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腟トリコモナス症を治すには?(その1)
先日30代の未婚女性からトリコモナスに関する電話相談を受けました。
この女性には時々不正出血があったり、おりものが普段と違うという自覚症状があり、病院で検査を受けたところ、トリコモナスであるという診断を受けたそうです。
しかし、処方されたのが腟錠剤だけだったことから、治療法の確認をするつもりで、当院に電話をしてきたようでした。
そこでまずは、一般的なトリコモナスの治療法についてお答えしました。
日本の産婦人科では、トリコモナス症に対し腟錠のみを用いる腟内投与が一般的に行われています。
これは、腟錠を腟内に挿入する治療で臨床的に良くなる方が多いからだと考えられます。
しかし、日本性感染症学会の診断・治療ガイドラインによればトリコモナス症の推奨治療は内服薬として、メトロニダゾール500mg分2,10日間あるいは、単独投与法として1.5g単回投与をすすめています。
ただし、妊婦においては、腟錠を用いる腟内投与が一般的で、用いられる腟錠としては、メトロニダゾール(フラジール腟錠)、トリコマイシン(トリコマイシン腟錠)、トリニダゾール(ハイシジン)などがあります。
妊婦が内服した場合、メトロニダゾールは胎盤を通過し、胎児へ移行するのことがあるので、原則として妊婦への経口投与は行っておりません。
この女性の場合は、妊娠の可能性はないということでしたので、腟錠と併用する形で、内服薬としてメトロニダゾールを服用することをお勧めしておきました。
ここまでの話で安心されたのか、彼女はさらに質問をしてきました。
長くなりますので、こちらは次回にご紹介することにしましょう。
2011年02月28日