Home > 【尖圭コンジローマ】 > 肛門にできた巨大尖圭コンジローマ(その1)
肛門にできた巨大尖圭コンジローマ(その1)
先日、私の診療所を訪ねてきた、36歳のある男性会社員のお話です。
本人いわく、1ヶ月前に肛門の周りにイボができているのに気づき、痔の病気だと思って
近所の医師に診てもらったのだそうです。
その医師には「肛門の周りが荒れている」といわれ、外用薬を処方されたそうなのですが、
それをつけても、一向に症状は改善しない。
不審に思った彼は、自分でいろいろとネットで調べたところ、
「どうも自分は尖圭コンジローマではないか」と考え、当院に受診してきたというのです。
さらに話を聞いてみると、現在、婚約中の彼女が尖圭コンジローマであることも判明。
さっそく患部の診察を開始しました。
彼の性器、肛門を診察すると肛門全周にわたって、尖圭コンジローマがびっしり
多数、隆起状にできており、巨大尖圭コンジローマと診断しました。
幸なことにペニスには尖圭コンジローマは認められません。
また、肛門周囲にできる尖圭コンジローマ患者はHIV感染者、
梅毒患者であることが多いので、あわせてその検査も行いました。
検査の結果はHIV検査
陰性、梅毒血清反応:陰性でありましたので、先ずはホッといたしました。
彼のような巨大尖圭コンジローマの治療は、20年程前だったら、
まず炭酸ガスレーザーで蒸散、Vaporizationを行うことが一般的でした。
しかし、私の経験上、レーザー治療をして再発した場合、
その後の治療に難渋することが多いと
わかっていましたので、今回はいきなりのレーザー治療は施行しないことにしました。
先ず使用したのは約3年前から、日本でも保険承認された免疫調整剤である
「ベセルナクリーム5%」です。
名前だけは聞いたことがあるという方も多いかもしれませんね。
では、このクリームを使った治療法とその経過は、次回にお話しすることにしましょう。
2010年11月05日