Home > 【ヘルペス】 > ウイルス抗原検査 3 HSV(単純ヘルペスウイルス)特異抗原(蛍光抗体直接法)
ウイルス抗原検査 3 HSV(単純ヘルペスウイルス)特異抗原(蛍光抗体直接法)
前回まで、<ウイルス抗原検査>の中で1.ウイルス分離培養
2.Tzanck Test(ツァンク・テスト)
について話をしてきましたが、今回は
3.HSV(単純ヘルペスウイルス)特異抗原(蛍光抗体直接法)についてお話をいたします。
この検査では、Tzanck test(ツァンク・テスト)と同じ方法で細胞をスライドグラスに固定し、抗HSV-1およびHSV-2モノクローナル抗体を反応させ、ウイルス抗原を検出します。
この検査は保険適用であり、患者への侵襲も小さく、病変のHSV感染を証明できる有用な検査法です。病変部位から採取した検体中のウイルス特異抗原を検出するためHSV-1、HSV-2およびVZV(帯状疱疹のウイルス)との鑑別も可能です。
日常診療ではモノクローナル抗体を用いて発色させ、蛍光顕微鏡で観察する蛍光抗体直接法が用いられています。低コストであり、医療機関内で施行できれば1時間以内で判定可能です。
ただし、手技には熟練を要し、水疱やビランがあれば陽性率が高くなりますが、
膿疱や痂皮の状態では検体の採取が難しく、陽性率が低くなります。
蛍光顕微鏡のない施設(医療機関)では検査研究所・会社に依頼することになり、時間がかかります。この場合も保険は適用されます。
現在のところ、保険適用で皮疹病変部位からウイルスの存在を証明でき、型判別までできるのはこの検査のみです。 型判別しておくことは、患者の経過観察には大切なことです。
1型であれば再発は少なく、2型であれば再発の頻度が多くなるからです。
水疱があれば是非、施行してほしい検査です。
2013年09月04日
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dr-onoe.com/mt/mt-tb.cgi/59