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性器ヘルペスは皮膚病ではない?!(その1)

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ある日、新患として、23歳の未婚女性が私の診療所にやってきました。
「先生、また、あそこにヘルペスができちゃったんです。産婦人科でいつも塗り薬(外用薬)をもらってるので。それと同じ塗り薬をください」
と、開口一番、ろくに問診もしないうちから外用薬の請求です。

この様な患者さんがしばしば受診してまいります。
外用薬を塗れば確かに皮膚・粘膜症状は落ち着いてきます。
というのは、外用薬には皮膚・粘膜に生じた病変部の抗ウイルス作用や保護作用があるからです。

しかし、実は塗らないで放置していても症状は落ち着いてきます。
もちろん、塗らないよりは塗った方が1~2日早く落ち着いてきますので、外用薬の効果はゼロではありませんが、それほど劇的な効果は期待できません。
これは、どうしてか、少し勉強しましょう。

一度、感染したウイルスは神経節に潜伏し眠っています。
何らかのストレスなどがきっかけとなり、そのウイルスが目を覚まし、再活性化しウイルスが増殖します。
その増殖したウイルスが、再び神経線維を伝わって皮膚組織(または粘膜組織)まで移動し、再発病変(発赤・水疱・タダレなど)をつくります。

ですから性器ヘルペスは皮膚・粘膜だけの病気ではなく、ウイルスが神経細胞内でも増殖する“神経の感染症”なのです。
そのため皮膚・粘膜にある病変を抑えるだけでは、治療効果は十分ではありません。

では、どういった治療が効果的なのか、次回にご紹介しましょう。



2011年02月06日

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