処女膜ってどんな膜?
先日、32歳の未婚女性から処女膜についての相談がありました。
処女膜というのは、女性でも知っているようで知らないようです。
男性は「処女膜」と聞いただけで、何かゾクゾク・・とすることでしょう。
さて処女膜って、どんな膜なんでしょうか?
女性からのご相談は以下のような内容でした。
「私はセックスの初体験で 処女膜がやぶれませんでした。たまに出血しない人もいると聞いてはいますが、
その後のセックスの時も出血しないままです。過去に激しいスポーツをしていたわけでもないのに、何故なんでしょうか?」
「セックス初体験=処女膜が破れる=出血」というイメージは、ドラマや小説などで、皆さんの中にも刷り込まれているかもしれません。そして、処女膜というものを女性自身でもおそらくご覧になったことがないため、なにか膣の入口を蓋のように完全に覆っているものをイメージされているのかもしれません。
実際の処女膜は膣口(入口部)の全周囲に粘膜のヒダ(襞)として輪状に認めます。
形は個人差があり様々ですが、普通は膣口(入口部)をせばめているだけであり、生まれた時から小さな穴が開いています。処女膜で膣を塞いでいるわけではありません。
ですから生理的なおりものや、いわゆる生理の出血(血液)はこの穴から出てきます。
生理用品(タンポン)もこの穴から挿入します。
ただ、まれに『処女膜閉鎖症』といって生まれつき処女膜で膣がふさがっていることがあります。
また、『処女膜強靭症』といって処女膜(粘膜)が厚かったり、弾力性がなかったり、膣口がせまいためペニスが膣内に挿入できない場合もあります。
『処女膜閉鎖症』、『処女膜強靭症』については簡単な手術を受ければセックスができるようになります。
また激しい運動(スポーツ)やタンポンなどの挿入によっても処女膜が裂けたり、破けることはありえますが、そうでないことの方が多いでしょう。
また性的な行為(ペニスをワギナに挿入)により、処女膜の一部が裂けて出血することもありますが、出血しないこともあります。出血する女性は約50%ぐらいでしょう。出血すると『処女膜が破れた』ということになります。
女性からすると『処女が証明された』ということにもなりますし、男性側からすると『この女性は処女だったのだ』ということにもなります。
一昔前には、『初夜』という言葉がありましたが、いまやこの言葉は死語になっていますね。
昔は、この「出血の事実」を悪用して、初夜のとき寝室のシーツに血液の赤いシミを付け、『私は処女である』と見せかけたという話を聞いたものです。
今の時代そんなことはあまり意味のないことになりました。
ですから処女膜が破けても、破けなくてもどっちでも、良いのです。
何の心配もいりません。
セックスの回数を重ねれば、段々、この処女膜の亀裂部位が多くなり、膜の面積も減ってきます。
もちろん、お産(分娩)をすれば、膜が損傷を受け亀裂部位が深くなるでしょう。
ですが多くの場合、処女膜の残根は閉経期まで認められ、高齢者になるにつれて徐々に無くなっていきますが、もちろん個人差があります。
相談者の場合、おそらく現在、処女膜はセックスしたことにより多少なりとも亀裂が入っており、ただ自分で確認できる出血がなかったのでしょう。何の問題もありません。
貴女の健康なセックスをお祈りいたします。
2010年04月12日