泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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ED治療薬はふたりの愛の架け橋

最近、都内の某ホテルで「ED治療薬」のフォーラムがありました。

今回のお話は、その印象記と私見です。

日本に「ED治療薬バイアグラ」が鳴り物入りで上陸したのは約11年前。

これにより、勃起不全に悩んでいた多くの紳士諸君は救われたことでしょう。

“夜の生活”に自信ができた結果、“昼間の仕事”も頑張れるようになり、

人生が豊かになった。言いかえれば“人生のQOL”が向上したことでしょう。

VIAGRAは服用して適度な性的刺激を与えれば、

約30分~1時間でその効果がでてきます。

今まで男性自身の自信をなくしていた方も、女性に「性の満足感」を

与えることが可能になり、それによって男性の自尊心が大きく向上いたします。

つまり、男性の自信の回復は、

単に自分が充分な勃起を得ることだけでは達成できません。

そこには、パートナーである女性にも「満足感を得てもらうこと」がとても重要だと私は考えます。

しかし「ED治療薬」の謳い文句は“硬さは男の勲章”となっていました。

この謳い文句は、正直言ってあまり好きではありません。

確かに男性自身は硬くなり、強くなり、男性は自信を回復することでしょう。

でもパートナーである女性にも目を向けなければ、この「自信」は、

男性側の自己満足で終わるかもしれません。

“硬さは男の勲章”というキャッチは、あまりにも男性中心の謳い文句です。

この感覚でセックスをして、はたして女性を充分に満足させられるのか・・・?

私は甚だ疑問に思います。

「ED治療薬」の真の目的はセックスを通じてパートナーとの関係が良くなることです。

それには男と女の間の“愛”がかかせません。

セックスには愛がなくてはいけないのです。

人は愛のあるセックスをしなくてはなりません。

ですから、ED治療薬に関するキャッチコピーも、愛をイメージする言葉がよいと考えます。

“硬さは男の勲章”の文句は、悪く言うと、パートナーではなくセックス自体を愛している

イメージさえあります。

セックスには愛が必要なのですから、セックスを愛するのではなく、パートナーを

愛してるイメージがよろしいかと思います。

私は以前から、“ED治療薬”は「ふたりの愛の架け橋」「男と女の愛の絆」あるいは

「ふたりの愛のごほうび」などと表現しております。

皆様は如何でしょうか。

最後に皆様の性の健康をお祈りいたします。


2010年11月05日

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