨床的有用性が確認されており、子宮頸癌への進行リスクが特に高い
女性を鑑別し、子宮頸癌予防へ繋がることが期待されています。
④コバス4800システムHPVにおけるTACAS検体保存安定性検討
⑤コバス4800システムHPVにおけるTACAS検体保存安定性検討
また近年、国内において普及している液状化検体細胞診(LBC:Liquid-based cytology)は、
専用の固定液の中に細胞を回収することで細胞診標本の標準化を図るだけでなく、
DNA検査をおこなう際の保存液として有効活用されています。
⑥コバス4800システムHPVにおけるTACAS検体保存安定性検討
現在、国内で流通しているLBCは数種類ありますが、国内において開発されたLBCシステム
TACAS保存検体を用いて、コバスHPVで最小検出感度および2~8℃と30℃保存条件
下におけるDNA保存安定性を確認したので報告いたします。
⑦コバス4800システムHPVにおけるTACAS検体保存安定性検討
【結語】
LBC検体は、1回の細胞採取で細胞診検査からHPV DNA検査などの追加検査まで実施
できるため、受診者にとって負担が少なく非常に有用なツールであります。
今回のコバスHPVを用いたTACAS検体でのHPV DNA保存安定性検討においては、
2~8℃保存および30℃保存で6週間安定しておりメーカー保証の4週間の保存安定性が
確認できたとともに、細胞診標本作製前後の検査において測定を行うにあたり十分な
保存安定性を有していることが示されました。
⑧蝶
梅毒治療 ペニシリンG解禁の方向性も
CareNet 日刊 医療ニュースに梅毒治療に関する情報が掲載されました ので報告いたします。
公開日:2017年2月1日
『 梅毒治療、指針にペニシリン解禁の方向性も
―厚労省、厚科審小委に論点案提示』
厚生労働省は23日、厚生科学審議会感染症部会のエイズ・性感染症に 関する小委員会に対し、1回の筋肉内注射で済む梅毒治療薬「ペニシリンG」 の効果などを検討する論点案を示した。
海外では同剤による治療が標準的だが、国内では副作用を懸念して行われていない。
ただ、1回の注射で済むため、複数回の投与が必要な従来の薬と比べ、 途中で治療を止める患者が減ることが期待できる。
梅毒の感染拡大に対処するため、厚労省と小委員会は今後、同剤の“国内解禁”の 必要性を性感染症の予防指針に盛り込む方向で調整する。
①梅毒の治療薬などに関する論点案を議論した 小委員会(23日、厚労省)
梅毒の患者報告数は男女ともに増加傾向が続いている。
国立感染症研究所がまとめた患者報告によると、 2016年の患者報告数は前年比約70%増の4518人で、 感染症法に基づき1999年から始まった感染症発生動向調査で過去最多の 報告数を記録した。
梅毒の治療薬については、海外では筋肉内に注射して1週間ほど効果が 持続する「ペニシリンG」を使うことが標準的な治療(梅毒1期と2期) とされている。
しかし、日本国内では、過去にペニシリンアレルギー によるショック死が発生したため、筋肉内への注射は行われていない。
この日の会合で厚労省の担当者は、 「現在日本で承認されている梅毒の治療薬は、複数回の治療が必要であり、 脱落する患者がいる」といった課題を挙げ、 「国際標準で使われている治療薬が国内でも使えることが重要であることを (予防指針に)記載してはどうか」と提案した。
委員からは、1回の治療で済む同剤を評価する意見が出た一方、 梅毒と診断できない若い医師がいることを懸念する声も出た。
こうした意見を踏まえ、厚労省は今後、同剤の重要性だけでなく、 梅毒の診断や治療に関する最新の情報といった医療者向けの啓発活動を 重視する考えも指針に盛り込む方向で、委員の意見を集約する方針。
2月下旬に予定している次回の会合までに同剤に関する事項を盛り込んだ 指針の改定案をまとめたい考えだ。 (2017年1月23日 新井哉・CBnews) 以上。
②日本で現在、梅毒治療に用いられている内服薬
③米国CDC 2015年のガイドライン
④日本における梅毒治療の問題点
『研修医のための性感染症講座ー眼のSTIを含めてー』
2016年12月28日という年末に 慶応義塾大学病院眼科で
私が性感染症講座を行いましたので報告いたします。
この講座は『研修医のための性感染症講座ー眼のSTIを含めてー』
という演題で行いました。約90分くらい。
司会は眼科講師の野田実香先生でした。
参加者は眼科医と研修医が中心でした。
皆さん、非常に熱心に勉強なさってくださいました。
①『研修医のための性感染症講座ー眼のSTIを含めてー』
講座内容:
1.性感染症全般、淋菌感染症、クラミジア感染症、
性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、伝染性軟属腫。
ケジラミ症など
2.疫学的調査報告(定点報告、全数報告)
3.梅毒
最近、梅毒が急増し社会問題化している。
年齢群別では男性は20~40歳にピークがあり、
女性では20~24歳の若い女性にピークがあります。
②梅毒:年齢群別報告数
女性の2001~2015年 梅毒:感染経路別報告をみますと
2011年以降 異性間接触例が爆発的に増加しています。
先天梅毒児が2010年以降、増加傾向にあります。
胎児感染では重い障害の恐れがあり、社会的に危惧されています。
③女性:感染経路別報告数
梅毒は最近5年間で5倍と激増しています。
2016年12月11日現在では4259人でしたが、
12月末には4518人に達しました。
梅毒、恐るべし!
④梅毒患者報告数の推移
どうして、ここまで急増したのか?
内容があまりにもプライベートでプライバシーにかかわるため
疫学的調査の仕様がありません?!
でも若い女性に急増しています。
⑤梅毒は何故、ここまで急増したのか?
最近、眼科領域からも梅毒の報告が増加しています。
梅毒血清反応を行う体制が必要になっています。
⑥梅毒は眼にも感染する
尿道炎の原因で眼科と関係が深いのは
淋菌、クラミジア、アデノウィルス
⑦尿道の原因はこんなにあるんです!
感染ルートは下の写真を参考にしてください。
⑧感染ルート:眼 ➡ 咽頭感染
STIと関係のある結膜炎は淋菌性結膜炎、
クラミジア結膜炎(濾胞性・封入体)
流行性角結膜炎(アデノウィルス)があります。
⑨STIと関係のある結膜炎
淋菌性結膜炎は下の写真を参考にしてください。
⑩淋菌性結膜炎
1歳児の淋菌性結膜炎は下の写真を参考にしてください。
⑪1歳児の淋菌性結膜炎
クラミジア感染症の原因は?
下の写真を参考にしてください。
⑫クラミジア感染症の原因は?
成人型封入体結膜炎
下の写真を参考にしてください。
⑬成人型封入体結膜炎
眼科でもHIVと梅毒の合併例が増加しています。
下の写真を参考にしてください。
⑭HIVと梅毒の合併例
HIV網膜症!
下の写真を参考にしてください。
⑮HIV網膜症
顔面に伝染性軟属腫(水いぼ)ができたら
HIV感染を疑う必要があります。。
⑯顔面に伝染性軟属腫(水いぼ)ができたらHIV感染を疑う。
眉毛にもケジラミが住み着く場合があります。
⑰眉毛のケジラミ症
眼科研修医の先生方へメッセージ!
下の写真を参考にしてください。
⑱眼科研修医の先生方へメッセージ!
眼科医と性感染症!
下の写真を参考にしてください。
⑲眼科医と性感染症
「眼科医で良かった!」
大事な事だと、分かっていても、「性感染症」は私たちとは
「別世界」の領域だという、印象を眼科医の先生方から受けました。
その通りです。見たこともないあまりにもマニアック世界を
見せてしまいましたから、医師といえども仕方ないと思います。
でも、これからは何時、来院するかわからない「性感染症」にも
熱心に取り組もうという、熱意が感じられました。
また、お招きください。
野田実香先生 ありがとうございました。