Home > 【性にまつわるお話】 > 女性性機能障害:私、イッテみたいの!(その2)
女性性機能障害:私、イッテみたいの!(その2)
前回、「セックスでもオナニーでもイッたことがない」という40代後半の既婚女性の相談をご紹介しました。
今回はこの女性性機能障害(FSD=Female Sexual Dysfunction)について少し詳しくお話ししましょう。
セックスにおいて、女性に苦痛がある、または満足の得られない状態を女性性機能障害(FSD)といいます。
つまり、セックスをしても「いかない」「いけない」という障害で、不感症とも呼ばれています。
このオーガズムの機能障害は男性よりも女性に、より一般的にみられます。
女性の性機能障害についての情報は少なく、その存在もあまり知られていません。
FSDは、女性の身体的・精神的状態で症状が異なる上、女性のデリケートな“身体”と“心”が絡み合うため、症状を複雑にしています。
また、男性のEDが女性性機能障害を引き起こしたり、逆に女性性機能障害が男性のEDの原因となっている場合もあります。
もし、FSDについてお悩みでしたら、先ずは婦人科や精神科の、性機能障害を扱う専門の医療機関で相談してみることをお勧めします。
おおよその症状や原因が分ったら、カウンセリングを繰り返しながら心理療法や行動療法による治療が行われることになるでしょう。
薬物療法としては、抗うつ剤や漢方の投与、ホルモン補充、潤滑ゼリーなどが投与されることもあります。
またFSDの治療では、セックスへの罪悪感や恐怖感をなくすことも目標としています。
そのために、セックスの楽しさ、お互いの感情を伝え合うことの大切さを学ぶような訓練法もあります。
すべての感覚に個人差があるように、セックスの感覚にも個人差があることは当たり前だといえるでしょう。
オーガズム障害をもつ人にとって重要なのは、自分の性的感覚に没頭することです。
相手の反応を気にして「イッたふり」などをしていると、自分の感覚に集中できず、かえって本当のオーガズムから遠ざかってしまう恐れがありますので注意が必要です。
もちろん、前回も書きましたように、自分の感覚に没頭すると同時に、相手との、体を通じた愛情の交換も大事な要素です。特に女性の場合は体だけでなく心の状態がイクことに密接に関わりがあります。
お互いを思いやりつつ、自分を解放し、安心して相手に身も心も委ね、自分の感覚に没頭できるようなセックスがオーガズムへの第一歩ではないでしょうか。
2010年01月06日