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顔にヘルペスが出て心配!彼の口唇ヘルペスがうつったの!?(その2)
前回、彼から口唇ヘルペスをうつされたという女性の相談をご紹介しながら、
ヘルペスの感染原因についてお話ししました。
今回はヘルペスの治療や再発と初感染の違いについてお話ししましょう。
ご相談者の彼は「放置しても治ってしまうので心配ない」と言っていたそうですが、
実はそうではありません。放置していて、そのうちに見かけ上では治っても、顔面の神経節にはウイルスが増えたままになっています。
そうすると何度も、何度も再発する傾向になります。
ヘルペスができた時には、是非、抗ウイルス剤を飲んでウイルスの量を減らしておきましょう。それが自分のためにもパートナーのためにもなるのです。
そして口唇ヘルペスの治療で大事なことは、バルトレックスという抗ウイルス剤を内服することです。
塗り薬では傷の保護にはなりますが、良くはなりません。
また、性行動のマナー、エチケットとして口唇にヘルペスが出ている時にはキスやセックスはやめましょう。
口腔内の唾液の中に多量のヘルペスウイルスが排泄されていますから、キスやセックスをすると、パートナーにヘルペスがうつる危険性が高くなります。
また、症状がでていない時にも、極少量のヘルペスウイルスが口腔内に排泄されていますから、キスやセックスをするとうつる可能性はゼロではありません。
しかし症状がでていない時に、キスやセックスをしないと、一生、キスもできないし、セックスもできなくなってしまいますからね・・・!
我々人類は、長い間、このウイルスとうまく付き合ってきたんです。
必要以上に恐れることはありません。
さて、次に、相談者の女性について考えてみましょう。
セックスをして、その5日後から、唇とあごに小さな水ぶくれができ、しかもその時、風邪をひいていた。
ということは、彼と同じでこの女性も、ご幼少の頃にご両親からたくさん愛されて、ヘルペスウイルスをもらっていたものが、今回初めて口唇にでてきた可能性もあります。つまり、いわゆる『風邪の華』=ヘルペスの再発で、いままではたまたま症状がでなかっただけかもしれません。
しかし、日に日に悪化してきたという状態を考えると、「再発」ではなく口唇ヘルペスの「初感染」かもしれません。
また普通は小児に多いのですが「成人の急性ヘルペス性歯肉口内炎」「カポジ水痘様発疹症」といって顔面全体や口腔内に水疱が拡大するものもあります。
もし、今回初めて彼からヘルペスウイルスをもらったのだとすれば、口唇、口腔内、口の周囲、そして顔などに激しく症状が出る場合もあります。
さらに高熱、首のリンパ節腫脹など全身症状を伴うこともあります。
ヒトの身体は、初めて感染したウイルスには、その増殖を抑える能力がないため、激しい症状をしばしば引き起こすことが知られています。
普通、キスやセックスをしてから3~7日で感染部位が赤く腫れあがり、その後、水ぶくれが多数でて きます。激しい症状がでてきた所を見ると、初感染の可能性も高そうです。
このような場合は、さらに悪化しないうちに、もう一度、皮膚科を受診してみることが大切です。
場合によっては早急に抗ウイルス剤の点滴が必要かもしれません。
「たかがヘルペス」と甘く見ないで、パートナーのためにも、適切な治療をすることが大切ですね。
2009年11月24日