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淋病でないのに淋病にされた男(その2)
前回、2か所の病院から「淋菌性咽頭炎」と診断され、医師の指示通りの治療を続けたにもかかわらず淋菌が陰性とならない男性のお話しをしました。
詳しくは「バックナンバー」をご覧ください。
今日は彼が私の診療所に来てからのことをお話ししましょう。
「先生!私の喉は一体どうなっているんでしょう!?」と私に問いかけた彼は、
すっかり絶望してしまっている様子でした。
私は彼の表情から、彼の心に大きな傷ができていることを察しました。
そこでまずは「よく、ここにいらっしゃいましたね。もう安心してください。」と
彼に迎えの言葉を投げかけました。
そしてまず、以下のようなことを尋ねたのです。
「今までかかった2ヶ所の病院でノドの検査を受けましたね。
その検査方法の名前はわかりますか?」
彼はちょっと首をかしげるとすぐに答えました。
「わかりません。検査方法の名前までは教えてもらっていないと思います」
「そうですか。では二つの病院に行って遺伝子増幅法検査の検査方法名を教えてもらってきてください」 とまずは検査方法の確認を指示し、次に「今日はとりあえず、私の診療所で行なっているSDA法でノドの拭い液法と、うがい液法の検査をします」といって遺伝子増幅法(SDA)による咽頭検査を行いました。
「この検査は一週間後に結果が出ます。それまでに、二つの病院に行って遺伝子
増幅法検査の検査方法名を教えてもらってきてください。おそらくPCR法、SDA法、TMA法のいずれかだと思いますが」と彼にアドバイスをし、この日の診療を終えました。
一週間後、約束通り彼が受診してきました。彼はちゃんと二つの病院に問い合わせをしていました。
「先生、二つの病院とも遺伝子増幅法検査の検査方法名は PCR法でした」
それを聞いた私は、ゆっくりうなずき、笑顔で彼に告げました。
「やはり、そうでしたか。それでは貴方は淋菌性咽頭炎ではありません。感染機会もないわけですから、淋病の心配ありません。よかったですね」
私の言葉に彼は驚いたようにしばらく絶句したあと、
「淋病じゃないって・・・!?先生、それは一体どういうことですか?」
と尋ねてきました。
なぜ彼は淋病ではないと私がわかったのか、皆さんもお知りになりたいところかと思いますが、説明が長くなりますので、続きは次回にお話ししましょう。
2010年04月21日