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尖圭コンジローマは再発するの?(その2)
前回、ベセルナクリーム5%を塗布したものの、尖圭コンジローマが再発してしまった女性の例をご紹介しました。詳しくはアーカイブをご覧ください。
今回はもう少し詳しくべセルナクリーム5%の効果と正しい使用法についてご説明しましょう。
ベセルナクリームの作用機序はウイルスから身体を守る能力(免疫能)を高め、尖圭コンジローマの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)の増殖を抑制 したり、ウイルスが感染した細胞を障害することでイボを治します。
現在、多くの専門医が使用しており、塗布は1日1回、1週間に3回行います。
一般的には就寝前にイボとその周辺にうすく塗布し、6~10時間後の起床時に石鹸を使って洗い流します。
もちろんクリームを塗布するタイミングは、患者さんの生活スタイルに合わせて決めても構いません。
最低2週間程度(8回塗布)塗ると、イボやその周辺の赤み(紅斑)、ただれ(ビラン)、表皮がはがれる(表皮剥離)などが高い頻度であらわれます。
この頃になるとイボが少し小さくなってきます。
患者さんも治療の効果が出てくると治療に積極的に取り組む意欲が出てきます。
このクリームは最大16週間まで保険適用です。
尖圭コンジローマの治療は、目視でイボがまず無くなることが第1目標ですが、イボが無くなってから3ヶ月の経過観察が非常に大切です。それは30%以上が再発するからです。
まさに尖圭コンジローマの治療は再発との戦いです。
今回のご相談者の場合、先ずベセルナクリーム5%の使用期間・回数があまりにも少なく、経過観察も充分とはいえませんでした。そして残念ながら再発につながったと考えられます。
しかし、尖圭コンジローマの治療方法は大きく分けて外科的療法、薬剤塗布療法、内服療法の3つがあり、レーザー治療等の手段もあります。
尖圭コンジローマの治療は一つの治療法にこだわらず、効果が無いと感じたら他の治療法に切り替えたり、いろんな治療法を組み合わせて行うこともお勧めです。
ウイルスが根絶されるまで、粘り強く治療することを心がけてください。
2010年05月20日