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パートナーと一緒に検査
6月22日(木) 讀賣新聞 医療ルネサンス 「性感染症のいま」
5回シリーズの5回目に私の記事が掲載されましたので報告いたします。
■パートナーと一緒に検査
Q&A
性感染症の特徴や治療について、
東京都新宿区のプライベートケアクリニック東京名誉院長の尾上泰彦さんに聞いた。
-性感染症の中でも梅毒の患者が増えてきています。
「最近まで男性の同性カップルが中心でした。
昨年1,000人以下で推移していましたが、
2011年頃から増え始め、15年には異性カップルの感染者数が
同性カップルの数を追い越し、昨年は4,500人を超えました。
20歳代前半の女性が多いです」
-梅毒の特徴を教えてください。
「口腔性交でも移ります。感染3週間で菌の侵入部位に
潰瘍などができ、3か月で体にバラ疹と呼ばれる発疹などが出ます。
時期がずれたり症状が出なかったりすることも多く、
症状が出ても数週間で消えます。
数年で神経が侵され、失明や知能低下などを招きます。
また、梅毒に感染した妊婦から生まれた先天性梅毒の子供も最近は報告が増えています。
死産や流産となったり、肝臓や脾臓が腫れて生まれたりします」
-治療法と増加の背景を教えてください。
「戦後は多くの感染者がいましたが、以前は抗菌薬のペニシリン注射で治療でき、
減っていきました。しかし、アレルギーによるショックで死者が出てから、飲み薬の抗菌薬に変わり、今は一定期間飲んでもらいます。
症状が消えると薬をやめてしまう人がいることが問題です」
「増加の背景ははっきりしません。
中国といった外国でも流行しているので、性風俗店などを介して入ってきた可能性もあります。
スマートフォンの普及で、誰とでも簡単につながれることも原因かもしれません。
梅毒に詳しくない医師が症状を見落とし、感染を拡大させてしまっていることも課題となっています」
-梅毒以外に注意すべき性感染症はありますか。
「感染者数が一番多いのがクラミジアで、口腔性交でも感染します。
特に女性は性器に症状が出にくく、気付かず進行して不妊症の原因となることもあります。また淋菌も不妊症に結びつく感染症の一つ。抗菌薬に耐性を持つ菌が出ていて、
効く薬が少なくなっているのが喫緊の課題です。
性器ヘルペスやB型・C型肝炎など、日本性感染症学会の指針には
17種類の性感染症が記載されています」
-性感染症の予防はどうしたらいいですか。
「不特定多数との性行為は避けましょう。
また、全ての感染症を防げるさけではありませんが、
コンドームを正しく使用することは基本です」
「そして、定期的に検査を受けましょう。
私がみてきた中では、感染者の3割はパートナーも感染していました。
結婚する時や新しいパートナーができた時など、
一緒に検査を受けることをおすすめします」
【参考】性感染症の予防
PharmaTribune89February2017掲載「性感染症」
「なりたい薬剤師になる!PharmaTribune 89February2017」に自著の「性感染症」 が掲載されましたので報告いたします。①PharmaTribune89February2017
PharmaTribune Vol.9 No.2 February,2017/2017年2月15日発行
©株式会社メデイカルトリビューン2017 5~9頁
病気について知りたい! ◎臨床講座
宮本町中央診療所 尾上泰彦
「性感染症」
【内容】
今回の臨床講座では性感染症(sexually transmitted infection: STI)のなかでも注目されている、梅毒とクラミジア感染症について述べます。
そして「薬剤師へのアドバイス」に触れます。
内容は写真を参考にされてください。
②臨床講座 性感染症
③男性 4疾患定点当たり報告数
④ 女性 4疾患定点当たり報告数
⑤梅毒患者の報告数の推移
⑥臨床講座 梅毒
⑦「梅毒」という病名の由来<
⑧臨床講座 梅毒
⑨臨床講座 クラミジア感染症
⑩患者さんの悩み!
⑪臨床講座 クラミジア感染症
淋菌性・クラミジア性咽頭炎は自覚症状がほとんどない、また赤発、扁桃腫脹もない患者さんが多い。
⑫淋菌性・クラミジア性咽頭炎 18歳 女性
以上報告いたしました。
特集・原著「若年者の性感染症患者を対象とした再発予防策」
本論文の要旨は日本性感染症学会第28回学術大会 卒後・生涯学習プログラムシンポジウム(2015年12月6日於:東京都)において発表した。
① 日本性感染症学会誌 第27巻 第1号 2016
テーマは特集 『性感染症、一次医療機関での実際』
「若年者の性感染症患者を対象とした再発予防策」
宮本町中央診療所 尾上泰彦
下記に本論文の要旨を示す。
❝若年者の性感染症❞というと、クラミジア感染症と淋菌感染症が代表的疾患である。
これらの再発防止にむけて如何に対応するかが問題である。
② 若年者の性感染症
オーラルセックスの時代、口腔咽頭は性感染症の温床である。
③ オーラルセックスの時代、口腔咽頭は性感染症の温床
男性のクラミジア、淋菌感染症の原因はCSWによるオーラルセックスである。
④ 風俗嬢の口腔咽頭は性感染症の温床
⑤ 性感染症の背景
⑥ 淋菌性咽頭炎、生殖器は淋菌・クラミジア感染症
⑦ 淋菌性・クラミジア性咽頭炎(生殖器・咽頭重複感染例)
再発防止には患者だけでなく、パートナーとの関係性が重要となる。
⑧ パートナーとの関係性が重要
⑨ 性感染症の再発防止策
二人、一緒に検査を受け、再発が起きないように治療し、感染予防のための啓発指導を受け、健康なセックスができることを目標とする。
⑩ STI検診を勧める
⑪ 人生の節目STI検診
臨床の立場から再発防止策として、口腔咽頭感染を制御できれば性感染症は激減すると考える。
そのためには口腔咽頭の専門家である耳鼻咽喉科医が性感染症に対し積極的に参加してくることを期待する。
⑫ 耳鼻咽喉科医の積極的参加
性感染症の再発防止策には耳鼻咽喉科医の関与が不可欠である。
⑬ 性感染症 再発防止のために
以上、若年者の性感染症患者を対象とした再発予防策について言及した。
原著「川崎市において分離されたNeissera gonorrhoeaeの背景と感染経路に関する検討」
本論文は「原著」で私は共著者でありますので、ご報告いたします。本論文は日本性感染症学会第28回学術大会(2015年12月5日)に発表し、同学会誌から投稿の推薦を受けた内容を改変したものである。
井村幸恵 金坂伊須萌 金山明子 小林寅喆 尾上泰彦
日本性感染症学会誌,2016;103-109.
(写真は参考です)
①日本性感染症学会誌 第27巻 第1号 2016
②原著「原著「川崎市において分離されたNeissera gonorrhoeaeの 背景と感染経路に関する検討」 論文要旨
2013~2014年に淋菌感染症の疑いで来院した190例(男性111例、女性79例)の尿道・腟分泌物および咽頭ぬぐい液から培養されたNeissera gonorrhoeaeの患者背景および、感染様式を調査した。
さらに生殖器および咽頭より同時に分離した菌株においてClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)の寒天平板希釈法で各種抗菌薬感受性を測定し、パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法による遺伝子パターンの解析を行った。
男性111例および女性79例中培養陽性例は、それぞれ80例(72.1%)および36例(45.6%)であった。
生殖器陽性例は男性80例(72.1%)、女性28例(35.4%)、咽頭のみ陽性を示した例は男性には見られず女性にのみ8例(10.1%)認められた。
③淋菌はグラム陰性双球菌です。
④咽頭の淋菌培養検査法
⑤淋菌性尿道炎の特徴
⑥淋菌性子宮頸管炎の特徴
男性患者の生殖器陽性例における性交渉相手の背景で最も多かったのはCommercial Sex Worker(CSW)51例(63.8%)、次いでパートナー22例(27.5%)であった。
男性の咽頭陽性例において感染経路はCSW6例(46.2%)、パートナー6例(46.2%)からと同等で、また、性行為様式ではオーラルセックスが関連する場合が最も高く、男性の生殖器陽性患者の62.6%、女性の生殖器陽性患者の75.0%であった。
咽頭と生殖器から同時に検出された分離株のPFGEパターンは男性13例中11例が一致し、女性では8例中全て一致した。
⑦生殖器・咽頭の淋菌・クラミジアの重複感染症例
男性の淋菌感染症患者において性交渉相手がパートナーおよびCSWに関わらず咽頭感染例が多いことが明らかとなった。
⑧CSWの口腔咽頭は性感染症の温床
感染様式では男女問わずオーラルセックスを介した感染が主流となっていることが判明した。
パートナー間においても高い頻度で咽頭感染が生じることから、このような感染経路についても一般の人々に対して広く啓発することが急務であると考える。
⑨CSWの口腔咽頭は性感染症の温床
⑩CSWの口腔咽頭は性感染症の温床
若年者の性感染症患者を対象とした再発防止策
学会報告としてメディカル・トリビューンに掲載されていましたので報告いたします。
若年の性感染症患者の再発防止策は?
日本性感染症学会第28回学術大会
学会レポート | 2016.01.04 07:00
①尾上 泰彦氏
②齊藤益子会長
最近では性行動の開始が低年齢化しており,10歳代の性感染症の増加が懸念されている。
宮本町中央診療所(神奈川県川崎市)で長年性感染症の診療に携わってきた尾上泰彦氏は若年者の性感染症患者を対象とした再発防止策を検討。
「患者のパートナーを積極的に受診させるための説明・指導が最も重要」と,日本性感染症学会第28回学術大会(会長=帝京科学大学看護学科教授・齋藤益子氏)のシンポジウム「性感染症,一次医療機関での実際-事件は現場で起こっている-」で強調した。
③ピンクの薔薇
詳細は日本性感染症学会誌 2016 No.1に掲載されます。
手のみの行為での性感染症のリスク
20代の男性から性感染症のリスクについて相談がありましたので報告いたします。【相談内容】
先日ローションを使用した手でするのみの風俗店へ行きました。
この場合手でのみする行為でもHIVや梅毒など何かしらの性感染症にかかってしまう可能性はありますでしょうか?
ローションのみで唾液などは使われていません。
お忙しいところ申し訳ございませんがお答えいただけると幸いでございます。
①花魁
【回答】
貴方はローションによるハンドマッサージで射精させる性風俗店に行ってしまった。
性感染症のリスクについてお話しいたします。
HIV感染、梅毒などの性感染症は基本的に皮膚・粘膜同士の直接接触、体液の交換、腟性交、オーラルセックス、
アナルセックス、スキンシップなどがなければ感染は成立しません。
貴男の場合は、手でのみする行為ですからHIV感染や梅毒などの性感染症にかかる可能性はありません。
あとは貴方の心に平安が訪れれば問題ありません。
いつまでも悩んでいるのでしたら精神衛生上好ましくありませんから、性感染症の専門医に一度、相談されることをお勧めいたします。
お大事になさってください。
②ダリア
性感染症について(女性)
20代後半の女性から性感染症について相談がありましたので報告いたします。【相談内容】
はじめまして。3月からお付き合いしているパートナーが、5月頃尿道炎にかかりました。
クラミジアと淋病の検査では陰性でした。
性病の疑いがあったため私も同様の検査をしましたが、陰性でした。
彼はジスロマックを2回服用しており治ったようなのですが、また6月後半に再発しました。
今度はミノマイシンを服用して治ってきているようです。
私も再度クラミジアと淋病、また他の大腸菌、ウレアプラズマなどの最近を検査しましたが、やはり陰性でした。
彼は他の人と関係を持っていないと言い張るため、私が原因と思われています。
検査結果では何も出ておりませんが、私は性病なのでしょうか?
原因がわからず困惑しております。お知恵を拝借できれば幸いです。
①参考症例:クラミジア性尿道炎
尿道口から漿液性の分泌物が排出されています。
②参考症例:クラミジア性子宮頸管炎
子宮頸管から漿液性の帯下が排出されています。
【回答】
ごめんどうですが、ふりだしに戻って性感染症の検査を受けることをお勧めいたします。
二人でもう一度、話し合い、お互いに健康になり健康なセックスができるようになることを目標とすることを確認してください。
抗生物質を服用後、2週間以上経過してから検査を受けてください。
また、男性は尿検査をします。この尿検査の大事なポイントは、最後に排尿をしてから2~3時間以上経過してからの尿を検体としてください。
しかも最初に出てきた尿を約20ml採尿してください。
これは、尿道内の病原体の情報を多く得るための方法です。排尿量が多いと情報が薄まってしまいます。
そうすると検査成績が正確にでないかもしれません。
女性は外陰部を洗わないで受診してください。
できれば、性感染症の専門医を探して受診してください。
上手くいくといいですね。
お大事になさってください。
③千疋屋のマンゴ・パフェ
日刊ゲンダイ:改めて知っておきたい「性病の基礎知識」
① 日刊ゲンダイ
2016年7月9日(土)発行の日刊ゲンダイの10頁目に、私の関連する記事が掲載されましたので報告いたします。
② 改めて知っておきたい「性病の基礎知識」
話題の最前線を行く<71>成功のヒミツ・失敗しないコツ
「さあ夏本番」
改めて知っておきたい「性病の基礎知識」
日本有数のソープ街で「宮本町中央診療所」院長として性感染症患者を30年以上診てきた尾上泰彦氏は、「感染源として多いのは風俗嬢の咽頭。
菌の温床という印象がある」と話す。
性感染症に対する認識をリセットしなければならない。よくある勘違いを紹介しよう。
よくある4つの勘違い
1.コンドームをつけたから感染していない。
「フェラチオの時もコンドームをしていたか? もし『生』なら万全ではありません。
相手の咽頭に菌がいる場合、感染しているかもしれないのです」(尾上医師)
2.検査で異常なし。これで安心だ。
クラミジアに感染していなくても、淋病や梅毒には感染しているかもしれない。
尿道・腟には感染していなくても、咽頭には感染しているかもしれない。
可能性のある菌の検査を、尿道・腟と咽頭の両方に対してしなければ、
「安心」の判定は下せない。
菌には、「陽性」反応が出るまでにタイムラグがある。
確認検査は1カ月以上後が基本だ。
3.症状がないから治療の必要がない。
性感染症の問題点は、「つらい症状」に限らない。放置すると、感染拡大につながる。
「ピンポン感染といって、パートナー同士で感染を繰り返す。それぞれが別の人に感染させる恐れもあります。
症状がなくても、定期的に検査を受け・陽性であれば治療の必要がある」(尾上医師)
4.薬を飲んだから完全に治った
菌がわずかでも残っていると耐性菌となり、従来の薬では対処困難になる。
尿道・腟の菌は薬で全滅しても、咽頭に残っているケースも。薬の服用後、
本当に菌が死んだかの確認検査が必要だ。
③ 紫色の花
『保健・医療・福祉関係者のための目で見る これが性感染症だ』
長野市長:加藤久雄さまから 研修会(講演会)の講師依頼をいただきました。担当責任者は長野市保健所保健課の(保健師) 土屋望美さまです。
2016年6月6日(月)午後1時40分~午後3時20分
場所:長野市保健所 2階会議室
(長野市若里6-6-1)
演題『保健・医療・福祉関係者のための目で見る これが性感染症だ』
保健所 小林文宗所長のご挨拶のあと講演に移りました。
講師紹介は保健課感染症対策担当 課長補佐の佐藤恵子さまでした。
今回の研修会(講演会)の出席者は
出席者 64名(5月30日締切・事務局を除く)
内訳:小・中・高等学校・大学・専修学校 養護教諭等14人
保健センター・健康課保健師32人
在宅保健師4人
病院(医師・看護師等)7人
県所管課4人
近隣自治体保健師3人
今回の研修会(講演会)の担当責任者である土屋望美さまから、色々な情報を得ました。
6月5日(日)に全国植樹祭が長野市で行われ、今上天皇と美智子妃殿下がおいでになられるということでその前後日も一部交通規制がかかる等、普段よりも市内が混雑していました。
またNHK大河ドラマの「真田丸」効果で、観光客が多くいらっしゃいました。
以下に 講演要旨を示します。
1.性感染症についての相談2例。自宅でできる検査キットと病院での検査の相違。
2.疫学(定点報告・梅毒) 梅毒の届出について。
3.今、なぜ梅毒が急増しているのか。
4.臨床現場 梅毒・悪性梅毒、クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペス、
尖圭コンジローマ、ケジラミ症、性器伝染性軟属腫、軟性下疳、幻の性病
5.若年者の性感染症患者を対象とした再発防止策。
咽頭感染について。パートナーについて。問診・説明・指導の難しさ。
診察技術の難しさ。患者さんの悩み。再発防止の基本。人生の節目検診。
など盛り沢山の内容でした。
担当の土屋望美さまから研修会(講演会)の感想、お礼のご挨拶がありました。
『尾上先生、貴重なご講演をいただき大変ありがとうございました。
長く臨床現場に携わられている尾上先生のご講演は、発言の一言一言に非常に重みがあり、各症例と丁寧に向き合ってこられたことが感じられ、お話を伺いながら沢山の刺激をいただきました。
反対に、自身の性感染症に対する知識の浅さを痛感し、今後も積極的に研修会等に参加し自己研鑽に努めなければと感じた次第です。
参加者のアンケートからも 「臨床の写真を見る機会は今までなかったため、非常にインパクトがあり、予防や早期治療が大切だということを強く感じた」
「心配している患者の心理に触れていただき、対応する側の姿勢・心構えを学べた」
等の肯定的意見が多く聞かれ、こちらの研修会開催の意図が十分に達成されたものと思っております。
また、尾上先生には、お会いした冒頭より気さくに接していただき、おかげさまで緊張が一瞬で無くなりました。
ご講演の中でもお笑い要素をふんだんにいれていただき、参加者の皆さんに楽しく性感染症について学んでいただくことができました。
このような尾上先生の気さくなお人柄が、日頃来院される患者様の緊張感や不安な思いを軽減されているのが想像できます。私も、微力ながら性感染症に罹患する方が少しでも減るよう、日々の啓発活動やHIV検査来所者への保健指導等により一層邁進してまいりたいと思います。
また、私は、HIV検査対応時、どこまで踏み込んで話を聞いてよいものか迷いながら対応をしているところです。
個人個人の性行為に対する捉え方も様々ある中、
性感染症のリスク面についてはしっかり伝えるように心がけております。
今後、尾上先生からご教授いただいた情報を盛り込みつつ、保健指導にも生かしていきたいです。
また、尾上先生のように、話をしやすい雰囲気づくりも大切にしたいと思います』
以上でした。
私も、このような素晴らしい感想とお礼の言葉をいただき、感動しており、
私のお話が皆さまに喜んでいただき大変嬉しく思っております。
確かに、性感染症の話しは大変、デリケートで難しいところです。
これからも患者さんの幸せのために精進したいと考えております。
長野市の保健所関係者に感謝を申し上げます。
①善光寺と私
②善光寺にて
③善光寺の池
「増加する性感染症(下)」共同通信47NEWS
共同通信社の「共同通信47NEWS」に私の記事が掲載されましたので報告いたします。
インターネットで見ることもできます。
文末下段をクリックしてネットで見てください。
ツイッターからも見られます。
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≪共同通信47NEWS≫
【特集】増加する性感染症(下)
口と喉は危険な「温床」
(2016/3/14 16:01 公開)
性感染症に関し関係者らが問題とするのがオーラルセックスの危険性に対する認識の低さだ。
▽きれいでも…
名古屋泌尿器科病院の小島宗門院長(62)は、2000年から15年間に尿道炎と診断した男性の約4800例について性的接触の形態などについて調査。
その結果91%でオーラルセックスが行われていることが分かった。
性風俗店では98%に上りオーラルセックスが主体とすら言える実態が明らかになった。
一方で口や喉の感染危険性の認識は、過去にも尿道炎を経験している層では82%と高かったが、初めての患者では53%にとどまった。
①名古屋泌尿器科病院の小島宗門院長
日本性感染症学会代議員の尾上泰彦医師(71)は「口腔咽頭(口と喉)は性感染症の温床」と断言する。
喉は感染しても腫れや赤みといった異常が見られず自覚症状もほとんどない。
尾上医師は、男性のクラミジアや淋菌の最大の感染源は性風俗店でのオーラルセックスで、性風俗店で働く女性からの淋菌検出は性器より喉の方が多いとし「性器同士の接触は危険でも、口や喉は大丈夫と思っている人が多い。
だからそういうサービスの店に平気で行く。そこの女性も自分が病気をうつしているとは思っていない」と説明した。
尾上医師は「口腔咽頭の感染を制御できれば性感染症は激減する」と強調し「そのためには専門家である耳鼻咽喉科医の関与が不可欠」と訴える。
ただ耳鼻咽喉科医の関心は低く、感染を心配する患者が訪れても「喉はきれい。問題はありません」と言われ精密な検査をせず帰されることが多いと現状を語った。
②梅毒の病原細菌「梅毒トレポネーマ」の侵入部位の下唇にできた潰瘍(尾上泰彦医師提供)
▽人間の根幹
一方、エイズウイルス(HIV)の新規感染・発症者の報告は2007年以降1500人前後の高水準が続き、減少傾向にある先進各国とは対照的とされる。
ただ小島院長は「日本は絶対数が少ない」と言う。
厚生労働省によると、日本は初めて症例が出た1985年以来の累計が約2万4千。
米国では毎年の新規感染・発症者が5万近くに達する。差は歴然だ。
③厚生労働省、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の資料から作成
エイズは治療薬の進歩もありもはや「確実に死に至る病」ではない。
それでも完全に治るわけではなく他の性感染症との併発リスクも高まる。
エイズ撲滅は性感染症対策の最大の目標だ。最も有効なのはコンドームの使用だが、小島院長は「日本ではコンドームは病気予防具ではなく避妊具として位置づけられているのが問題」と話す。
原因の一つは経口避妊薬ピルの認可の遅れ。
1999年の日本のピル認可は申請から9年を要し欧米からは約40年遅れた。
小島院長は「エイズへの危機意識が今より高かった時に早くピルを認可しておけば、コンドームは病気予防具と位置づけられる契機となりえたのだが」と悔やんだ。
諸外国では、社会全体で危機意識を共有できるほどエイズ感染が増え予防対策も普及した。
しかし「日本では、エイズは怖いが自分は無関係と思っている人がほとんど。
他の病気はなっても治せばいいと思っている人も多い」と小島院長。
「性行動というのは人間の根幹に関わることがら。
啓発・教育活動ではなかなか行動を変えさせるところまでいかない。
人間とはそういうものだから…」と話した。(共同通信=松村圭)
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【特集】増加する性感染症(下)
http://this.kiji.is/82005701023596545?c=39546741839462401
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(下)
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「増加する性感染症(上)」共同通信47NEWS
共同通信社の「共同通信47NEWS」に私の記事が掲載されましたので報告いたします。
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≪共同通信47NEWS≫
【特集】増加する性感染症(上)
女性の梅毒、5年間で5倍
(2016/3/14 16:00 公開)
エイズウイルス(HIV)や梅毒など主に性的接触が原因となる性感染症が日本で増えている。
特に梅毒は女性の感染拡大が深刻で、厚生労働省によると、届け 出数は2010年の124人から15年の574人と5年間で5倍近くに増加(男性は497人から1467人)。
HIVも近年、新たな感染者の報告が 1500人前後の高水準が続く。いったい何が起きているのか。
▽昔の病気
梅毒は届け出制が始まった1950年には10万人以上の患者がいたが、その後減少を続け60年代後半には1万人を、90年代前半には千人を切り、2000
年代は500~800人台で推移。
「昔の病気」と考えられていた。それが2011年から急増に転じた。性器クラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、
淋菌といった他の性感染症の数がほぼ横ばいであるのと比べ突出している。
しかも昨年の女性の年齢別感染者数は15~35歳が4分の3以上を占め、最多は20~24歳で3割強。通常、梅毒は最大でも数週間もあれば治癒する。
しか
し感染者が妊娠すると、早産や死産になったり胎児が「先天梅毒」となり重篤な異常をきたす危険がある。厚労省も「女子の梅毒 増加中!」とするリーフレットを作成、予防啓発に努めている。
①厚生労働省が作成したリーフレット
日本性感染症学会代議員で長年、現場の診療にたずさわってきた尾上泰彦医師(71)は、感染経路に関しここ数年は男性の同性間接触が多かったが、異性間接 触によるものが激増し14年に逆転したと指摘。
「だから女性の感染者も増えた。ただこれだけ爆発的に増えている正確な理由は分からない」と首をかしげた。
さらに梅毒は診断があれば医師が保健所に届け出ることになっているが、実際は行われていないことが多く今で出ている数字は「氷山の一角」と付け加えた。
▽無自覚
尾上医師は初期の梅毒は、症状が乏しく痛みなど自覚症状も少ないことから見逃されることが多いと指摘する。ある男性患者(32)は、性器の先から
膿が出ており「淋菌性尿道炎」と診断。
男性は3日前にピンクサロンでオーラルセックスを行っていた。
ところがさらに問診すると3週間前にはソープランドで通常の性交もしていた。
尾上医師が調べたところ、尿道内に潰瘍があり梅毒感染が判明した。
「普通はここまで診ない。本人も淋菌による異常が出なければ痛く
もかゆくもなくそのままほっておいただろう」と話した。
②③梅毒:手と足の梅毒性乾癬
梅毒に感染3カ月後に手と足に生じた梅毒性乾癬(かんせん)。
数日~数週間で消失し、かゆみもない(尾上泰彦医師提供)
④尾上泰彦医師
梅毒は初期の症状は放置するとなくなるのが「たちの悪いところ」と言うのは名古屋泌尿器科病院の小島宗門院長(62)。「昔と違い今は梅毒の臨床例を見たことがない医師がほとんど。
梅毒を診断、治療する医師側の技術が落ちている」と問題提起した。
実証はできないが、一時的に症状が消失し報告もされなかったような初期梅毒が見逃され、目立ったり自覚がある症状が出てから感染が判明するケースが増加しているという推測が成り立ちそうだ。
当然その間に他人に感染させる確率も高まる。
さらに専門家が注目するのが、口や喉を介した感染だ。(共同通信=松村圭)
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【特集】増加する性感染症(上)
女性の梅毒、5年で5倍
http://this.kiji.is/82005388948357122?c=39546741839462401
ツイッターからも見られます。
(上)
https://mobile.twitter.com/kyodo_official/status/709273388057952256?p=v
人生の節目にSTI検診
「人生の節目にSTI検診を受けよう」
男性と女性、それぞれがパートナーと出会って生じてくる性感染症。
これほど人間性豊かな病気はありません。
しかしこの性感染症は、パートナーに迷惑をかけ、そしてその人の人生に影を落とすこともある病気です。
性感染症は身体に症状が現れればよいのですが、現れない病気も多くあります。
性感染症は誰でもかかる可能性のある病気です。
かつ、再発の可能性もあります。
早期発見・早期治療につなげるためにも、特に以下のような「人生の節目」に
あたったときには「STI検診」を受けて、
性感染症になっていないかを確認することをお勧めします。
〇新しいパートナーができた
〇結婚を控えている
〇父親・母親になる
性の健康を守るのは、他でもない自分自身です。
皆さまの性の健康をお祈りいたします。
紳士
淑女
B型肝炎ウイルス!
『 性感染症は早期発見・・・・』
性感染症は早期発見が大切!
かつて性病(VD)と呼ばれていた性にまつわる病気は、性感染症(STI)という名称で呼ばれるようになりました。
しかし、性感染症という言葉に対する後ろめたいイメージは以前と変わらない、という方が多いのではないでしょうか。
確かに、家族や親しい人に対してであっても、性にまつわる話は非常に話しにくい内容です。
性感染症とどのようにして向き合ったらいいのでしょうか?
『 性感染症は早期発見・早期治療ができれば治る病気!』
性感染症の検査は、性感染症科(性病科)・婦人科・泌尿器科・皮膚科などで受けることができます。
検査の項目や日程などに制限がありますが、保健所でも検査が可能です。
時間がない、他の人に知られずに検査を受けたいという方には、郵送による検査キットもあります。
みなさんにお願いしたいのは、性行為後に体に異変を感じたら、
なるべく早く専門医による検査を受けてほしいということです。
現代はインターネットで様々な情報を手にすることができる時代となりました。
しかし、手にした知識に振り回されてしまい、心が不安でいっぱいになり、かえって不幸になってしまう患者さんが大勢いらっしゃいます。
性感染症の多くは感染していても症状が出ない、出たとしても気がつきにくいことが多いです。
そのため知らないうちにパートナーも感染させてしまうことがあります。
症状が出ることは早期発見・早期治療へとつなげることができるので、かえってラッキーなのです。
性感染症はかつてのパートナーや性産業等が感染源となることもあります。
感染しているにも関わらず症状が出ないでいると、家庭内に性感染症を持ち込んでしまう恐れがあります。
不妊症の原因は、すべて女性側にあると言われていた時代がありました。
性器クラミジアや腟トリコモナス症などの原因となる菌や微生物は、子宮内部や卵管などの子宮周辺部位に侵入して、卵管炎や子宮内膜症などを引き起こすことがあります。
家庭内に性感染症を持ち込むことは、不妊症の原因を持ち込むかもしれないということなのです。
Medical Tribune掲載 「若年者の性感染症患者を対象とした再発防止策」
Medical Tribune 2016年1月14日発行 Vol.49,No.2 p.10 に
日本性感染症学会第28回学術大会(2015年12月5~6日)、会場は都市センターホテル
学会会長は帝京科学大学看護学科 教授 東邦大学名誉教授の齊藤益子先生
シンポジウム: 性感染症、一次医療機関での実際 ―事件は現場で起こっている―
の記事がMedical Tribuneに掲載されましたので報告いたします。
「性行動が多様化、性感染症の蔓延防止策の複雑化が課題」
シンポジウムの司会は東京慈恵会医科大学葛飾医療センター泌尿器科 教授の清田 浩先生
シンポジスト3名で私はトップバッターで講演いたしました。
Medical Tribune掲載内容は写真を参考にしてください。
私の演題は「若年者の性感染症患者を対象とした再発防止策」です。
以下に講演抄録を示しました。
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若年者の性感染症患者を対象とした再発防止策
宮本町中央診療所 尾上泰彦
パートナーとの関係性:
性感染症の再発防止には患者だけでなく、そのパートナーとの関係性が重要になる。
淋菌やクラミジアなどの性感染症は症状に乏しく、知らないうちにパートナーに感染させている可能性がある。
一方、その性感染症がパートナーから感染させられている可能性もある。
治療を行い治癒確認したにも関わらず、再感染する患者が少なからず存在する。
この場合、パートナーがすでに感染しているという可能性が強く疑われ、パートナーの検査は重要となる。
実際に性感染症になった患者は、性行為を介する病気なのでパートナーには感染した事実を隠しがちとなる。
また、症状が乏しいとパートナーが積極的な受診をしない事が多くあり、パートナーの受診率は低いと考えられる。
性行動の多様化によりオーラルセックスによる感染もあり、咽頭のみ感染しているという症例も見受けられる。
当診療所での印象では、感染者のパートナーの受診率は約30%で、その中で感染している人の確率は約30%であった。
もし自分が感染してしまった場合、パートナーにきちんと告白し、一緒に検査を受け、再発が起きないように治療し、
その後は、しっかりと感染予防のための啓蒙指導を受けるべきである。
患者へのメッセージ:
もしも性感染症に感染してしまった場合、パートナーのことを考えると頭の中は真っ白、パニック状態になってしまう方が多くみられる。
病気は症状がでれば治療に結びつくが、症状が乏しいあるいは症状が全くない場合がある。
そのため患者のパートナーも検査を受ける必要がある。
そしてお互いに異常がないことを確認し、健康なセックスができることを目標にする。
もし自分と同時にパートナーが感染していたら、自分だけ治療してもまたパートナーから感染する(ピンポン感染)可能性がある。
言うまでもなくパートナーが感染していたら、ピンポン感染を防ぐ意味で自分と同時進行の治療をすべきである。
パートナーを本当に大切に思っているのであれば、感染したことを正直にパートナーに告げることが重要となる。
そうすれば精神的にも楽になるし、逆にパートナーが感染していてそのことを自分に伝えてもらえなかったとしたら、
「パートナーから大切に思われていない」と感じ、とても悲しい気持ちになるはずである。
自分がパートナーから告白されたならば、パートナーを責めることはせず、健康なセックスができることを目標とすべきである。
自分の悩みがパートナーの悩みにならないように、二人とも健康になり「愛のあるセックス」を心がけよう。
シンポジウムでは多くのことは語れませんでしたが、臨床の現場をお伝えした。
Medical Tribune タイトル
シンポジウム: 性感染症、一次医療機関での実際 ―事件は現場で起こっている―
学会会長:齊藤益子教授と共に
「淋菌・クラミジア感染症 再感染防止のために」DVD
少し古くなりますが、2014年12月7日(日)8:00~8:50 神戸国際会議場3F国際会議室 第2会場で行われたモーニングセミナー1のDVDができあがり
ましたので、報告いたします。
座長:帝京科学大学 看護学科教授 齊藤 益子先生
演者:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦先生
モーニングセミナーには多くの会員の方々に参加いただき感謝いたします。
共催:ロシュ・ダイアグノステックス(株)
日本性感染症学会第28回学術大会 ランチョンセミナー1. 演題「淋菌・クラミジア感染症 再感染防止のために」DVD
マルタ島
「アトラスで見る、これが性感染症だ」DVD
2015年12月5日(土) 都市センターホテル 第1会場(3Fコスモス)で行われたランチョンセミナー1のDVDができあがりましたので、報告いたします。
座長:感染症対策研究センター センター長 熊澤 淨一先生
演者:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦
ランチョンセミナーには多くの会員の方々に参加いただき感謝いたします。
日本性感染症学会第28回学術大会 ランチョンセミナー1. 演題「アトラスで見る、これが性感染症だ」DVD
湯島の白梅
「第12回川崎STI研究会のご案内」
「第12回川崎STI研究会のご案内」
いつもありがとうございます。
毎年開催しております川崎STI研究会のご案内です。
今回でこの研究会は12回目を迎えることができました。
今年も有名な講師をお招きいたしました。
開催場所は「川崎日航ホテル」でJR川崎駅のとなりです。
ぜひご参加賜りたくご案内いたします。
日時:平成28年2月27日(土) 午後4時~
場所:川崎日航ホテル
講演1.東京女子医大東医療センター 耳鼻咽喉科 准教授 余田敬子先生
演題 『性感染症に関連する口腔咽頭の病変 -実例からみた特徴とpitfall』
講演2.東京慈恵会医科大学皮膚科客員教授
まりこの皮膚科 院長 本田まりこ先生
演題 『性器にできる潰瘍について~性器ヘルペス、梅毒を中心に~』
両講演とも素晴らしいお話をいただけるものと存じます。
詳細は案内ポスター、添付資料をご覧ください。
また、日本性感染症学会のホームページへの「ご案内掲載」もしてあります。
お時間が許せば是非、ご出席くださいませ。
ご友人とお誘いあわせの上、ご出席ください。
お願い申し上げます。
今回は 共催:川崎STI研究会/マルホ株式会社
*研究会終了後、情報交換会を予定しております。
*当日は、会費として1000円を徴収させて頂きます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【参加証明書】はカード形式で作製いたしました。
希望者はご遠慮なくお申し出ください。
(日本性感染症学会 認定制度の場合 3単位取得できます)
川崎STI研究会 代表世話人 尾上泰彦 ㊞
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ありがとうございます。
もし参加ご希望でしたら私の携帯に電話してくださ。
代表世話人:尾上泰彦
携帯 080-3029-0423
第12回川崎STI研究会 案内ポスター
水槽 東京ドームホテルロビー
シンポジウム『性感染症、一次医療機関での実際 ー事件は現場で起こっているー』
日本性感染症学会 第28回学術大会が開催されました。
私はシンポジストとして講演いたしましたので報告いたします。
期日:2015年12月5日~6日
会場:都市センターホテル
千代田区平河町2丁目4番1号
12月6日(日) 13:00~14:30 第1会場(3Fコスモス)で「シンポジウム2」が行われました。
このシンポジウムは日本性感染症学会の『卒後・生涯学習プログラム』です。
参加証明書が必要なプログラム(取得できる単位は10単位)です。
シンポジウム2 『性感染症、一次医療機関での実際 ー事件は現場で起こっているー』
司会:東京慈恵会医科大学葛飾医療センター泌尿器科学 清田 浩先生
シンポジスト1:尾上 泰彦 (宮本町中央診療所)
「若年者の性感染症患者を対象とした再発防止策」
シンポジスト2:小島 宗門 (名古屋泌尿器科病院)
「オーラルセックスの危険性の認識率向上のための努力と限界」
シンポジスト3:伊藤 晋 (あいクリニック)
「尿道炎診療における『咽頭』の重要性と問題点 ー事件は咽頭で起こっているー」
「シンポジウム」の参加者は約180人で、大変多くの方々にきていただきました。
3人のシンポジストの結論では、性感染症は「咽頭」がKEYを握っているようです。
講演終了後、シンポジストが演台に上がりフロアーの方々と活発な討論が行われました。
シンポジウムは良い雰囲気で、成功裏に終了いたしました。
皆さまに感謝申し上げます。
日本性感染症学会誌 第26巻 第2号 2015
司会のことば 清田 浩先生(東京慈恵会医科大学泌尿器科)
性感染症 再発防止策
伊藤 晋 (あいクリニック)先生と共に
『アトラスで見る、これが性感染症だ』
日本性感染症学会 第28回学術大会が開催されました。
期日:2015年12月5日~6日
会場:都市センターホテル
千代田区平河町2丁目4番1号
私の講演がありましたのでご報告させていただきます。
12月5日(土) 12:10~13:00
「ランチョンセミナー1」です。
演題:『アトラスで見る、これが性感染症だ』
座長:感染症対策研究センター センター長 熊澤 淨一先生
演者:尾上泰彦
講演会場は第1会場(3F コスモス)
共催:日本性感染症学会 第28回学術大会/ロシュ・ダイアグノスティックス(株)
「これが性感染症だ」
性感染症の臨床現場においては、教科書でみるような「これが性感染症だ」という典型的な症例ばかりではありません。
そのため、性感染症の診断には問診技術と視診技術が重要となりますが、今回は特に視診技術に関してお話しをしました。
私が経験した性感染症症例を中心に臨床写真を提示しながら視診技術のポイントについてプレゼンテーションをしました。
多くが私の臨床経験に基づいた内容ですが、プライベートパーツに隠された、驚くような性感染症の情報を、クイズ形式を交えながらご覧いただきました。
以上ですが!
「ランチョンセミナー」の参加者は約180人で、満席状態でした。
講演も良い雰囲気で、成功裏に終了し、皆さまに感謝申し上げます。
学会会長:齊藤益子先生(中央)
座長:感染症対策研究センター長:熊沢淨一先生(右)
尾上泰彦(左)
赤坂の鮨店で熊沢淨一先生と共に
ランチョンセミナー講演風景
「動物からの陰部への感染」
20代後半の女性から「動物からの陰部への感染」について相談がありましたので報告いたします。
【相談内容】
10年ほど前、付き合っていた彼に、無理やり犬に陰部を何度か舐めさせられました。
トキソプラズマや犬回虫などは陰部や子宮に感染するでしょうか?
またその行為をした事によって他の寄生虫や細菌に感染しますか?
妊娠をした場合、お腹の胎児に影響が出たり出産時に影響が出たりしますか?
とても心配でなりません。
どうかお早めにお返事頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
【回答】
相談①
犬に陰部を舐められた。
トキソプラズマや犬回虫などは陰部や子宮に感染するでしょうか?
相談②他の寄生虫や細菌に感染しますか?
相談①②に関しては私は知識がありません。
相談③妊娠をした場合、お腹の胎児に影響が出たり出産時影響が出たりしますか?
現在感染してなければ将来のことはご心配しなくてもよいと考えます。
貴女はこのまま心に傷を持ったままでいると、いつまでたっても解決いたしません。
勇気を持って信頼のおける獣医さんあるいは産婦人科医にご相談なさってください。
お大事になさってください。
『アトラスで見る、これが性感染症だ』
日本性感染症学会 第28回学術大会
期日:2015年12月5日~6日
会場:都市センターホテル
千代田区平河町2丁目4番1号
私の講演がありますのでお知らせいたします。
12月5日(土) 12:10~13:00
「ランチョンセミナー1」です。
演題::『アトラスで見る、これが性感染症だ』
座長:感染症対策研究センター センター長
熊澤 淨一先生
講演会場は第1会場(3F コスモス)
共催:日本性感染症学会 第28回学術大会/ロシュ・ダイアグノスティックス(株)
「これが性感染症だ」
性感染症の臨床現場においては、教科書でみるような「これが性感染症だ」という
典型的な症例ばかりではない。
そのため、性感染症の診断には問診技術と視診技術が重要となるが、今回は特に
視診技術に関して述べる。
私が経験した性感染症症例を中心に臨床写真を提示しながら視診技術のポイントに
ついて述べる。
多くが私の臨床経験に基づいた(エビデンスに基づかない)内容であるが、
プライベートパーツに隠された、驚くような性感染症の情報をご覧いただきたい。
スライドタイトル
口は災いのもと
性器ヘルペス?梅毒の硬性下疳?
『腟トリコモナス症が致死的な前立腺癌のリスクを高める』
日経メディカルの癌Expertsニュース(2009年9月15日付け)に興味あるニュース記事がありましたのでご紹介いたします。
日経メディカル
癌Expertsニュース
『腟トリコモナス症が致死的な前立腺癌のリスクを高める』
2009/9/15
清野 仁輿=エディター・ライター
一般的な性感染症である膣トリコモナス症が、悪性度が高く致死的な前立腺癌のリスクをかなり高めるようだ。
米ハーバード大学パブリックヘルス校のLorelei Mucci氏らの研究結果が、9月9日付けの Journal of the National Cancer Institute誌電子版に掲載された。
最近の研究では、腟トリコモナス抗体の存在が、その後の前立腺癌の発症に関連することが分かってきている。
また、この研究チームも以前、同抗体の存在が前立腺癌の発症と死亡に関連することを確認している。
今回の研究では、673人の前立腺癌患者について、診断の平均10年前に採取された血液サンプルと、前立腺癌ではない 673人の男性の血液サンプルについて、血清中の腟トリコモナス抗体の有無を調べた。
腟トリコモナス抗体が陽性の場合、前立腺癌のリスクは1.23倍になったが、統計的に有意ではなかった。
ところが、同抗体が陽性の場合、前立腺外に広がった前立腺癌の発症リスクは2.17 倍、最終的に骨転移へと進行する前立腺癌の発症あるいは前立腺癌による死亡リスクが2.69倍になった。
腟トリコモナス症は、抗生物質で容易に治療可能だが、男性の場合ほとんど症状がないうえに、女性と比べて検出が困難だ。
「今回の研究結果が大規模な前向き研究で確認されれば、腟トリコモナス症の予防と治療が、悪性度の高い前立腺癌の、数少ない修正可能なリスク要因といえるかもしれない」と、Mucci氏は語っている。
図: 腟トリコモナス原虫
鞭毛と波動膜で活発に運動する。
主に腟に中に存在する。
男性では前立腺で生息する場合もある。
一般的に検出は難しい。
「性器にステロイド使用は如何でしょうか?」
男性から外陰部のステロイド使用の可否について相談がありましたので、報告いたします。
【相談内容】
私は男性ですが、陰茎付け根から陰嚢にかけて発疹と痒みがあり皮膚科を受診したところ、アンテベートローションというステロイド薬を処方されました。
陰部にステロイドは使わないほうが良いという話を聞いたことがあるため使用を躊躇しています。
指示通り使った方が良いのでしょうか?
先生のお考えを聞かせてください。
【回答】
貴方は男性。
陰茎の付け根から陰嚢にかけて発疹と痒みがあり皮膚科を受診した。
そしてアンテベートローションというステロイド薬を処方されたということですね。
確かに、外陰部(皮膚粘膜移行部)にステロイドは使用しない方がよいという考えもあります。
私も基本的にはステロイド薬は外陰部(皮膚粘膜移行部)に殆ど使用しません。
使用するのであれば非ステロイド系の外用薬と混合し、ステロイド薬の強さ(濃度)を落として使用いたします。
ただ、貴方の診断の内容が判りませんから、ステロイド使用の可否はコメントできません。
短期間の使用でしたら、大丈夫かもしれません。
使うか、使わないかは、貴方が決めていいと考えます。
まだ心配であれば他の皮膚科医の意見も参考にしてもよろしいかと思います。
お大事になさってください。
『生フェラでうつる性感染症が心配』
若年の男性から相談がありましたので報告いたします。
【相談内容】
性病に関しての相談です。
生フェラで感染するのは淋菌とクラミジアだそうですが、危険行為の前から風邪などでクラリスを服用している場合、危険行為から3日目に性病キットで尿の検査をしても正しい結果は出ませんか?
また、梅毒の感染の可能性はありますか?
HIVはないと聞きました。
一度だけそういうお店でなめられてしまい、後悔しています。
すでにクラミジアと淋菌のキットは購入しています。
【回答】
女性の口で男性性器に性的刺激をすることを フェラチオといいます。
さて、フェラチオで感染する可能性がある性感染症は、淋菌感染症、クラミジア感染症、性器ヘルペス、梅毒などが考えられます。
口腔内に出血があれば、HIV感染症のリスクもゼロではありません。
貴男は風邪などのためクラリスを服用していたので、検査する意味がありません。
検査をするのであれば、クラリス服用後、2週間以上経過してから行ってください。
今となっては、その時の感染していたかどうかはわかりませんが、2週間以上経過して検査をすれば検査した時点での感染の有無は分かると考えます。
キットでも構いませんが、一度専門医に受診なさることをお勧めいたします。
性の健康をお祈りいたします。
「性感染症と偽る院長に賠償命令」
朝日新聞で問題になったクリニックの院長に診てもらった男性患者が心配になり、私のいるクリニックに来院してきましたので報告いたします。
実はこの患者は国税局の潜入捜査官です。
箱ヘルに潜入し、その店舗の金銭処理を捜査する目的で、客として入店したそうです。
そこの風俗嬢(CSW)に性的なサービスを受け「お取り捜査」をしたわけです。
「箱ヘル」とは店舗型のヘルスのことで、本番行為はなく、フェラチオや素股(スマタ)で射精する風俗店です。
プレイルームは個室でシャワーがついている店が多いそうです。
この捜査官は、この「箱ヘル」に客を装い入店したそうです。
ところが、その5日後、陰嚢に皮膚症状がでてきて心配になり、たまたま運悪く、この問題になった当日、このことを知らずして、新宿の「クリニック」の院長に診てもらったそうです。
本人は平成27年8月20日(2015年)発行の朝日新聞を見てビックリし、8月21日、私と会うはめになったわけです。
その記事は次の様です。
≪『性感染症と偽る院長に賠償命令 東京地裁 「詐欺行為」』
性感染症にかかっていると虚偽の診断をされ、不要な治療を受けさせられたとして、東京都内の
男性(46)が新宿区内の診療所「新宿セントラルクリニック」の男性院長に約260万円の損害賠償を求めた
訴訟の判決が19日、東京地裁であった。近藤昌昭裁判長は院長の診断を「詐欺行為だ」と認め、
院長に約49万円の支払いを命じた。
判決は、男性は性感染症にかかっていなかったのに、院長が故意に虚偽の診断をしたと認定。
「医師が尽くすべき義務に著しく違反する」と批判した。
男性の弁護団は、「院長は法廷で数千人に同様の診断をしたと述べており被害者は
多数に及んでいる可能性がある」と説明した。≫
以上が新聞の記事です。
話が重複いたしますが、びっくり!
この新聞を持参して8月21日に私の前に一人の男性が現れてきました。
新聞に出た、8月20日にこの問題になった「クリニック」を受診したと言う。
主訴は、陰嚢の小腫瘤。痛みは殆ど認めない。
この男性の話しによると、ちゃんとした診察はされず、「貴方は性病にかかっている」と言われ、
他に何の説明もされずに、尿検査と血液検査をされたという。
尿検査と血液検査の検査内容の説明も無かったと言う。
そこで説明を求めたが「性病の検査をしました」としか言わず、はっきりとした検査内容の説明はしてもらえなかそうです。
さらに、説明されないまま、何種類もの薬を出されたと言いいます。
確かに、この問診から新聞報道の内容に似ていると感じました。
この捜査官も被害者の一人のような感じがいたします。
この男性は国家公務員で潜入捜査の目的で、ハコヘルに7日前に行ったとのことですが、箱ヘルの調査はともかく、この診療内容についての捜査は何もできなかったようです。
さて私もこの男性の外陰部の視診をいたしましたところ、陰嚢の右側に毛嚢炎が生じており、すでに痂疲形成しており、治癒過程に入っておりました。幸いなことに新しい抗生物質が投与されていましたのでこの薬を継続服用するように指示いたしました。
2週間後に私に会うことになっていますが、その時にどのような「クリニック」の検査結果をもらってくることできるのでしょうか!
興味あるところです。
捜査官さまお大事になさってください。また、ご活躍を期待しております。
「感染した患者さんへのメッセージ」
性感染症の再発防止についての私からのメッセージです。
2回にわたりお話ししています。今回は2回目です。
2.感染した患者さんへのメッセージ
もしも性感染症に感染してしまった場合、パートナーのことを考えると頭の中は真っ白、パニック状態になってしまう方も多いでしょう。
でもパートナーはあなたにとって非常に大切な方ですから、検査を受けて安心するようにしましょう。
病気は症状が出れば治療に結びつきますが、症状が乏しかったり症状が全く出ない場合があります。
そのためあなたの大切なパートナーにも検査を受けていただき、安心できるようにしましょう。
そしてお互いに異常がないことを確認し、健康なセックスができることを目標にしましょう。
もしあなたと同時にあなたのパートナーが感染していたら、感染した本人だけ治療してもまたあなたが感染する(ピンポン感染)可能性があります。
もしパートナーが感染していたら、ピンポン感染を防ぐ意味であなたと同時進行の治療をするようにしましょう。
パートナーを本当に大切に思っているのなら、感染してしまったことを正直にパートナーに話しましょう。
そうすれば精神的にも楽になるはずです。
逆にもしパートナーが感染していてそのことを自分に伝えられなかったとしたら、あなたは「パートナーから大切に思われていない」と感じ、とても悲しい気持ちになるはずです。
また、もしあなたがパートナーから告白された側ならば、大きな心を持って告白したパートナーを責めることはせず、健康なセックスができることを目標として専門医を受診してください。
繰り返しとなりますが、あなたがパートナーを愛しているのであれば、真実を伝えることは非常に大切なことです。
パートナーに病気になっていることを知らせないで放置していると、不妊症につながる精巣や卵管の病気になってしまい将来子供ができなくなるかもしれません。
あなたの悩みがパートナーの悩みにならないように、ふたりとも健康になり「愛のあるセックス」を心がけましょう。
一番肝心なことは「放置しないこと」です。大事なことは「過去」ではなくふたりの「未来」なのです!
性感染症は知らず知らずのうちに家庭内に侵入し「家庭内の不和」を招いてしまうかもしれません。
また、もし何かの性感染症にかかっていると、HIVに数倍感染しやすいことも忘れないでください。
『私の悩みは、あなたの悩み』と考え、パートナーとふたりで一緒に悩みましょう。
そしてお互いに健康になり、健康なセックスをしましょう。
「パートナーとの関係性について」
性感染症の再発防止についての私からのメッセージです。
2回にわたりお話しいたします。先ず1回目です。
1.パートナーとの関係性についてお話いたします。
性感染症の再発防止を考える上で、パートナーとの関係性は非常に重要になります。
淋菌やクラミジアなどの性感染症は症状に乏しく、知らないうちにパートナーに感染させている可能性があります。
一方、その性感染症がパートナーから感染させられている可能性もあります。
投薬治療を行い治癒を確認したにも関わらず、再感染する患者が少なからず存在します。
この場合は、パートナーがすでに性感染症に感染しているという可能性が強く疑われ、パートナーの検査は非常に重要と言えます。
実際に性感染症になった患者さんは、性感染症が性行為を介する感染なのでパートナーには感染した事実を隠してしまいがちです。
また、症状が乏しいとパートナーが積極的な受診をしないという事が多くあり、パートナーの受診率は低くなっています。
また、性行動の多様化によってオーラルセックスによる感染などもあり、咽頭のみ感染しているという症例も多く見受けられます。
私のクリニックでの実際の印象では、感染者のパートナーの受診率は約30%で、その中で実際に感染している人の確率は約30%です。
もしも感染してしまった場合はパートナーにきちんと告白し、一緒に検査を受け、再発が起きないように気をつけましょう。そして、しっかりと感染を予防しましょう。
「性感染症の悩み」の電話相談について
「性感染症の悩み」の電話相談についてお話いたします。
ニューズレター『性の健康』 2012年「電話相談を総括する」 に記載されている内容の一部をご紹介いたします。また私が文面の一部に加筆しております。
電話相談は顔の見えない相談であるため、匿名性が担保されることで「性」に関する相談も容易にできます。
性感染を心配している人や検査結果や治療に不安を持っている人にとっては、有用な窓口であります。
しかし、全体の1/3がリピーターであることも、電話相談ゆえであろうと考えます。
したがって、電話相談を受ける医療者のコミュニケーションスキルが要求されます。
時には明らかにマスターベーションをしていることがわかるような相談者もいることを考えると、今後電話相談をするためには、相談を受ける医療者への研修の際には、性感染症に関する知識のみならず、顔が見えない相談者への「対応」というスキルが身につくような研修内容を検討する必要があります。
近年の性行動を反映して、オーラルセックスによる咽頭への感染を心配して相談するものが増加しています。
特に女性からの相談が多いことから、今後は、産婦人科や泌尿器科のみならず、
耳鼻咽喉科でも日常的に検査ができる環境を整えてもらう働きかけが必要であろう。
さらに、インターネットの時代ゆえに、性感染症に関する情報源もインターネットがほとんどです。
しかし同時に、インターネットに記載されている内容に不安を覚えて相談する人もいます。
電話相談は、専門家と直接話ができる機会となり、誤った判断を避けることが可能となること、また、「受診」をする後押しをしている可能性があります。このように、「後押し」をする機能は重要です。
この機能はなんらかの形で保証していくことで、性感染症の拡大を予防する可能性はあると考えます。
以上です。
HIV感染が不安!
若い女性からHIV感染の悩みについて相談がありましたので、ご紹介いたします。
【相談内容】
先生こんにちは。HIV感染について不安に思う事がありましてご相談をお願いします。
いつもHIV感染について異常に不安になってしまい困っています。
現在、新しくおつきあいしている彼がいるのですが、もしかして
彼からHIVが移ったのではないかと不安にかられてしまう日々です。
チャンとコンドームを着けて予防はしていますが、もしかして失敗したのではないか、
何かの原因で感染したのではないか・・・などと、余計なことを考え出すと不安が止まりません。
彼にも一度検査を受けてみるように言ってはみたのですが、
なかなか忙しくて保健所に行けないようです。
彼はごくごく普通の男性です。ですので私が思うほど心配しなくて良いのかと思うのですが、
やはり心配なのでしたら検査は受けてみたほうが良いのでしょうか。
また、診療所に伺って直接HIVについて詳しく伺うことは可能でしょうか。
毎回毎回、このような不安をいつも抱えていては、精神的に病んでしまいます。
詳しくご説明できないので、ご回答は難しいかと思いますが、
どうぞよろしくお願いします。
余談なのですが、宮本町中央診療所で昨年に一度HIVの検査を受けたことがあります。
その時も、やはり様々な不安がありHIV検査を受けました。
【回答】
HIV感染について不安なこと、心配なことがあれば、HIVの検査を受けて
心に平和を勝ち取りましょう。それが一番です。
検査を受けなければ、いつまで経っても悩みを抱えたままです。
是非、検査を受けて不安から解放されましょう。
不安を感じた時が検査のしどきです。何時おいでになっても構いませんよ。
ミノマイシンの長期服用とクラミジアや淋病の治療について
ある性風俗の好きな男性からミノマイシンについて相談がありましたので、その内容をご紹介いたします。
【相談】 ミノマイシンの耐性とクラミジアや淋病の治療についてです。
3年ほど前から頭皮のニキビのために3週間に5日間ほどミノマイシンを飲むというサイクルを続けています。
ミノマイシンにもし耐性がついたら、という前提で質問させてください。
私は風俗が趣味なのですが、もしクラミジアや淋病に感染して治療を始めたとして、
ミノマイシンへの耐性は治療に影響があるでしょうか?
やはりミノマイシンはクラミジアや淋病の治療に使えませんか?
またその場合、ジスロマックやクラビットもミノマイシンと同様の耐性を獲得していて治療に使えないということは生じますか?
【回答】
まずミノマイシン、クラビット、ジスロマックSRについて、その特性を述べます。
1.ミノマイシンンは多くの細菌に有効なので、各科で広く用いられています。
性行為感染症のクラミジア感染症、また皮膚科ではニキビ治療によく使用されている先生方が大勢いらっしゃいます。
さて、ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質です。この系統の特徴として、同系のなかでは、抗菌力が強く、耐性菌も比較的少ないとされています。
抗菌力は従来のテトラサイクリンなどに比較して1~4倍あり、またテトラサイクリンが効きにくい耐性ブドウ球菌やレンサ球菌、大腸菌に対しても効果が期待できます。
2.クラビットは、約15年以上前になりますが,淋菌治療には無効で、クラミジアにも効きが悪くなっているので、常用量(当時300mg/日)の1.5倍~2倍必要であると考えられるようになりました。
その後研究が進み,現在では500mg/日の服用が標準になっています。また,現在ではクラビットを改良し、少ない量でも高い効果が期待できる薬としてグレースビットが出ております。
3.ジスロマックSRは、2000mgの超大量を1回だけ飲めば約90%の治療効果があるとされており、海外では非常に多く使われています。
現在、日本でもよく使われております。ただ、既に、治療の失敗例も報告されています。
これまで述べました通り、「淋菌とクラミジアの治療に有効」として、クラビットやミノマイシン等が使われていました。
しかし、これらは現在、淋菌とクラミジアのどちらにも効果が期待できません。
貴方は長期間ミノマイシンを服用なさっていますから、淋菌感染症やクラミジア感染症に罹った場合、治療をしてみなければ 治療が奏功するかどうか、分りません。
しかも、淋病、クラミジアの治療は、たとえ不適切な抗生物質でも、1~2週間ぐらいで自覚症状が消失してしまうことが多いので投与薬に注意が必要です。
ご心配な場合は専門医を受診いたしましょう。貴方のご相談に十分に答えられていないかもしれません。お許しください。
これからは、 健康なセックスを心がけましょう。
薬剤師への臨床講座「性感染症」
薬剤師の月刊誌PharmaTribuneファーマトリビューンに私の講座の記事が掲載されましたのでご紹介いたします。
臨床講座54宮本町町中央診療所尾上泰彦
性感染症
Point ポイント
1.疫学:性感染症の疾患別の報告数は、性器クラミジア感染症や淋菌感染症が1990年代半ば頃から増加して、2002年をピークに減少傾向に転じているのに対して、性器ヘルペスや尖圭コンジローマは不変か、やや増加傾向にある。
2.クラミジア感染症:性感染症のうち、患者数の最も多い疾患である。男性は尿道炎、精巣上体炎、女性は子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、劇症の急性肝周囲炎などを発症する。マクロライド系薬、ニューキノロン系薬、テトラサイクリン系薬のいずれかを投与する。
3.性器ヘルペス:単純1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染により、性器に浅い潰瘍性または水疱性病変を形成する。初感染の臨床症状は様々で、強い急性症状を呈するものか無症状のものまである。抗ヘルペスウイルス薬を投与する。
4.淋菌感染症:男性においてはクラミジアと並んで頻度が高い性感染症である。男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎を起こす。治療には、セフトリアキソン、セフォジジム、スペクチノマイシンの筋注、静注、あるいはアジスロマイシンの内服を用いる
5.尖圭コンジローマ:ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によりできるイボの一種である。治療には、イミキモドクリームの外用、凍結療法、電気メスなどで切除する外科的切除法、レーザー蒸散術などがある。
6.薬剤師へのアドバイス:性感染症を発症した患者は、心身両面において強いショックを受けている。薬剤師から病気について尋ねるのは難しいが、質問を受けた場合には的確な回答ができるようにしておきたい。
(中略)
薬剤師へのアドバイス
性感染症を発症した患者は、心身両面において強いショックを受け、誰に相談しようか、どの病院に行こうか、いろいろ悩んだ末に受診している。パートナーに申し訳ない、打ち明けにくいなど、対人関係までに悩みが及ぶことも少なくない。私は、疾患の治療はもとより、いかに患者の心の傷をケアしてあげられるかを念頭において診察をしている。患者の性格にもよるが、ときには、診察中にベッドに横たわった男性の性器に向かって「君はいつどこで何をしたのかな?どうしてこうなったか教えてくれる?…うーん。答えてくれないようだね。じゃあ、お父さんに聞いてみよう」と言って患者から笑いを引き出す工夫をしている。
薬剤師から、患者に病気をついて尋ねることは難しいと思うが、患者から尋ねられたら、性感染症は誰でもかかる可能性があること、不安な症状があったらなるべく早く受診し正しい治療を受けることが重要であることを伝え、患者が前向きに治療に臨めるよう手助けをする必要がある。積極的に個々の患者の特徴を理解し治療が継続できるように患者を守り、適切に対応していただきたい。
おわりに
最近は、性行動の開始が低年齢化している。10代は体の構造上、性感染症に罹患しやすいだけでなく、知識不足や診療機関への受診行動に結びつきにくいため、10代の性感染症の増加が懸念されている。
性感染症の制御については、コンドームの使用が勧められてきたが、残念なことにコンドームでは性感染症を100%予防できない。性器ヘルペスや尖圭コンジローマはコンドームで覆うことができない部位にも病変ができるからである。これらの手ごわい性感染症の制御には、性行為開始前のワクチン接種が最善の策と考えられる。2011年に発売された4価HPVワクチンのガーダシルは、子宮頸がんの予防だけでなく、尖圭コンジローマの予防効果が期待されている。若年女性に接種することにより、接種年代の女性の早期の発症率低下のほかに、結果的に男性の発症率も低下することが報告されている。
HPV4価ワクチンを皮切りに、性感染症の予防に有用なワクチン開発が望まれる。
性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究
以下の研究事業に研究協力者として参加いたしましたので報告いたします。
平成25年度厚生労働科学研究費補助金(エイズ対策研究事業)
高リスク層のHIV感染監視と予防啓発及び内外のHIV関連疫学動向のモニタリングに関する研究
『性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究』
分担研究者/研究担当者:
荒川創一(神戸大学医学部附属病院感染制御部)、
木原正博(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻社会疫学分野)
研究協力者:尾上泰彦(宮本町中央診療所)その他。
研究要旨
全国主要都市の29のSTDクリニックを受診した患者(男女)及びセックスワーカー(CSW)を対象として、希望者に無料HIV抗体検査を提供し、HIV感染の浸透度を検討した。対象者は、STD感染不安もしくは定期健診のために受診した者とし、同意を得てHIV抗体検査およびHIV検査ニーズ及びHIV関連知識に関するアンケート調査を行った。
平成25年9月7日から12月末日(一部医療機関は平成26年末日まで)の間に連続サンプリングした。22医療機関から症例が集まり、集まった症例数は、男性患者322例、女性患者109例、CSW160例で合計591例であった。
HIV抗体陽性者は、男性患者5名(1.55%)に認められた。アンケート分析の結果、HIV検査目的以外で受診した例は、男性患者75.4%、女性患者84.7%、CSW32.3%であったが、無料検査希望者は、
90%以上と高率であり、無料検査希望者は、全国的傾向であることが示唆された。HIV受検経験者の割合は、男性患者15.3%、女性患者11.8%、CSW73.3%で、HIV受検経験者中の複数回経験者は、それぞれ、25.0%、
50.0%、73.7%であった。HIV感染リスク認知が「全くないor低いと思う」と回答した者は、男性患者73.1%、女性患者61.2%、CSW41.6%と、リスク認知が不十分な状況が示唆された。HIV関連知識(7項目)に関しては、正解率70%以上が多く、知識レベルは一般に低くはないが、3グループとも、「性感染症に罹っているとHIVに感染しやすい」、 「保健所では名前を言わず無料で検査できる」、 「HIV検査で感染が分かった場合、名前や住所が国に報告される」の正解率は低かった(それぞれ、47.63%、56.69%、21.36%) 。以上より以下の点が示唆された。
(1)男性患者のHIV抗体陽性率は依然1%前後で、これまで同様保健所等での検査よりかなり高率であった。
本調査では、男性のHIV感染者は関東方面に集積していた。
(2)無料HIV検査へのニーズが全国的に非常に大きく、無料HIV検査提供の意義が改めて示された。
(3)STDクリニック受診者の間には、「性感染症に罹っているとHIVに感染しやすい」という
予防上重要な知識の普及が不十分であり、今後の啓発の重要性が示唆された。
“無自覚性病”に注意
“無自覚性病”に注意
2014年(平成26年)6月18日(17日発行)の
日刊 ゲンダイ に私の記事が掲載されましたので報告いたします。
“無自覚性病”に注意
ED治療薬バイアグラのジェネリック医薬品が発売され、「いつまでも現役」でいることに、より抵抗感がなくなったのでは?
しかし、気をつけたいのは性感染症だ。「チャンス」が増えれば、「リスク」も増える。
性感染症を数多く診ている宮本町中央診療所(神奈川)・尾上泰彦院長は、「性感染症には無症状のものもある。感染に気づいていない人は珍しくない」と話す。
無症状の最たるものが、性感染症の原因となる細菌に、咽頭が感染しているケースだ。
100%症状が出ないものも
「オーラルセックスで、クラミジア、淋病、ヘルペス、梅毒などに感染します。その中には、ほぼ100%、症状が出ないものもあります。見た目も変化がないので、視診だけでは分かりません。性感染症を専門に診ている医師でないと、性感染症があっても喉まで調べない。そもそも性感染症を
専門に診ている医師は少ない。だから、治療へとつながりにくい」
どの性感染症にも共通することだが、セックスパートナーの片方が性感染症にかかれば、もう片方も発症するリスクが高い。2人とも治療をしなければ、原因細菌のキャッチボールをし続けることになるし、ほかの人とセックスをすれば、感染が拡大していくことになる。
咽頭の場合なら、「性風俗店で客から女性従業員に感染→その女性から自分に感染→自分から妻へ感染、あるいは別の性風俗店の女性従業員へ感染」ということも十分に起こり得る。
性感染症は、女性に症状が出にくいものが結構ある。その場合は、男性の症状が発見のカギになる。「妻以外の女性とセックスしたために感染したから、妻には内緒で治療しよう」なんてことは、NG。
検査はパートナーと二人で
一方に症状がなくても、「検査は2人で」が鉄則だ。
「世界的に最も多い性感染症クラミジアは、女性の7割が無症状といわれています。
ただ、症状が出ると、おりものが増えたり、不正出血、下腹部痛、排尿痛、性交痛を認める場合もある。
男性では、軽い排尿痛や尿道のかゆみを認め、尿道からは白っぽい水様性分泌物が出てきます。放置すると、菌の拡散に加え、女性は不妊症を、男性は前立腺炎や精巣上体炎を起こしやすくなります」
淋病も、女性は症状が出ないことが多い。男性は、尿道から黄色い膿が出て、排尿時に激しい痛みが生じる。
性器にはっきりとした病変がなくても、性器からウイルスを排出していて、セックスパートナーにうつす可能性があるのが性器ヘルペスだ。
「初めて感染すると、症状としては性器に小さな水疱が多数でき、それが破れるとただれや潰瘍になります。
女性は排尿時に激しい痛みが出ることも。性器ヘルペスの厄介な点は、一度感染すると、ウイルスが神経の奥に住み着き、免疫力が落ちた時などに何度も再発を繰り返すことです。
その都度、セックスパートナーに感染させる可能性が出てきます」
再発を繰り返す場合は、年単位で薬を服用する治療が必要になる。
感染から症状が出てくるまで時間がかかるのは、尖圭コンジローマや梅毒、HIVだ。
尖圭コンジローマは、性器や肛門の周りに、米粒大から指先ほどのイボができる。
「梅毒は、感染後2~3週間で小さな硬結ができて、それがただれて潰瘍になり、やがて約3カ月後には全身に皮膚症状が出てきます。HIV感染症は、エイズ発症前に薬さえ飲めば、HIV感染の段階で食い止められる時代になってきました」
感染しないことが大前提だが、もしもの時の必須知識として覚えておこう。
成人T細胞白血病ウイルス 性交渉で年4000人感染
「成人T細胞白血病ウイルス 性交渉で年4000人感染」平成26年3月19日(水)発行の読売新聞(夕刊) に次のような記事が報道された。
「成人T細胞白血病ウイルス 性交渉で年4000人感染」 重い白血病や徐々に歩けなくなる神経難病の原因となる 「成人T細胞白血病ウイルス」に、母子感染以外の性交渉などで 感染する人が年間推定3000~4000人いることが、 日赤中央血液研究所の佐竹正博副所長のグループによる調査でわかった。
性交渉による感染者で重い白血病を発症する人はほとんどないとされているが、 未解明の部分も多く、実態調査を進める。 2005~06年の献血者のうち、11年までに新たに感染が分かった人が 532人おり、年代や地方ごとの人口割合を補正して、全国の感染者数を計算した。 10万人当たりの年間の感染は男性2.3人、女性6.9人と、女性が3倍多かった。
成人T細胞白血病は、母乳などで感染した子どもの発症確率が5%と高く、 国は授乳前の妊娠の時点でウイルス検査を行い、母子感染の予防を進めている。
一方、性交渉などで感染した場合、神経難病は0.3%が発症すると言われているが、 詳しい実態は分かっていない。
同グループは14年度から、性交渉で感染した人がどの程度発症するか、 調査を始める予定だ。
「性病と性感染症とはどう違うの?」
ある泌尿器科の先生から次のような質問がありました。「性病と性感染症とはどう違うのですか?教えてください」
それでは今回は少し、性感染症などの言葉について勉強しましょう。
一般には“性病”、“性行為感染症”そして“性感染症”は同じような意味で用いられていました。 しかし最近では専門家などの間では“性感染症”が多く使用されるようになりました。 それに伴って一般の方でも“性感染症”を使うような傾向がみられます。喜ばしいことです。 それに反してドクターでも“性病”を用いている方がいます。少し悲しいですことですね。
“性感染症”とは性行為またはそれに類似する行為で感染する病気の総称です。 日本では性にまつわる病気の名称は、かつては花柳(かりゅう)病と言われ男の遊び人の病気とされていましたが、 昭和23年からは“性病”と称され、昭和63年からは“性感染症”と呼称が変遷してきました。 世界的にはWHO(世界保健機構)は“VD=venereal diseases”(性病)を昭和50年に改めて“STD=sexually transmitted diseases”(性行為感染症)を提唱し、 さらには平成10年、性にまつわる感染症の概念を拡大し“STI=sexually transmitted infections”(性感染症)を推奨し現在に至っています。
法的には1998年(平成10年)に「伝染病予防法」、「性病予防法」、「エイズ予防法」が廃止され、新しく「感染症法」【正式には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」】に吸収され統合されました。この時点で法的には「性病」という言葉がなくなりました。 旧「性病予防法」では『性病』とは、梅毒、淋病、軟性下疳及び鼠径リンパ肉芽種症の四つの病名をさしていました。
現在、蔓延しているエイズ(HIV感染症)、クラミジア感染症、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、B型肝炎、C型肝炎などの多数の病気は旧「性病予防法」のいう『性病』の中に入っていません。以上のことから「性病」と「性感染症」とは全く違うものなのです。
2008年(平成20年)12月から日本性感染症学会では「性感染症」の名称を使用しており、「性病」という用語は使用しないように啓蒙・指導しています。 つまり「性病」という言葉はすでに、オヤジ言葉となり死語となっています。 これからは「性感染症」を使ってください。
咽頭感染が心配
咽頭感染が心配既婚、30代の男性から性感染症の悩みについて相談を受けました。
【相談】
妻に病気を移すことが心配です。
4週間前に酔った勢いで友達と性風俗店に行ってしまいました。
口から口へ性感染症は移るのでしょうか?
咽頭感染について教えてください。
【回答】
一般的には日常生活での家族同士の口と口だけの愛情表現程度では
性感染症が移る可能性はないと考えます。
しかしながら貴方の言う通り、感染者との粘膜と粘膜の接触、
唾液(体液)の交換があれば感染が成立する可能性はあります。
口と口だけでも梅毒、淋病、クラミジア感染症、口唇ヘルペスなど
になる可能性はあります。そして何らかの症状が出れば治療につながるのですが、
咽頭に淋菌やクラミジア・トラコマティスが感染しても、ほとんど症状が出ません。
ですから知らないうちに病気を移しているかもしれません。
これは困った問題ですね。心配ですね。貴方と奥様の問題もあり、
心配しだすといつまでも貴方に「心の平和」は訪れません。
貴方は性風俗店に行ったのですから、一度、専門医を受診され、
異常がないことを確認されるのがよろしいのではないでしょうか。
「性感染症に関する咽頭検査・治療の重要性」
ある泌尿器科医から「淋菌感染症とクラミジア感染症の咽頭感染について教えてください」と アドバイスを頼まれました。 以下は、その時のアドバイスの内容です。 先ず、泌尿器科医にとって男性の淋菌性、クラミジア性尿道炎の最大感染要因がオーラルセックスであることは、良く知られていることです。 しかしながら、淋菌・クラミジアの咽頭感染の実態は泌尿器医といえども、あまり理解されていないと思われます。 また、口腔咽頭感染は感染部位としても、感染源としても放置できない問題です。 しかし、口腔咽頭の専門家である耳鼻咽喉科医の性感染症に対する関心度が低いのが現実であり、残念なことです。 咽頭感染を心配する患者が耳鼻科医を受診しても、検査もされず戸惑っている現象が数多く生じています。 ご承知の通り、淋菌感染症やクラミジア感染症は、生殖器だけでなく咽頭にも感染いたします。淋菌感染症においては、生殖器よりも咽頭の方が淋菌の検出率は高くでます。 一方、クラミジア感染症においては、咽頭よりも生殖器の方が検出率が高くでます。 また咽頭に感染した場合、治療においては、生殖器よりも咽頭の方が治癒までの期間が長くなると、経験的にわかっています。 そのため、性感染症の専門医であれば、性感染症と診断した症例に対しては、患者からの問診などにより咽頭感染も疑われる場合、通常よりも薬剤の投与量を多く処方するケースもあります。 その反面、性感染症に造詣が深くない医師は性器感染で咽頭感染を考慮しない場合が多く、通常の治療を実施し、性器が陰性化した段階で治癒と判断し、咽頭感染の有無を確認しないケースもあります。 現在の性行動の多様化から、性感染症が疑われた場合、咽頭の感染も念頭に入れながら、 検査ならびに治療を行うことが重要と考えます。
性感染症はのどにも感染する
オーラルサービスを性商品とする性産業、いわゆるピンクサロン、ヘルスまたはデリバリーヘルスに行く若者が増えています。
その理由は、ソープランドよりも低料金であることでしょう。
そしてその結果、咽頭(のど)にクラミジアや淋菌が感染します。
性感染症は性器のみに感染すると思っていませんか。
性行動においてオーラルセックスが日常化している現在、クラミジアや淋菌が咽頭へ感染する多くの若者が増加しています。
のどに違和感を覚える人は、是非、咽頭の検査を受けてみましょう。
性器クラミジア・トラコマチスは男女ともに初期症状が軽いため、早期発見が難しいのが特徴です。感染するとHIVにも感染しやすくなるので、早期発見・早期治療が求められます。
性器淋菌感染症については、男性の感染例が女性の4.4倍にのぼる性感染症です。
また治療薬に耐性をもった淋菌(耐性淋菌)の感染者も増加しています。
のどに痛みがある。風邪薬を飲んでも治らない。パートナーが性感染症と診断された。
こんな症状がある方は、直ぐにのどの検査を受けましょう。
“うがい液”で簡単に検査ができるようになりました。
従来は、のどの粘膜を綿棒でこすって検体を採る方法(拭い液法)が一般的でしたが、
最近、“うがい液”(ガラガラうがい)だけで簡単に検査できるようになりました。
ロシュ・ダイアグノスティックス(株)が、“うがい液”だけで簡単にできる検査の保険適用を取得いたしました。腫れた患部を綿棒で刺激せず、のどへの負担が少ないので安心が受けられます。
4,5日程度で検査結果がでます。
心配な方は一度、専門医をたずね、検査をうけては如何でしょうか。
尿道下裂と性感染症(後編)
前回は、3人の男性患者の症例を紹介し、
その患者さんの陰茎の共通点が「尿道下裂」であることをお話しました。
「尿道下裂」とは一言で言うと、尿道が裂けている状態で、
発育の途中で何らかのホルモン異常があったと考えられているということもご説明しましたね。 今回はその続きをお話しましょう。
「尿道下裂」は、その程度がひどければ、生まれた時に分かるわけですが、
程度が軽ければ、産婦人科医や両親も気が付きません。
大きくなって、立小便ができて、オナニーができれば、本人ですらも気が付かないものです。
そのまま大人になり、何かの時に泌尿器科医が診れば、指摘を受けるかもしれません。
でも、おしっこ(立小便)ができ、セックスが可能であれば、
臨床的には問題ないと考えられています。
しかしながら、これらの成人患者の外尿道口をよく観察すると、
本来、尿道になるべき陰茎背面にある尿道口は盲端になっており、
そこからは尿も精液も排出されません。
つまり、外尿道口の腹側面から尿と精液が排出されるわけです。
しかしながら排尿時に、尿が分裂したり、散乱することがあるかもしれませんが、
問題なく日常生活や性交渉はできます。
ただし、性感染症の側面からみると大きな問題点があります。
通常、成人男子の外尿道口はスリット形(縦長)を呈し、大きさは
約5~10mmです。
一方、尿道下裂の方は、程度の差はありますが10~20mmです。
つまり、正常な男子と比較すると、尿道口の大きさが約2倍程度大きいということです。
一言で言いますと、尿道口が広がっているということです。
本来、尿道口は狭くなっておりますが、それは、尿を勢いよく出し、
精液も勢いよく出すためにそういう仕組みになっています。
さらに、病気の原因となる微生物、つまり外敵が侵入しないように狭くなっているわけです。
ということは、尿道下裂の方では、この機構が壊れているため、
もしそのパートナーが病気の原因となる微生物を持っていれば、
容易にその侵入を許してしまいます。
感染防御機構が働いていない状態となり、あらゆる性感染症に対して無防備になります。
性感染症のリスクが大変高くなるのです。
一度、ご自分の尿道口をよく観察し、もしも気になれば、泌尿器科医の診察を受けましょう。
そして、安心いたしましょう。
最後に、軽い尿道下裂があっても、パートナーが性的に健康であれば何もご心配ありません。
「君子危うきに近寄らず」ですね。
それではご機嫌よう!
尿道下裂と性感染症(前編)
20代前半の男性が受診してきました。
「先生、尿道の入り口にイボができちゃった」とのこと。
『痛くありませんか?』
「痛くも痒くもありません」
陰茎を診察すると、確かに尿道の入口から、直径5mm大のイボが顔を出しています。
診断結果は、尖圭コンジロー
マでした。
また、別の30代前半の男性が受診してきました。
「どうされましたか?」と聞くと、
「尿道の中が白くただれてい
ます」と言います。
診察すると、外尿道口より約3mm奥に、直径4mm大の白い潰瘍ができていました。
「痛くありませんか?」と訊ねると
「痛くありません」と言います。
さらに、「3週間ほど前にエッチしましたか?」と聞くと、
「エッ!なんでわかるんですか?」との返答。
臨床診断は梅毒の初期症状の硬性下疳でした。
オーラルセックスによって引き起こされることの多い症状です。
次に受診してきたのは、20代後半の男性です。
彼の訴えは、
「先生、おしっこのし始めがものすごく痛くて、黄色い膿が出ているんです」とのことでした。
診察すると、外尿道口から溢れんばかりの黄色い膿が出てきました。
典型的な淋菌性尿道炎です。
さて、これら3人の男性の症状には、ある共通点がありました。
それは一体何かと言うと、「尿道下裂」です。
「尿道下裂」とは男性のオチンチンの先天的(生まれつき)な形態異常(奇形)です。
この尿道口の奇形は大変多く、外来で一番多く見られます。
男性外性器の発育分化には、胎生期の性ホルモンの作用が必要であり、
このホルモンの分泌や作用に、何らかの問題があったと考えられていますが、
はっきりとは解明されていません。
この状態を一言で言うと、尿道が裂けている状態です。
専門的には陰茎腹側面の発育に欠陥があり、その近くに外尿道口が開いている状態です。
では、次回は、この「尿道下裂」についてもう少し詳しくご説明いたしましょう。
新婚旅行で淋菌感染症に!?
つい最近、34歳の女性(Tさん)から性感染症について相談がありました。
その相談内容は以下の通りです。
『新婚旅行に海外に10日程行って来ました。
旅行3日目に彼から、「パンツに変なものがついてる」と言われその下着を見たら、
女性の帯下(おりもの)のような分泌物が付いていました。
何時からか聞いたら、1日前からで、排尿の時も少し痛むとの事でした。
添乗員に言った方がいいんじゃないか?と言ったのですが、
自分のおちんちんから変な液体が出てると言うのが恥ずかしいから、
日本帰ってから、治ってなければ病院に行くとのこと。
しかし、彼は今回の長期連休をとった為に休みが取りづらく、
まだ病院に行っていません。
現在、帰国して3日ですが、排尿時の痛みは無くなったようですが、
まだ黄色いような茶色いような液体は出ているようです。
これは性感染症でしょうか?彼のことが心配です。』
********************************************************
大変心配なケースですね。
ここから先は、私のほうからTさんにした回答のポイントをお伝えしていきたいと思います。
ご相談内容から考えると、彼には現在、尿道炎が生じていると考えられます。
現在、尿道口から出ている黄色~茶色い分泌物は、おそらく血膿でしょう。
この尿道炎の原因菌は相談内容の状況から、淋菌が最も考えられます。
ということは淋菌性尿道炎になっている可能性があるということなんですね。
もちろんクラミジアなども否定できません。
それでは、いつどこから感染したか?の答えとして考えられるのは、
旅行の2日目から症状があったということですから、
パートナーであるTさんが 原因なのかも しれませんし、
もしくは、旦那さまが新婚旅行前に他の女性と性交渉を持っていたという可能性があります。
Tさんご夫婦は新婚さんですから、おそらくそのようなことはないと思いたいのですが…。
とにかく、旦那さまのほうは、一刻も早く泌尿器科を受診することが必要です。
仕事をしている場合ではなく、彼のペニスの一大事ですし、症状が悪化しては大変です。
もし淋菌感染症であれば将来、急性精巣上体炎が生じ、
男性不妊症になる危険性があります。
そして、もしも旦那さまが本当に淋菌感染症であることがわかったら、
Tさんご自身も、早急に婦人科を受診され、性感染症の検査を受けなければなりません。
Tさんが将来、不妊症で悩まないためにも、早急に行動を起こす必要がありますね。
ご夫婦そろって健康になられることを心より願うばかりです。
性器伝染性軟属腫(ミズイボ)
ある秋の日の夕刻、27歳の主婦が私の診療所に受診してきました。受診理由を聞いてみると、「先生、実は“あそこ”にイボができました。
2日前にお風呂に入っているときに気が付いたんです」という訴え。
早速診察いたしますと、左右の大腿部の内側と恥丘部に、
灰白色の直径1.5~2mm大のイボがパラパラと10個近くできていました。
専門医が診れば一目でわかります。
これは「伝染性軟属腫」で、通常は良く幼稚園児にできる、いわゆる「ミズイボ」です。
ミズイボの病原微生物は伝染性軟属種ウイルスです。
大人では性行為(スキンシップ)を通じて外陰部やその周辺によくできますから、
「性器伝染性軟属腫」とも言われています。
潜伏期間は2週~6ヶ月。タオルやバススポンジなどから間接的に感染することもあります。
また子供から移ることもあります。
イボの大きさは粟粒大~大豆大。中心に臍のあるドーム状の腫瘍で、表面は滑らかで、
蝋様の光沢があり、専門のピンセットでつまむと乳白色の粥状の内容物が出てくることが特徴的です。
イボは外陰部、恥丘部、肛門周囲、大腿内側などに多くできます。
治療は専用のピンセットで一つ一つ摘んで取ります。
大きな場合はレーザーによる蒸散あるいは液体窒素による凍結療法などを行います。
このイボは、乾燥肌の人に多く見られ、白色ワセリンなどの保湿剤だけでも治癒することがあります。
従って、入浴後は保湿剤でスキンケアーをすることが治療には効果的です。
タオルは患者と別のものを使用し、感染を防ぐためにスキンシップはやめましょう。
患者の衣類などは熱湯消毒を推奨します。
また顔面にミズイボがたくさんできたら、AIDS(HIV感染)を疑わなければならないことも覚えておきたい知識です。
この主婦の方の場合は、ピンセットでの処置でイボの治療をいたしました。
幸い、お子さんにはミズイボが移っていないということで、私も安心いたしました。
第2回臨床現場の医師のための性感染症最新講座
性感染症の講座にて講演をしてきました。主催:財団法人 性の健康医学財団
後援:東京都医師会、日本性感染症学会
日時:平成22年10月14日(木)13:30~16:45
場所:主婦会館プラザエフ8階 スイセン
講演2:『クラミジア、淋菌による咽頭感染』宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦
【講演要約】
臨床医にとって男性の淋菌性、クラミジア性尿道炎の最大感染要因はオーラルセックスであること周知の事実である。しかしながら、淋菌性、クラミジア性咽頭炎の実態はあまり知られていない。淋菌・クラミジア感染症の疫学、特徴、咽頭炎の特徴、実際の臨床例、咽頭の淋菌・クラミジア検査法、検体採取法の実際、その成績および今後の課題について解説した。この講座ではクラミジア、淋菌の咽頭感染の臨床症例写真を提示した。
性感染症はナノメーターオーダー時代
性感染症(STI)は、かつては『花柳病』あるいは『性病』と呼ばれていました。
ここでの「花柳」とは遊女、遊里を指し、昭和32年に売春防止法が施行されるまで、
いわゆる赤線地帯で行われていた売春を意味しています。
性感染症が「花柳病」と呼ばれること自体、かつては、いかに売春と性感染症が深く結び付いていたかをしのぶ事ができます。
昭和20年代までは抗生物質が自由に使用できないため、淋病、梅毒の全盛期でした。
性感染症は昔からある病気ですが、時代とともに変化も見られます。
それは、性感染症における“病原微生物の大きさ”です。
かつての「性病」時代は肉眼でも見える、mm大の毛虱(ケジラミ)、少し小さくなって、
ヒゼンダニ(疥癬)の寄生虫、腟トリコモナス原虫、さらに小さくなって
μm(ミクロンメーター)大の細菌類(梅毒トレポネーマ、淋菌、軟性下疳菌)が主役でした。
そして昭和50年代になると、細菌類に分類されているクラミジア・トラコマティス(CT)
(大きさは10マイナス6乗メーター)が台頭してきました。
現在はこのCTが性感染症の主役です。
この現象は診断技術の進歩により遺伝子(DNA)レベルの検査ができるようになり、
今まで判らなかった病気(クラミジア・トラコマティス)の診断が容易にできるようになったことによる変化です。
さらに今日では、STIはウイルス(大きさは10マイナス6乗メーター~9乗メーター)の時代へと向かっています。
HIV(AIDS)、HPV(尖圭コンジローマ)、HPV(性ヘルペス)HBV(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)伝染性軟属腫ウイルス(伝染性軟属腫=ミズイボ)などはすべてウイルスの仲間です。
つまり、STI病原微生物の主役の座を長年務めていた細菌類は、その座をウイルスへと明け渡しつつあります。
すなわちSTI病原微生物はナノメーターオーダー時代に突入しているといえます
(1ナノメーターは10マイナス9乗メーターです)。
ウイルスは賢く症状を出さない物が多く、言い換えれば、現代は「無症候性ウイルス性STI時代」ともいえます。
しかしその中で、いまだにSTIの首位を独走している細菌はCTです。
とはいえ、医学の進歩により、近い将来、STIの主役はナノメーターオーダーの
病原微生物であるウイルスにとって変わるでしょう。
人間とウィルスとの戦いは、まだまだ続いていきそうです。
電子書籍 『ドクター尾上のすぐわかる性感染症』
皆さん、お元気ですか。電子書籍 『ドクター尾上のすぐわかる性感染症』が、6月5日に発刊されました。
性感染症(STI)について、楽しく理解できる内容になっています。
よろしかったら、どうぞ、ご購入ください。立ち読みでもいいですよ。
『ドクター尾上のすぐわかる性感染症』
著者 : 尾上泰彦
出版社 : マイカ
発売日 : 2009年6月5日
価格 : ¥300-(税込み¥315-)
電子書籍ですからご購入後、ダウンロードしてお読みください。
【内容】
あなたは、性感染症のことをわかっていますか?
自分はそうではないと、断言できますか?
彼や彼女と安心して愛し合うために必要なのは、セーフティセックスの知識。
本書では、自分や愛する人を傷つけないために最低限知っておきたいことを、
現役の医者である著者がわかりやすく解説しています。
実際の診療現場ではどんなことが起こっているのか、きちんと知っておきましょう。
性風俗嬢の性感染症(その3)
先日、ある出版社から取材を受けた、「性風俗嬢の性感染症」に関するインタビュー内容を、抜粋してご紹介している最終回です。前回は、日本の風俗の歴史と特徴についてご紹介しました。今回は、「CSWの行うあるサービスが感染症の拡大に拍車をかけている」ことについてお話します。
記者:
CSWが、様々な性感染症に感染している可能性が高いことはよくわかりました。
しかし、インタビューの最初でお伺いしたように、「売春防止法」によって、いわゆる「本番」というか、男性器を挿入して行うセックスを提供するサービスは減ったわけですよね。
ということは、CSWによる性感染症の拡大もなくなってきたのでしょうか?
尾上:
確かに、男性器を女性器に挿入させるようなサービスは、表向きはなくなりました。
が、実は違うのです。ソープランド店のみは監督取締りを行う行政(保健所)も性器の結合を容認しているのが実情です。
しかし、その他の性風俗店ではかなり厳しく取締り・指導をされていると思われます。
ただ、合法的な性風俗店(ファッションヘルス、ピンクサロンなど)では、オーラルサービスが日常的に、あたりまえの様に行われていますよね。
実はオーラルセックスのみでも、クラミジア、淋病、ヘルペス、梅毒などに感染する可能性があるのです。
記者:
えっ!?オーラルは「本番」よりも安全だと思っていましたが・・・・。
尾上:
とんでもありません。それは大きな誤解です。男性の性感染症で最も症例数の多いクラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎の最大感染源はCSWのオーラルサービスなのですよ。
記者:
ということは、クラジミアや淋菌が、CSWの口の中に存在しているということですか? でも、CSW本人には、それがわからないのでしょうか?
尾上:
CSWのクラミジアや淋菌による咽頭炎の特徴は、自覚症状がないことで、これが問題を一層厄介なものにしています。CSWの咽頭からのクラミジア、淋菌の検出率は高いにもかかわらず、ほとんどの症例が無症状で咽頭の発赤、扁桃腫脹など他覚的所見がありません。
記者:
ということは、CSWは自分が感染していることを知らないまま、客にオーラルサービスを提供し、それが感染を広げているわけですね。
尾上:
そうです。実際にCSWの咽頭では淋菌の検出率は性器よりも高い値を示しています。
一方、クラミジアでは性器の方が咽頭より検出率が高くでますが、咽頭にも一定の割合で存在します。この違いの原因は、咽頭が淋菌にとって住み着きやすい環境であるからだと考えられます。
いずれにしても、「オーラルは安全」ではないことは明白な事実です。
まさに、『口腔咽頭は性感染症の温床』なのです。お分かりですか?
記者:
日本の性風俗の特徴である「本番」以外のサービス、これがまさに性感染源の拡大の場になっており、CSWが感染の拡大に深くかかわっておるのも、この点なのですね。
大変興味深い内容でした。本日はありがとうございました。
**************************************************************
いかがでしたか。
これをお読みになったら、もう「オーラルは安全」だとは思えないのではないでしょうか。
もっと多くの方に、この事実を認識していただくことを、望んでやみません。
性風俗嬢の性感染症(その2)
前回から、先日、ある出版社から取材を受けた「性風俗嬢の性感染症」のインタビュー内容を、抜粋してご紹介しています。前回は、日本の風俗の歴史と特徴についてご紹介しました。
今回は、「性風俗嬢(CSW)によくみられる感染症」についてです。
記者:
CSWの女性自身は、どのような性感染症に感染している場合が多いのでしょうか?
尾上:
CSWの性感染症で最も頻度の高いものは、クラミジア感染症です。次いで性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、ケジラミ症、梅毒の順になっています。
記者:
やはりクラミジアが一番多いのですね。
尾上:
その通りです。クラミジア感染症はCSWにとっては避けては通れない性感染症で、最も高頻度に罹患しています。また外陰・腟カンジダ症、細菌性腟症も多くみられます。
これらは多くのCSWの職業病的な様相を呈していると言えるでしょう。
記者:
なぜ職業病なのでしょうか?
尾上:
CSWの仕事上、腟内洗浄を日常的に行うことや何らかの理由により抗生物質を服用することがその要因の一つと考えられますね。
記者:
性器ヘルペスのように、一度かかるとそのあと何度も発症する病気も含まれていますね。
尾上:
CSWにとって性器ヘルペスは、初感染時は性感染症だと言えますが、そのあとは、ヘルペスウイルスが骨盤の中の神経節に潜んで眠っています。
一度治ったように見えても、セックス、月経、仕事などのストレスにより、眠っていたヘルペスウイルスは目を覚まし再発してきます。この再発は高頻度にみられます。ですから性器ヘルペスの再発は性感染症だとは言い難いのですが、感染力があるので他人(男性)にとっては性感染症となりえます。
記者:
HIVおよびエイズに関してはどうですか?
尾上:
CSWは日本人の中でも、HIV/AIDS感染の、High Risk Group(病気になる危険性が高いグループ)に属しています。しかし、感染の報告はほとんどなく、HIVの陽性率は一般女性と変わらないと考えられます。
記者:
それはちょっと、安心できる材料ですね
尾上:
しかし、その他の性感染症に関してはHigh Risk Groupであることに変わりはありませんよ。常に感染の危険と隣り合わせであることを忘れてはいけません。
さて、次回はCSWの行う、とあるサービスが、感染症の拡大に拍車をかけていることについてお話します。お楽しみに。
性風俗嬢の性感染症(その1)
先日、ある出版社からのインタビュー取材を受けました。
テーマは、「性風俗嬢の性感染症」についてです。
性風俗を利用することでの性感染症のリスクについては、このブログをご覧の方々には、周知の事実だと思います。しかし、世間一般では、まだまだその実態についての理解が不足しているように感じます。
そこで、今回から3回にわたって、このインタビュー取材の内容を抜粋してご紹介することにいたします。
記者:
先生、今日はどうぞよろしくお願いいたします。
今回お話を伺いたいのは「性風俗嬢の性感染症」についてです。
まずは性感染症の拡大に、性風俗嬢がどのように関わっているのか、ということから教えてください。
尾上:
性風俗店で働く女性を「性風俗従事者(commercial sex workers=ここでは以下CSWと略します)」といいます。現在、このCSWが、男性の性感染症で最も症例数の多いクラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎の最大感染原因になっています。
記者:
どうしてCSWが性感染症の最大原因になったのでしょうか?
尾上:
その質問にお答えするには、まずは日本の性風俗の歴史や実態について、ご説明しないといけませんね。ご存知のように、1958年に「売春防止法」が施行され、いわゆる「赤線」で行われていた売春行為が違法となりました。それによって、日本の性産業は大きく変わり、多くの赤線業者が「トルコ風呂」(1984年に現在の「ソープランド」という名前に改称)を始めました。
記者:
これによって、提供されるサービスの内容がいわゆる性行為ではなくなったということですね。
尾上:
そうですね。体を洗ったり、マッサージをしたり、さらにオーラルセックスや素股、手や乳房での性器への刺激、肛門・前立腺刺激、性玩具使用などは、売春防止法にいう「性行為」にあたらないということで、法の網をくぐりぬけた新しいスタイルの性商品がつぎつぎと現れました。
このような性商品は世界的にみても類がなく、日本特有の現象と思われます。
記者:
確かに、ソープランド以外にも様々なタイプの風俗店がありますよね。
提供している内容も、ライトなサービスからヘビーなサービスまで様々です。
尾上:
殊に、ファッションヘルス、ピンクサロンなどのオーラルセックス専門店の存在が、問題です。これらは低料金のため、手軽に若い男性が利用していますよね。
このことが性感染症の拡大・蔓延に拍車をかけているわけです。
さて、次回は実際にCSWの女性がどんな感染症にかかっている例が多いかをご紹介します。
お楽しみに。
男性同性愛者の性感染症
1月某日、未婚で44歳の男性が来院してきました。来院の理由を聞いてみると、
『HIVの即日検査を希望します。あと梅毒が心配です』とのこと。
一見、紳士風で、礼儀正しい立ち居振る舞いの男性でした。
そこで詳しく話を聞いてみると、その男性は「同性愛者(ゲイ)」でありました。
早速、診察致しますと、陰茎には異常所見を認めないが、陰嚢皮膚には梅毒性皮 疹を認めました。
これは梅毒の第二期に見られる皮膚所見です。
本人希望のHIV 即日検査もすぐさま行いましたが、こちらは陰性で、私もほっとしました。
梅毒については念のため、梅毒血清反応検査も行いましたが、
1週間後に、やはりハッキリと陽性であることが判明しました。
梅毒第二期ですので、早速駆梅療法(梅毒の治療)を開始しました。
治療は本人の努力もあって約2ヶ月で終了し、 現在は経過を観察しているところです。
さて、いい機会ですので、
今回は男性同性愛者(ゲイ)の性感染症について少しお話しましょう。
肛門と性器そしてハンド・フィンガー・性玩具・薬(ヤク)等を使用するゲイのセックスには、
計り知れない特殊性があります。肛門は本来、性行為で用いる部位ではありません。
肛門を使うだけで免疫力が低下するといわれています。
男性同性愛者には特有な性感染症があり、
男性性器と女性性器の結合で生じる性感染症とは全く違う病気があります。
それは「A型肝炎」と「赤痢アメーバ症」です。
A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)が原因です。
赤痢アメーバ(腸管の寄 生する原虫)は大便を直接的あるいは間接的になめることで感染します。
しかし、なんといっても最も注意しなければならいのがHIV感染です。
他にはゲイの約10%が梅毒に感染しているとも言われています。この数字の高さは驚きですね。
また尖圭コンジローマですが、ゲイのコンジローマは肛門にできるのが特徴です。
肛門の尖圭コンジローマはやはりHIV感染者に多くみられます。
また梅毒の第二期に生じる扁平コンジローマも、尖圭コンジローマとの鑑別が必要となります。
このような事実からもわかりますように、
ゲイの方は積極的にAIDS、梅毒、A・B・C型肝炎の血液検査を受けるべきです。
既にA型肝炎・B型肝炎・C型肝炎はゲイの間で深刻な問題になっています。
しかし、A型肝炎・B型肝炎は予防ワク チンがありますので、対策をとることも不可能ではありません。
セックスをするゲイにはワクチンをお奨めいたします。
これからは、男性同性愛者(ゲイ)のための性感染症の専門医が必要な時代になるかもしれませんね。
それでは、ごきげんよう!
陰茎硬化性リンパ管炎って!性感染症なの?
今回は『陰茎硬化性リンパ管炎』について勉強しましょう。
えっ?はじめて聞いた病名ですか?
正式には非性病性陰茎硬化性リンパ管炎(non-vevereal sclerosing lymphangitis of the penis、Mondor病)というものです。
先日、私のクリニックに29歳の男性がやってきました。
「先生!ペニスにコリコリしたオデキができた。心配で・・・」
という彼に話を聞いてみると、2週間ほど前からペニスの冠状溝の下
にコリコリしたオデキが急にできた。
痛くも痒くもないが、飛び出ていて気持ちが悪いとのこと。
風俗には行ってないし、何年も彼女はいないが、マスターベーションは
週に2~3回位しているということでした。
早速、診察してみるとペニスの冠状溝の下のほぼ半周に渡って、
環状に索状の結節(しこり)がみられます。
触れると、患者さんが言うとおりコリコリしています。
コリコリしている索状物は幅は約3~5mmの管状をしており、
表面はきれい、赤くなったりもしていません。
また、押さえても痛くないといいます。
管状のしこりは周囲との癒着はなく、可動性でありました。
しかも冠状溝の中央で索状のシコリが陰茎根部に向かって
陰茎体部の中央部付近まで屈曲しながら走行しています。
さて、これは何という病気でしょうか?
これが今回のタイトルにもなっている、「陰茎硬化性リンパ管炎」です。
20~40歳の男性に多く、性感染症とは関係ありません。
多くは、陰茎冠状溝の包皮の内板を環状にとりまく皮下の索状硬結(しこり)です。
少し難しくなりますが、性交による機械的刺激のためリンパのうっ滞、凝固、
器質化などが生じ、陰茎リンパ管に閉塞性、増殖性の索状結節(しこり)が
発生したものと考えられています。
すなわち、過度あるいは長時間のセックスやマスターベーションが
原因になることがあると言われていますが、はっきりとした原因は判っていません。
大体2週~4週でコリコリしたリンパ管は再開通し、自然消失することが多いようです。
自然治癒することが多いので、放置してもかまいません。
リンパ管の切開ないし穿刺は一時的な効果はありますが、
また直ぐに腫脹してきますから、無意味な処置となります。
自然治癒しないようでしたら、専門医を訪ね、定期的(2~4週間毎)に
診察を受ける経過観察をお勧めいたします。
場合によっては、または再発時には手術(リンパ管切除など)が必要になるかもしれません。
診断は、専門医が診れば目視で容易です。
最近、インターネットで勉強し、性感染症ではないかと心配して来院する方がみられます。
ご心配のある方はひとりで悩まず、まずは専門医をたずねてください。
それではごきげんよう!
STI自己検診の効果と限界
性感染症は他の病気と比べても、きわめてプライバシーの高い病気です。「できたら婦人科の検診台には乗りたくない。」
「診察を受けることに抵抗がある。」
そんな女性の声をよく耳にします。
先日相談を受けたある女性も
「彼が時々、性風俗に行くので性感染症が心配なんです。
最近、帯下(おりもの)が増えてきたし、クラミジアではないかと思って・・・。
でも病院にいくのには、どうも抵抗があります。」と仰っていました。
実は「自己検診」という手段もあります。
最近では、クラミジア・淋菌の検査キットにおいて、
遺伝子レベルの検査ができるようになりました。
精度・検出率が極めて高く、医療機関で行う検査とほぼ同等の精度があります。
ですから、検体採取さえうまくできれば、検査キットによる自己採取の郵送検診でも
ほぼ正確な検査結果がでます。
しかし、外陰部の診察だけは自己検診ではできません。
これには専門的な知識・技術が必要となります。
性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、性器伝染性軟族腫(ミズイボ)、軟性下疳、
ケジラミ、疥癬(ヒゼンダニ)などは専門医でなければ診断できません。
自己検診はそのメリットとデメリット、
つまり、「自己検診で何がわかり、何がわからないのか」を
はっきり知った上で行うならば良いと思います。
ただ、もし検査の結果、陽性成績や問題点が出た場合は、
早急に婦人科を受診することが大事です。
一番肝心なことは「放置しないこと」です。
性感染症を放置したことによって、子宮外妊娠、卵管狭窄、骨盤腹膜炎を起こしたり、
不妊症など、のちのち悪影響を及ぼしてしまうことは多々あります。
ご自身の体のためなのですから、勇気を持って婦人科の扉を叩きましょう。
貴女の性の健康をお祈りいたします。
今や、 性感染症はウイルス時代!
性感染症は今や寄生虫、細菌の時代でありません。AIDSはHIV、尖圭コンジローマはHPV,性器ヘルペスはHSV、B型肝炎はHBV,C型肝炎はHCV、
伝染性軟属腫は伝染性軟属腫ウイルスなど圧倒的にウイルスが原因の病気が性感染症を占めています。
その中でも最近は、性器ヘルペスや尖圭コンジローマにかかる人が増加しています。
これらに感染すると、皮膚や粘膜に小さな傷ができ、エイズウイルスにも感染しやすくなるといわれており、注意が必要です。
以前このブログにも書きましたが、最近になって性器ヘルペスや尖圭コンジローマに効果のある治療薬が開発され、保険適応にもなっています。
これらの感染症の対応には、早期発見と早期治療、そして医師の治療法の選択が大事なポイントとなります。
例えば性器ヘルペスの場合、「再発」が多くの患者さんの悩みとなります。
再発を繰り返す患者さんは、2年前よりヘルペスウイルスに対する抗ウイルス薬を1日1錠服用することにより、快適な生活ができるようになりました。これを再発抑制療法といいます。
このような治療法は先進国では日本が最も遅れていました。
しかし、再発を防ぐことは、発症した症状を治すことと同じぐらい重要で、患者 さんにとってはQOL(Quolity of life 生活の質)が向上することになります。
一方、尖圭コンジローマは基本的には良性腫瘍ですが、ウイルスのタイプによっては子宮頸癌や陰茎癌をひき起こすこともあります。再発を繰り返したり、難治性の場合には注意が必要となります。
幸いなことに、尖圭コンジローマも免疫調整剤の外用薬が1年前より日本でも使用できるようになり、治療の選択枝が増えたことは、患者さんにとって朗報ですね。
しかし、これらの新しい治療法の恩恵にあずかるには早期受診が必要です。
一番 大事なことは自分の体の変化にすぐに気づき、早めに医師の診察を受けること、
そしてもちろん、性感染症に詳しい医師にめぐり合えるかどうかも重要です。
性行為中なんとも言えない臭いがして白い液体が流れてきます
【相談者】27歳 女性/未婚 子供無
この方から相談がありました。
感染症ですか?
4ヶ月ほど前から交際した彼としか性行為していません。
最近性行為中なんとも言えない臭いがし白い液体が流れてきます。
胸全体に痛みもありしこりのようなものも。
私の体はどうなってしまったのでしょうか?
不安です。教えて下さい。
【相談のポイント】
病院に行った方がいいですか?
【相談内容】
①『性行為中になんとも言えない臭いがし白い液体が流れてくる。』
②『胸全体に痛みもあり、しこりのようなものもある。』
【回答】
①『性行為中になんとも言えない臭いがし白い液体が流れてくる。』
これについては臭いがあるのですから、何らかの性感染症はあるのでしょう!
臭いがきついようですから、先ず考えられるのは細菌性腟症です。
いずれにしても婦人科を受診いたしましょう。直ぐよくなると思いますよ!
②『胸全体に痛みもあり、しこりのようなものもある。』
これについては、胸に痛みがあり、しこりもあるのですから、直ぐに病院に行くべきです。
婦人科でもいいですが、できたら外科に行かれた方がいいでしょう。
お大事に!
ソープ嬢の嘆き!レズプレイで不安なことが・・・
先日、私の診療所にベテランの39歳ソープ嬢が相談にやってきました。内容は『先生、私の咽を見てほしいんです・・・。』とのこと。
風俗に働く女性は性感染症と常に隣り合わせの危険がありますが、
特に心配なことが先日あったというのです。
『実は、先日お客様の御趣味からソープ嬢同士でオーラルセックス(クンニリングス)を
する機会があったのです。
このお客さんは60歳の紳士で常連客なんですが、いつも酔っぱらって来て、
風俗嬢のレズプレイを見て楽しんでいきます。
いつも自分は参加しないのですが、先日はたまたま参加する羽目になってしまいました。
そして私がパートナーに指名された女の子の外陰部を愛撫(クンニリングス)した際、
外陰部から猛烈な臭いを感じました。
その臭いがあまりにもすごかったので、咽の感染症が心配になったのです。
今回は、レズプレイをいつもやっているソープ嬢がたまたま休みだったので、
仕方なく初対面のソープ嬢と組んでのプレイ。
よく知らない相手だけに、相手が何かの感染症にかかっていないかどうかなど、
よくわかりませんでした。
それもあり、心のモヤモヤが晴れません。
いっそのこと、咽の淋菌・クラミジア検査を受けてみた方がいいでしょうか?』
彼女の相談はこんな内容でした。
そうなんです。咽頭に淋菌やクラミジアが感染しても、実はほとんど症状がでません。
従って“口腔咽頭は性感染症の温床”になりがちです。
ですから、「あれ?おかしいぞ?」と思った時や「症状はないけれど心配な事があった時」には
咽頭の検査をおすすめします。
検査は簡単に受けられます。
そして「心の平和を勝ち取りましょう」
睾丸が赤く腫れて熱が・・・これって性感染症!?
先日、マニラに海外赴任している35歳の友人から、突然かかってきた国際電話。
内容は『左の睾丸が突然腫れて、痛い!袋の部分が赤くなって熱をもっている。体温も平熱より高いんだ。原因は何だろう!?
セックスはずーっとしていないし、心あたりはまったくないんだけど、助けてくれないか?』というSOSでした。
彼は東京で育ち、今回初めての海外赴任です。
今までの病歴などをいろいろ聞いてみたところ、子どもの頃、おたふく風邪に罹ったことがないことがわかりました。そこで、睾丸が腫れて発熱したのは性感染症ではなく、睾丸炎(精巣炎)であると判断できました。
多くの方は意外に思われるかもしれませんが、睾丸炎(精巣炎)は、実はおたふくかぜウイルスが原因で発症します。
この病気は、正式には「流行性耳下腺炎精巣炎」といいます。
ウイルスが気道から侵入して、粘膜下組織で増殖し、その後ウイルス血症をひき起こし、全身的に広がります。このおたふくかぜウイルスに子供が感染すると、2~3週間の潜伏期の後に発熱し、耳下腺が腫れて、いわゆ
る「おたふく風邪」になります。子供にとっては大変な病気ではありません。
おたふく風邪は一度かかると、終生免疫ができるため、二度とかかることもありません。
しかしながら、子どもの頃、おたふく風邪にかからないまま大人になってしまい、成人がこのウイルスに感染すると、なんとなんと!男性では睾丸炎(精巣炎)になってしまうのです!
睾丸炎(精巣炎)は一般細菌が原因で起こることは極めてまれで、おたふく風邪ウイルス(ムンプス・ウイルス)、淋菌、梅毒のいずれかが原因と判断できます。
現在ではほとんどが、おたふくかぜウイルスで起こるといえるでしょう。
睾丸炎(精巣炎)は、耳下腺炎発症後5日前後に発症することが多く、その多くは片方の睾丸に発症します。
症状は急激に睾丸の腫れと痛みが出てきて、発熱もありま
すが、発症してから1~2週間で軽快します。
しかし、睾丸炎になった約30%の方は、運が悪いとその睾丸が萎縮して精子を作れなくなり、男性不妊症になる危険性があります。
現代日本は超清潔国家です。
この無菌状態のような日本で育った若者が発展途上国に出かけると、いろいろな病原体と遭遇し、予期せぬ病気になることがあります。
今回の友人の例もその典型と言えます。
子供のうちにかかっておくべき『はしか』『みずぼうそう』『おたふくかぜ』『風疹』などの感染症にかからないで大人になった方はどうかご注意を!
おたふく風邪はムンプス・ワクチンで予防で
きますので、転ばぬ先の杖として、覚えて置かれるとよいでしょう。
ガチフロキサシン販売中止!9月30日
『ガチフロキサシン販売中止!9月30日』尿路感染症・呼吸器感染症などに対して使用されているニューキノロン系経口抗菌薬のガチフロキサシン(商品名:ガチフロ錠)が、2008年9月30日をもって自主的に販売中止となることが決まった。
糖尿病患者に投与できないことや血糖値異常の周知徹底の困難さ、米国市場からの撤退、同様の抗菌力を持つ類薬の登場などがその理由とされています。
しかしながら突然のNEWS報道で現場の臨床医の衝撃はかなり大きいものと思われる。
杏林製薬(製造販売元)の親会社であるキョーリンと、販売元の大日本住友製薬が2008年9月30日発表したもので、キョーリンによると、今後、同薬の回収は行わないが、返品には応じるという。
性感染症であるクラミジア感染症の治療薬として、クラミジア菌の消失率が100%であるということで臨床医から高い信頼性を得ていた。市場から無くなることは、同様の抗菌力を持つ類薬があるとはいえ、患者にとっても大きな損失である。
真に残念である。
病気なの?子供産めるかしら!?心配・・・
【相談者】27歳 女性・既婚・子供無
【相談内容】
①以前、同時期にクラミジアとトリコモナス膣炎にかかり、病院から処方された抗生物質を服用しました。 その後旦那の仕事の都合で引っ越す事が決まり、かかりつけの病院も変わりました。
②新しい病院に変わってから再検査を受けたところクラミジアは(-)でした。
トリコモナス腟炎の方は何も言われないままクラミジアが(-)だったら、先生は大丈夫だと言っていましたがどうも納得いきません。
③何回か不正出血もあり先生に告げると、子宮の入口が赤くただれてると言われ、出血もそのせいだといわれました。
④その炎症を抑える腟錠をもらいましたが、何かまた別の病気ではないかと不安で仕方ありません。
⑤普通に妊娠できますか?
【回答】
①貴女は以前、「クラミジアとトリコモナス腟炎にかかり某産婦人科で処方された抗生物質を服用した」この件に関しては、クラミジアは適切な抗生物質を服用すれば治癒いたします。が、トリコモナス腟炎に対してはどのような処置をしたのでしょうか。
トリコモナス腟炎の治療には内服薬と腟坐剤がありますが、如何したのでしょうか?
貴女は「抗生物質を服用した」とありますが、「トリコモナス原虫用の内服薬とクラミジアの抗生物質を同時に服用したのではありませんか?」
病院でもらった薬の説明書があるでしょうから、何を服用したのか一度チェックしましょう。
②貴女は新しい病院にて再検査を受け、
「クラミジアは(-)でした。トリコモナス腟炎に関しては何も言われなかった」
「先生は クラミジアが(-)だったら大丈夫だと 言っていましたがどうも納得できない」
とありますが、婦人科外来での検査にて先生が何の検査をしたかのかがポイントです。
勿論、クラミジアの検査をして後日、検査結果の報告を受け、陰性でした。検査当日、その先生は子宮頸管・腟分泌物の塗抹検査(顕微鏡検査)をしてトリコモナス原虫がいないことを確認していたのかもしれません。先生の説明不足かもしれません。事実はわかりませんね。
③貴女が何回か不正出血もある」と告げると、先生は「 子宮の入口が赤くただれているせいで、出血もそのせいです。」と言った。
先生の説明のとおり、若い女性の子宮腟部は生理的に糜爛(ビラン)がありただれています。
ただれていますから、出血しやすい状態にあります。またこの生理的な糜爛(ビラン)というタダレは、妊娠には必要な状態だといわれています。
④貴女は
「その炎症を抑える腟錠をもらいました」
「何かまた別の病気があるのでしょうか?」
「不安で仕方ありません」
これはこまりましたね!病院で「炎症を抑える腟錠」を投与されたのですから、その説明書を見れば、何の薬かわかるはずです。貴女に対する先生の説明不足と貴女の理解度にも問題があるようです。
これは失礼いたしました。
⑤「普通に妊娠できますか?」
これもこまりましたね!「子は神からの授かり者ですからね!」
先ずは、神にお祈りいたしましょう!私からもお祈りしておきます!合掌・・・・・・・・・・!
さて、クラミジア感染症の一番の問題点は、後遺症である不妊症です。クラミジアに対し適切な抗生物質を服用終了後、2週間以上経ちましたら、クラミジアの治癒判定検査(遺伝子増幅検査PCR法、SDA法など)を受け、治っていることを確認いたしましょう。そして安心いたしましょう。検査はすべて保険でできますよ。
最後に、貴女には「心に平和」がありません。
再び新たな婦人科を訪れ「クラミジアとトリコモナス」について検査を受け心に平和を取り戻しましょう。
そして健康なセックスをし、健康な赤ちゃんを授かりましょう。
それでは、ごきげんよう。
新婚妻の【あいため】ブログより
新婚妻の【あいため】ブログに紹介されました。性感染症のお勉強をしながら四川料理をいただく、最高に幸せな3時間。
2008年07月25日
テーマ:お仕事とか。その周辺。
様々なご厚意とご縁が重なって、 性感染症のお勉強しながら中華料理をいただく機会がありました。性感染症の中で、もっとも怖いのは、クラミジア。
最近の性感染症は、症状が出ないことが特徴とのこと。
男性の5割、女性の8割が感染しているにも関わらず無症状ですから、感染は拡大する一方なのです。
ほんとに、12月1日の世界エイズデーのように、 性感染症検査の啓蒙強化月間を作ったほうが良いと思います。
または、誕生日の月は、自分の体に感謝をするために、 健康状態をチェックしましょう⇒性的な経験がある人は皆、性感染症検査をしましょう。
とか。
厚生労働省、製薬会社、広告会社の皆様に、ひとつお願いしたいとこですが、 でも、実現ははるか先になりそうなので、この記事を読んでくださったラッキーな方は、 ぜひご自分の意思で、性感染症の検査に行くという「英断」をされることを望みます。
そして、行くならば、今回、お話くださった性感染症のスペシャリスト
宮本町中央診療所の尾上 泰彦先生が本当にお勧めです。
尾上先生は、ユーモアもたっぷりで、難しい医学的な話も 私たち一般人に大変分かりやすいキャッチーな言葉をつけてくださいます。
あと、
必ず「咽頭(のど)のクラミジアの検査」
もしてもらってください。
昨今の性風俗店のオーラルサービスの増加により、 性感染症の温床は、「のど」です。
もちろん無症状のケースがほとんどです。
この講義、2回目のTさんは 「実は、前回の先生の講義を聞いてから一度も風俗に行ってないんです・・・」と。
それは、成人男子の当然の反応だと思います。
その他、HIV、勃起治療薬、児童買春、児童ポルノ、女性性器切除、性転換手術、フランスのフェミドームやアメリカのHIVの方用のコンドームのお話など、
幅広い性の真面目なお話が聞けて、本当に有意義な時間でした。
見事な茶芸を披露いただきながら八宝茶を堪能しました。
あまりに話しに熱中しすぎて、美味しかった四川料理のを写真を撮り損ねました。。。
ぎりぎり間に合った、最後の四川豆花飯荘 麻婆豆腐。
お食事を終えたあと、ご一緒した方に
「あいためさん、本当に目が輝いていた!!」
と、褒められました・・・
本当に性に関する専門家の方々にお話を伺うのは 知的好奇心が最高潮に満たされて、
本当に自分が心底幸せに感じているのが分かります
私が私らしくいられる、こういう感覚、大切にしていかねばなりません
宇宙の意思と天命に従って、いつか皆さんに幸せになるための
性の知識を、還元していきたいです。
今、AllAboutで、夫婦間のクラミジア感染の記事したためています。 そちらもご期待ください。
性感染症が心配です!
【相談者】
36歳 女性 / 既婚 子供一人
【質問】
性感染症が心配です。前からあるのか、いつ出来たのかわからないのですが、
二日程前から外陰部にかゆみがあり、膣の入口(人差し指第一関節ぐらい)の所に
やわらかいイボのようなできものがいくつもあります。
今はかゆみはおさまっています。
膣の中の事なので色はわかりませんが、おりものの色や臭いの異常はありません。
ちなみに今月の検査ではエイズ、梅毒、クラミジアは陰性で、先月は淋菌、咽頭クラミジアが陰性でした。
もし、尖圭コンジローマだとしたら治療が長引くのですよね。
夫婦生活はできるのですか?不安になっていますので教えて下さい。お願いします。
【相談のポイント】
性感染症かどうか心配です。症状を見て教えてください。
【回答のポイント】
①おりものの色や臭いの異常はない。
②今月の検査:エイズ、梅毒、クラミジアは陰性。
③先月の検査:凛菌(淋菌)、咽頭クラミジアは陰性。
④腟の入口(人差し指第一関節ぐらい)の所にやわらかいイボのようなできものがいくつもある。
(1)
性感染症の多くは症状が乏しいかあるいはまったく症状がありません。
症状があればラッキーです。治療に結びつくからです。
おなじ病気になっていても、症状がなければ医師を受診する機会がなく、治療も出来ません。
後々、不妊症など後遺症がでてしまう危険性があります。
(2)
相談者はエイズ、梅毒、クラミジア、淋病、咽頭クラミジアなどの検査をして陰性ということですが、
この検査は医療機関(婦人科)で受けたものですか、あるいは自己検診(検体自己採取検査)でしょうか?医療機関(婦人科)で受けたものであれば、そのときに外陰部、腟内、子宮頸部の診察をしているはずです。その時に異常所見があれば 、相談者に何らかの告知があるはずです。
おそらく腟内のやわらかいイボは生理的なものかもしれません。
(3)
いずれにしても、性感染症の有無については専門医を受診することをお勧めいたします。
相談者の悩みは直ぐに解決することでしょう。
(4)
「性の健康」を確認して、健康なセックスをいたしましょう。
精子に血が混じる!性感染症が心配!
31歳の歯科医が『精子に血が混じっていた!鮮血でした!セックスの後、妻と一緒に確認しました! 性感染症が心配!』
と言って受診してきました。
このようなことは決して珍しいことではありません。
患者さんはよく『精子に血が混じっている』と言って来院してきますが、 精子に血が混じっているのではありません。精液に血が混じっているんです。この状態を「血精液症」といいます。
精子は精巣(睾丸)で作られますが、精液は前立腺と精嚢で作られます。前立腺液はサラサラとした精液を作ります。 精嚢はドロッとしたゼリー状の精液を作っています。
精液成分の約20%が前立腺液で、約80%が精嚢液です。 その他に精巣(睾丸)で作られた精子とガマン汁で有名な“クーパー腺液”が少量入っています。
精液が射精現象によって尿道から放出される場合、最初に主に前立腺液が出てきます。
その次に精嚢液が出てきます。そういうことで精液のどの部分に血液が混じっているかが判れば、 出血している部位をある程度、予想することが可能です。
一般的にその原因は前立腺と精嚢の炎症性出血が多いといわれています。
しかし精密検査をしても原因が判明しないことが多く、「特発性血精液症」と言われています。
ただ40歳以上の方では、前立腺腫瘍(前立腺癌)を否定することが必要ですから、 必ず泌尿器科を受診し精密検査をしてもらい安心しましょう。
それから、「血精液症」と「性感染症」の関係はあまり多くないことを強調しておきます。
マジー!?16歳男子高校生の淋病!
16歳の男子高校生が父親と一緒に診察室に入ってきた。父親がまず一声 『先生、こいつ、毛も生えそろってないくせに、尿道から膿なんか出しやがって! 生意気に俺もなったことがない病気になりやがって! 先生、よろしくお願いしますよ』
高校生はうなだれて沈黙をまもっている。 父親を退室させて診察を始める。
『どうした?僕!』
『先生!尿道から黄色い膿が出てきて、おしっこする時、すごく痛いんです』
『どこに遊びに行ったの?』
『一週間前に友達に誘われて、ヘルスに行きました。口でやってもらいましたが、セックスはしてません』
『僕!その彼女とキスはしましたか?』
『キスはしました』
『尿道から膿が出てきたのは、何時から?』
『三日前からです』
『お父さんに相談したのは?』
『きのうです』
『薬は何も飲んでませんか?』
『飲んでません』
『では、おちんちんを診ようか?』
彼の外陰部を診察すると、尿道口周辺は赤く腫れあがり、尿道口より黄色い膿が出ている。
さらに下着は膿で汚れている。 彼の尿道口より検体として膿(分泌物)を採取し検鏡法(淋菌の有無が直ぐ判る検査)と淋菌のDNA検出法(PCR)を行った。
その後、尿検査(淋菌とクラミジアの検出:1週間後に判る)も行った。
彼の症状と分泌物の検鏡検査から淋菌性尿道炎と容易に診断できた。
『僕ね、淋病になってるよ。彼女の喉に淋菌がいたんだね。彼女とキスをしたんだから、君の喉も淋病になっているかもしれないね。喉の淋病の検査もしようね』
そして彼の咽頭の淋菌培養検査をすませた。
『それでは、お父さんと一緒にお話しようか?僕!いいかい?』
『先生、お願いします』
父親と一緒に三者面談を行った。
『お父さんネ!息子さんは風俗店に行き、オーラルサービスを受けておちんちんが淋病になっています。口だけでいろんな病気になります。まさに“口は災いのもと”ですね!ですから息子さんの喉も淋病になっているかもしれません。でもこうやって、ここに来れたことは不幸中の幸いです。症状が出たから来れたのです。良かったですね。淋病の場合、95%の人に症状が出ますが、不幸にも症状の出ない方は治療ができないで、後になって前立腺炎になったり、さらには精巣上体炎になり高熱が出て入院する場合もあります。そして男性不妊症と言って子供ができなくなる場合もあります。それでは治療と今後のことについてお話をします。薬は正しく飲んでください。水分は十分に取りましょう。お風呂には膿が出ている間は入らないで、シャワー程度にして清潔にしましょう。二日後には膿が止まってくると思います。それでは今日の検査の結果が一週間後に出ますから必ず来てください。』
そして一週間後、約束どうり親子で来院してきた。
『僕、どうだい?良くなったかい?』
『先生、薬を飲んだ次の日から、膿が出なくなりました。もう、すっかり良くなりました』
『そう!良かったネ!検査の結果は、オチンチンは淋病だったよ。でも喉の方からは淋菌は見つからなかったよ。それから先生が心配していたクラミジアは幸いなことに見つからなかったよ。さて、今日までは淋病の治療をしてきましたが、これからの治療の方がむしろ大切です。淋病が治った後、30%位の人に淋疾後尿道炎といって尿道に不快感や違和感が出る尿道炎が起きます。この原因は、はっきりしません。淋病よりこの方がずっと、やっかいです。今日からこれに対する薬を飲んですっきりしましょう。それから今日はどの位良くなっているかどうか、尿検査をします』
さらに一週間後に来院してもらい、尿検査の結果は良くなり、異常が無かったことを告げた。
『これで治療は終了しましたが、念のために、一週間後に淋病がちゃんと治っているかどうかの治癒判定の尿検査をしましょう』
そして、彼はこの治癒判定検査に合格した。
『おめでとう。これで先生ともお別れだね。でもね、感染の機会があってから8週間以上経ったらエイズや梅毒の血液検査を受けた方がいいよ。将来、結婚するときや子供を作る時に問題が起きないようにしようね』
でも、その後、彼は来院してこなかった。
(1)一般的に性感染症になった場合、誰にも相談できず、内緒で治療を行うことが多い。これが経済的に自立してない子供たちの場合、親に言えないと、金銭的理由で十分な検査や治療ができず、不完全な治療で終わる傾向にあります。同様に無知、羞恥心からも未治療、不完全治療の恐れが出てきます。それにより再発し他人へ迷惑をかける場合もあります。
この事例の場合、自覚症状があり、さらに子供から親へ、親から子供へ何でも言える良い親子関係が良い結果をもたらしたとも考えられます。
(2)オーラルセックスの日常化により、淋菌が咽頭から検出される人が増え、性器の淋菌感染症の約30%が咽頭にも淋菌が感染しています。咽頭は淋菌に感染していても自覚症状が無いのが特徴です。うかつに『ノドはきれいだし、症状が無いから、大丈夫だよ』この一言はあまりにも危険です。
『口は新しい淋菌の感染源』です。
彼には白い下着を着けさせよう!
『アッ!? 黄色い膿がついてる!』 『あっ!血液が付いてる!』この様な情報は白い下着では直ぐわかります。
柄パンや色が付いた下着では自分の健康状態は正しく把握できません。
白い下着をつけておけば、下半身のいろいろな情報が得られます。
女性であれば帯下(おりもの、腟分泌物)の性状(色、臭い、血液など)がわかり、 男性であれば尿道分泌物、尿の色などがわかります。
精液が出て乾けば、精液が付いているところはテカテカ光って見えます。
また毛虱(けじらみ)がいれば白い下着に点々と茶色の粉が付着するのですぐわかります。
さらに肛門からの出血や便の性状も把握でき、自分の健康状態が白い下着に反映します。
このように白い下着の着用は『性感染症STD』の早期発見の一助にもなります。
自分もパートナーも白い下着をつけましょう!
自分の彼には白い下着を着けさせよう!
あなたもなれる性感染症
性の健康医学財団の松田静治理事長は「エイズだけでなく、最近は性器クラミジアなどの性感染症全体が若者に広まっており、予防対策が必要だ」と訴えています。松田理事長によると、性感染症にはHIVやエイズのほかに性器クラミジアや梅毒、 淋菌感染症などがある。
松田理事長は「昔は一部の人がかかる病気と言われていたが、 今は誰でもかかる可能性がある身近な病気」と指摘しています。
感染しても症状が出ないことも多く、感染が広がったり不妊症などの後遺症が残ったりする こともあるという。「おかしいなと感じたら、まず専門機関への相談や 医療機関を受診することが大切だ」と話す。
『あなたもなれる性感染症』
不安を抱えているあなたは“心の平和”を勝ち取るために専門医療機関を受診しましょう。
口は災いのもと
オーラルセックスに警鐘を鳴らす専門医がいる。
『男女とも、いま最も多い性感染症はクラミジアです。ファッションヘルスや性感マッサージのフェラチオで感染
し、クラミジア性尿道炎を発病するビジネスマンが後を絶ちません』
始末の悪いことに、クラミジア性尿道炎は自覚症状が乏しいから、夫のペニスを口に含んだ妻にも感染。
そのあげく婦人科の不妊外来などで、クラミジアと診断された妻から、「あなたとしかSEXしていない専業主婦の私が、なぜ性病になるの」と詰問され、夫婦喧嘩から離婚話へと発展し、真っ青になっている男性も少なく
ないという。
「性感染症は家庭の中にも広く蔓延し始めているのです」
厄介なのはオーラルセックスでクラミジアや淋病などにかかる患者が増えているのに、口や喉を診て性感染症と診断し、治療する耳鼻咽喉科の医師があまりにも少ないことだ。
「日本では、性感染症のすべてを診る独立した診療科が確立されていません。男性の性感染症は泌尿器
科、女性のそれは婦人科、皮膚に表れる性感染症は皮膚科、エイズは感染症科とバラバラに診てきたので、
オーラルセックスでうつる性感染症の急増に立ち遅れてしまったのです」
男女を問わず、すべての性感染症を幅広く診ることができる専門医は数少ない。
「最近はバイアグラなどEDに効く特効薬が手軽に入手できるようになったせいか、20代前半の若年世代だけでなく、“ちょい悪オヤジ”の中高年世代にも性感染症の患者さんが増えてきました」
妻から熟年離婚を言い渡されないように、心あたりがある方はただちに受診するとよいだろう。
デリバリーヘルス嬢からの質問!
[質問]
デリバリーヘルス嬢になりたい!?
名前はヒナノです。25歳です。未婚 ・子供無。アドバイスをお願いします。
金銭的な理由からでデリバリーヘルスを始めようと思っています。
今、5年くらい付 き合っている彼氏がいて結婚を考えています。
彼に内緒でデリバリーヘルスをやるつもりです。
彼氏に病気を移したらと考えると恐いです。
風俗をやっている友人から、病気は目で見ればわかるし、消毒の石けんが
あるから大丈夫と言われました。
痛がれば性病だと教えてもらいました。
でも私は実際、性病のかかった男性の陰部を見た事ないし、
形や色も様々なのに素人がみて性病って分かるものなんでしょうか?
口でも性病は移ると聞くんですが、デリバリーヘルスに
行く人や働いてる人は病気覚悟で行ってるんでしょうか?
定期的に検査をしても、発症する前に彼氏とエッチをして移したらと思うと恐いです 。
潜伏期間は移らないんでしょうか?
それとエイズも恐いです 。
口内発射をしなきゃいけないらしくて…
スマタでもうつりそうで… 知識が全然ないんです。
こ~すれば大丈夫だよというアドバイスお願いします。
[回答]
貴女は金銭的困窮にて風俗で働くことを考えたのでしょう。
働くかどうかはご自身で決めてください。
ただし性感染症になるリスクはあります。
いずれ何時かは彼にも移るでしょう。
症状が出ない病気はたくさんあります。
特にクラミジア感染症は避けて通れません。
性風俗店に遊びに行く男性は、症状が出ていないから行く訳です。
症状が出ている男性は遊びに行きません。
ということは遊びに行く男性は皆、危ないということです。
デリバリーヘルスとはホテルや自宅への『ヘルスの宅配』です。
ヘルスとはいわゆる性器と性器の結合サービスはありませんが、オーラルサービスと
素股(すまた)サービスが性商品です。場合によっては口腔内射精サービスも
しなければなりません。
しかも個室内で見知らぬ男と女が裸になって性的サービスするわけです。
セックスというのはルールがある訳ではありません。
例えコンドームを使用していても
手は動くし、口は何処に行くかわかりません。
何が起こるかわかりません。
粘膜と粘膜の接触、体液の交換があれば性感染症が成立します。
性風俗店で働くということは、それなりの性感染症になるリスクがあるということです。
性感染症は貴女を待っています。
結婚して子供をつくるのでしょから、風俗店で働くことは許されません。
セックスの低年齢化・・自分は妊娠しない
セックスを経験する年齢が早まり、10代の妊娠中絶や性感染症もあきらかに増加している。1歳の男の子を抱きながら、17歳の少女は「好きだったから」と、 同級生の彼との性体験を話す。
15歳で妊娠し、16歳で出産した。
いつもつけていたコンドームはその時、手元になかった。
彼は「おろして」と言ったが、産んだ。
2人とも高校を中退し 自分の両親と一緒に住み、夜はコンビニで働く。
彼も道路工事をし、 将来一緒に住む資金をためている。
『1年以上コンドームを使っていないけど、妊娠しないよ』と言っていた少女の女友達も、結果として妊娠した。
『自分は妊娠しない』と思い込み、エイズも自分とは関係ないと思う子が多い。
10年ほど前に比べると、13~16歳の中絶、出産は多くなった。
ある調査では高校3年生の性経験率は、男子では84年に22%だったのが 02年に37.3%、女子は12.2%から45.6%となった。
10代の中絶数は全国平均で、92年に千人あたり6.8件で、03年は 11.9件とほぼ倍増している。
コンドームの使用状況は、厚生労働省が04年末、全国3,000人の男女に実施した調査では、過去1年に性交渉をして毎回避妊したのは、16~19歳男子で54.5% 女子は31.3%にとどまった。
10代の若者は、漫画やビデオ、ネットなど、あふれる性情報にさらされ、セックスをせかされていると、 感じている。
性風俗店で性感染症はよくうつるの?
性感染症の感染のリスクは、コンドームを使わない無防備なセックスをしたパートナーの数 およびそのパートナーのそれぞれが、それまでに経験したパートナーの数によります。性風俗嬢は当然パートナー数の最も多い人たちであり、その人たちとのセックスは無防備であれば、1回のセックスによる性感染症の感染リスクは最も大きいことになります。
性風俗嬢が定期的に検査を受けるとしても、すべての性感染症についての検査は不可能であり、また検査結果が陰性であっても、HIV,梅毒など抗体検出では検査結果が陰性となるまでに1ヵ月以上の陰性の期間があるため、検査が陰性でも感染源になる場合があります。
現在最も多いクラミジア、淋菌感染症は病気になっていても、ほとんど症状が出ることがなく、 性風俗嬢はそれに気づかず、悪気なく客にうつしてしまうことがあります。
こうして性感染症は 拡大・蔓延していきます。
性感染症は性器以外にもひろがるの?
トリコモナス、カンジダ、ケジラミ症などは、腟や性器の周りに感染するだけで 体内に広がりませんが、淋菌、クラミジア、梅毒、HIV,B型肝炎などは、外性器を感染の 入り口として体内深く侵入します。淋菌、クラミジアは尿道、子宮頸管の感染を放置すれば、精子、卵子の通り道を逆行して 精巣上体炎(副睾丸炎)、卵管炎を起こし、精子、卵子の通り道を閉塞して不妊を生じます。
男性の精巣上体炎は腫大、疼痛を自分で触って病変を自覚できますが、女性の卵管炎の症状は、下腹部痛などの症状が軽いこともあり、病気の正確な認知が 困難です。
自覚症状が乏しいクラミジア頸管炎は治療機会が得にくく、放置されがちで、 「卵管閉塞による不妊」の最大原因です。梅毒、HIV、B型肝炎は血流にのって全身に ひろがります。
怖い!怖い!
私だけ陽性なの!私だけ治療すればいいの?
残念ながらパートナーに症状がなくても、感染していることがあります。性感染症では、男女で差が大きく、例えば、淋菌感染症では女性の症状は軽く、 トリコモナス原虫感染症では男性の症状は軽いのです。
パートナーが感染していないことが明らかで、また、治療完了までセックスを しない場合には、パートナーの治療は必要ありませんが、現実にはこのような場合は 多くありません。
パートナーの間で感染しあうピンポン感染は治療を難しくします。
また、治療は早期に行うほど、後遺症を残すことが少なくなります。
パートナーには必ず自分が感染していることを告げ、必ずパートナーも治療を 受けてください。
治療は、医師の指示を守って、治癒を確認してください。
また、治療中は、セックスをしてはいけません。
『私の悩みは、貴方の悩み』、二人で一緒に悩みましょう!
そして、お互いに健康になり健康なセックスをしましょう。
生理中は性感染症は移りやすいですか?
妊娠の恐れから生理中にセックスをする人がいますが、 生理中のセックスは避けるべきです。女性が性感染症に感染している場合、生理中にセックスする相手は、 エイズ、B型肝炎等の血液によって感染する病気にかかりやすくなります。
また、女性も生理中は子宮内膜に損傷があるため、エイズ、B型肝炎等 にかかりやすくなる可能性があります。 血が病気を呼び込みます。
生理中はセックスを慎んでください。
肛門性交(アナルセックス)は危ないぞ!
もともと、色々な外力を受ける腟、口腔の粘膜上皮は、傷を受けにくい厚い重層扁平上皮 でできています。それに対し本来、外力を受けない直腸の粘膜上皮は単層の円柱上皮でで きています。硬い便が通ると、それだけで簡単に出血する場合もあります。
血液を介して移るウイルスの感染は、血液と血液との接触で起きます。
HIV,B型肝炎が肛門性交をする男性に圧倒的に多いのはこのためです。
また、肛門性交に伴ってA型肝炎、アメーバ赤痢、ジアルジアなど腸管感染症の 糞口感染も起こります。 梅毒、淋菌、クラミジアなども直腸に感染しますが、ペニスに感染すれば自分の目で見て 気付くことができますが、直腸では自分で見ることができず感染に気付きません。
そのため治療の機会がなく、感染源になります。 医師の検査による診断も簡単ではありません。
肛門性交(アナルセックス)は、HIVをはじめ性症感染のリスクが最も高いセックスです。
アナルセックスは出血が起こりやすく、感染の危険性が受けて側、挿入側ともに増します。
アナルセックスは同姓間、異性間を問わずコンドームや潤滑液の使用が不可欠です。
アナルセックスはそれだけで免疫力が低下するとも言われています。
『アナルセックスは危ないぞ!』
どんな病気なの?性感染症って!
性感染症とは性行為またはそれに類似する行為で感染する病気の総称です。日本では性にまつわる病気の名称は
花柳(かりゅう)病(昭和2年~)、
性病(昭和23年~)
性感染症(昭和63年~)
へと変遷してきました。
世界的にはWHO(世界保健機構)は
昭和50年に“VD= venereal diseases ”を改めて“STD = sexually transmitted diseases ”を提唱し、さらには平成10年、性感染症の概念を拡大し“STI= sexually transmitted infections ”を推奨し現在に至っています。
性感染症の病原微生物の大きさを比較すると、かつてのマクロレベルからミクロレベルへ、さらにはナノメーターオーダーの時代に突入し、病原微生物の主役の座を長年務めていた細菌がその座をウイルスへと明け渡してしまいました。
その意味では今日は無症候性ウイルス性STI時代を迎えているともいえます。
また、かつては“花柳病”といわれ、男性の遊び人の病気とされていましたが、今や性感染症は女性優位の時代となり、性行動の活発な若い女性のトレンドになっていると言っても過言ではありません。
年齢的にみると性感染症は10代後半から急激に増加し、20代前半に大きなピークを迎え20代後半そして30代前半へと徐々に減少しています。
まさにこの現象は性活動の最も盛んな若者に性感染症が多いことを 如実にあらわしています。
また性情報の氾濫により初交年齢が低下し、それに伴い性感染症の低年齢化にますます拍車がかかっています。
地域別にみてみますと、かつての性病時代には都会の病気と思われていましたが、今や都会と地方の差は性感染症に関してはほとんど無くなっています。
症状についてみますと“性病”といわれた時代には多くは症状がありましたが、現在の“性感染症”は無症状あるいは症状の乏しい疾患が増えています。
セックスの様式も多様化し“性病”といわれた時代には腟性交が主流でしたが、今日では世情を反映し風俗産業をはじめ、若者の間にはオーラルセックスが日常化しています。
現在、日本では男性の性感染症の中で最も頻度の高い疾患はクラミジア性尿道炎、次いで淋菌性尿道炎です。しかもその最大原因はオーラルセックスと考えられており、 『口腔咽頭は性感染症の温床』とも言われています。
しかもクラミジア性、淋菌性咽頭炎はほとんどが無症候であるため、臨床医も、これを見逃してしまうケースが多いようです。
こうして性感染症は知らずして家庭内に侵入し”家庭内環境汚染”を招いています。
また、もし何かの性感染症にかかっているとHIVに数倍、感染しやすいことも忘れないでください。
性風俗店の性感染症蔓延について
性風俗店で遊ぶ際、風俗嬢と顧客は『シャワーやお風呂で局部洗浄』し『イソジンガーグルでうがい』 を行うため
「これで大丈夫」と思われる方が多いようですが、これは大きな間違いで、性感染症の予防にはならないのです。
まず病原体自体は性器の粘膜や皮膚の中に潜んでいるので、洗ってもあまり意味がありません。
多少の意味はあるかもしれませんが、気休め程度と考えてください。
これを勘違いされている人が多く、性感染症を広げる原因にもなっているようです。
まず意味が無いと思っておいた方が良いでしょう。
また、感染する部分は性器以外に口、肛門からも感染し、精液や唾液の中にも病源体は潜んでいるので、本番以外にキスは勿論、性器同士が触れ合うだけでも十分感染の可能性はあるのです。
体液の交換、粘膜と粘膜との接触で感染が成立いたします。
ですから、最近、流行の「オーラルセックス」「素股」などは「本番」とくらべてなんら変わりの無い危険性があります。
また、風俗嬢は毎日接客が多く、腟などにわからないほどの小さな傷がある為、特に感染しやすい状態にあります。
さらに、男性客が性感染症を治療中や、自覚症状がないため感染者であることを知らず、風俗店に遊びに行く というようなことがあれば、風俗嬢はすぐに感染してしまいます。
ですから風俗店で性感染症を防ぐのは非常に難しいのです。
あるお店では風俗嬢、全員が性感染症に感染していたと言う例もあるくらいです。
お店の方としても風俗嬢が感染したからといってその都度お店を閉めるわけにもいきません。
風俗店のお客が全員常連であれば感染も最小限に収まるかもしれませんが、そういうことはまず無理 な話ですし、また他からもどんどん病源体は持ち込まれるわけなので、病気が蔓延化してしまうことにもなります。 一番良いのは、お店側が定期的に風俗嬢に検査を受けさせることでしょう。
もし、それを前面に押し出して宣伝をすれば、お客の方も安心し、また、感染に気をつけている男性が 集まって常連となります。
性感染症は無症状のものもたくさんありますし、見分けるのが難しいので、すべて予防することは不可能ですが、感染被害を最低限度に食い止めるためにも定期的な検査や 専門医による治療を行わなければなりません。
口は災いの元!
『先生!咽がいがらっぽいの!クラミジアかどうか、診てくれる?』と言って21歳のヘルス嬢が来院してきました。
さっそく、咽頭(いんとう:「のど」のうち、鼻から食道に続いていく部分)のクラミジア遺伝子検査をしました。結果は陰性で『よかったね。』と言って彼女は診察室を後にしましたが、実は最近、若者のあいだ、セックスの際のオーラルセックスが日常化しています。
某感染症情報センターの報告では、性体験のある一般女性にアンケートをしたところ、性行為の際オーラルセックスを「必ず行なう」と「50%以上の割合で行なう」との回答の合計は全体の77%を占め、「行なわない(経験がない)」は8%に過ぎませんでした。
このようにオーラルセックスが広く普及したために、クラミジアや淋菌が咽頭から検出される人が非常に増える結果になってしまいました。
2004年8月に行われた性風俗嬢と一般女性のクラミジア感染状況の調査では、子宮頸管(しきゅうけいがん:子宮と膣を結んでいる場所)にクラミジア感染が認められた人のうち性風俗嬢が56%、一般女性25%が、咽頭にもクラミジア感染が認められました。
また、男性の場合は、大学生を対象にした調査報告では、性器のクラミジア検査が陽性(感染している) であった人の、12.5%が咽頭のクラミジア検査も陽性との報告があります。
さらに、某泌尿器科医院を訪れた男性尿道炎患者のうち、感染経路が判明した患者のなんと 83%が咽頭からの感染であったとのことでした。
これらの報告は、性行動や風俗産業の多様化などによりオーラルセックスが性行為として定着してきた為、咽頭から、クラミジアや淋菌に感染した症例が増加していることを示しています。
また、オーラルセックスを職業にするということは、クラミジアや淋菌の咽頭感染の非常に高いリスクを負うことであり、同時にこの性風俗嬢たちが男性尿道炎の大きな感染源となっていることも示しています。
さらに、感染者が拡大する原因の1として、クラミジアや淋菌の咽頭感染は、咽頭(のど)の痛みや発熱といった通常の咽頭炎に見られるような自覚症状や咽頭の粘膜が赤くなるなどの症状がほとんどないため、感染に気づかずに家庭内に持ち込んだり、パートナーに感染させていることがあります。
まさに“口は災いの元”と言ってもよく、『咽頭は性感染症の温床』なのです。
オーラルセックスをした場合は咽頭のクラミジアと淋菌検査も受けましょう。
検査は簡単です。咽頭を綿棒でソーットなでるだけです。また最近では咽頭の“ガラガラうがい”で検査ができるようになりました。
最近のクラミジア感染症や淋菌感染症の治療は大変難しくなってきています!
必ず専門医を受診しましょう!あなたの悩みがパートナーの悩みにならないように!
セックスのエチケット!初めから最後まで忘れずにコンドーム!