泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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HPV感染について(前編)

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今回は、「HPV感染」について勉強いたしましょう。
最近、20~30代の若い女性の子宮頸癌が増えています。
子宮頸癌は子宮の入り口(頸部)にできる癌です。
子宮頸癌の原因は、高リスクのヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することです。 
HPVはとてもありふれたウイルスで、性交渉の経験のある女性の80%以上が、
50歳までに感染を経験すると言われています。
特に若い年代の感染率は非常に高いです。
 
150種類以上の型があるHPVの中でも、15種類程度が癌を引き起こす可能性がある
「高リスク型」と呼ばれています。
このうち「16型」、「18型」が子宮頸癌の原因の約65%を占めています。 
高リスク型のHPVに感染するとどうなるか、簡単にご説明いたしましょう。 

感染したからといって症状は、特に何もありませんし、すぐに癌が発症するわけではありません。人間の免疫力によって多くの場合、ウイルスは体から自然に排除されます。 
しかし、この機能がうまく働かずにウイルスが子宮頸部に残り、長い間感染が続いた場合に、
その部分の細胞が5年以上かけて癌細胞へと進行していく場合があります。

では子宮頸癌の症状はどんなものなのでしょうか?
次回は、その症状について詳しくみていくことにいたしましょう。
(尚、MSD株式会社の資料を参考にいたしました)



2011年09月28日

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