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ウイルス遺伝子検査 ●PURE-LAMP法

前回お話をしたLAMP法は、遺伝子増幅法のひとつです。
LAMP法を用いて単純ヘルペスウイルス1型(HSV‐1)
および2型(HSV‐2)の遺伝子を検出・型判別するキットが市販されており、
このキットを用いれば40分で結果が得られます。

従来LAMP法を使用するためには、前処理として検体中の核酸を抽出・精製するという、煩雑な過程が必要でした。

今日ご紹介する簡易迅速前処理技術(PURE=procedure for ultra rapid extraction)法は、 ピペット操作が要らず、簡易前処理機器を用いて短時間で完了します。

以上2つの技術を用いたPURE‐LAMP法は、日常診療における核酸検出法として応用が期待される遺伝子増幅法です。

LAMP法では、40分以上の時間を要していた前処理過程をPURE‐LAMP法では、20分程度に短縮できます。
従来のLAMP法やPCR法と比較しても感度・特異度共に遜色なく、HSV-2に対しては感度がやや上昇しました。

PURE-LAMP法と蛍光抗体直接法(2013年8月23日のコラム参照)を比較すると、検体を採取した病変が水疱の場合には、検出率に遜色はありませんでした。
(PURE-LAMP法:79%/蛍光抗体直接法:86%)
しかし、びらん(それぞれ57%/29%、)、膿疱(82%/18%、)、痂皮(かさぶた)(80%/33%、)となり、いずれもPURE-LAMP法の方が検出率が高く出ました。

以上のことからPURE‐LAMP法はHSV‐1およびHSV‐2の検出および型判定に関して、 従来のLAMP法やPCR(ポリミラーゼ連鎖反応)法と同等以上の感度、特異度が期待しえると考えられます。
この検査が保険適用されれば、患者に大きな恩恵をもたらすことでしょう。


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2013年11月12日

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