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オナニーしてたら尿道から出血・・・
ある冬の日の午前診療の中、39歳の男性が受診してきました。
来院理由を尋ねると、
「先生、昨日の夜にマスターベーションをしてたら、急に尿道からタラタラ血でてきたんです。
あわててティッシュでペニスを押さえていたら間もなく出は止まったんですが、自慰のし過ぎでしょうか?」
とのこと。
さっそくペニスを診察すると、確かに出血は止まっていました。
しかしながら私、尿道口からわずかながら分泌物がでているのを見逃しませんでした。
さっそくこの分泌物を染色して顕微鏡で観察すると、多核白血球に取り込まれた双球菌を確認できました。
これは臨床診断では、いわゆる淋病(淋菌性尿道炎)ということになります。
彼に詳しく聞いてみると、彼女とセックスをしたのは5日前とのこと。
となると、感染原因としては彼女である可能性が十分に考えられます。
しかし原因究明はさておき、まずは淋病の治療を行いました。
淋病の治療は現在、服薬ではなく、注射薬で行うのが専門医の常識となっています。
これは淋菌は服薬に対する耐性菌が多いためです。
併せて彼の排尿初期の尿10mlを検査センターに送り、遺伝子レベルの淋菌とクラミジアの検査も依頼しました。
5日後に検査結果報告書が届くと、確かに遺伝子検査でも淋菌が証明されました。
結局、彼がマスターベーション中に急に尿道から出血したのは、この淋病により尿道粘膜に炎症が生じ、そこにマスターベーションという機械的刺激が加わり炎症性の出血が起きたものと判断いたしました。
こういうこともあり得るのですね。
ちなみに1週間後に彼に話を聞くと、彼女が浮気をしていたことが判明したとのと。
彼女は自分の浮気が原因で彼に淋病をうつしてしまったという事実に、大いに反省していたそうです。
出来心からの浮気が大きな代償を払う羽目になってしまったようですね。
皆様もご注意を。
2009年12月08日