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腟トリコモナス症を治すには?(その2)
前回、先日受けた、30代の未婚女性からのトリコモナスに関する電話相談の内容をご紹介しました。
病院で処方された薬についての疑問をまず伺い、私からアドバイスをしました。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。
今回は彼女の相談の内容の続きです。
薬に関するアドバイスを聞いて安心したのか、彼女はさらに心配事を打ち明けてきました。
彼女にはパートナーがいて、彼もトリコモナスに感染してるのか?
また感染しているのなら、治療法はどのようになるのか、ということでした。
そこで私は、彼女のパートナーに関する、次のようなアドバイスをさせていただきました。
実は男性のトリコモナス感染症では尿道炎症状を起こすことがまれにありますが、ほとんど症状が出ることはありません。
またトリコモナス感染を起こす男性は、前立腺炎を持っているヒトが多いといわれています。
性感染症の感染経路は性器の結合、オーラルセックス、アナルセックスですが、オーラルセックスだけでトリコモナス症になるかというと、感染のリスクは低いでしょう。
パートナーが感染しているかどうかの検査については、トリコモナス原虫は前立腺や精嚢などにおとなしく棲息しており、単なる尿検査ではトリコモナスを見つけることはできません。
ですから原因をはっきりさせることはかなり難しいことだと言えます。
検査としては顕微鏡検査、培養検査、遺伝子(核酸増幅法)検査などがあります。
しかしながら、トリコモナス症に関しては残念なことに医師の診断能力の差もあり、これが診断を困難にしています。ですから、彼が感染しているかどうかは、ぜひ専門医に診てもらってください。
もし感染が明らかになった場合、「男性の治療」も、女性と同じ内服薬を服用いたします。
性感染症の治療においては男女の同時治療を行うことが基本で、これはトリコモナス感染症でも同じです。
尚、トリコモナス症では再発を繰り返すケースがありますから、直ったかどうかの治癒判定検査をおすすめします。
彼女はていねいにお礼を述べた後で、「パートナーにも専門医の受診を勧めてみます」といって電話を切りました。
性感染症は、恋人同士の間ではなかなか話題にしにくいかもしれませんが、健康なセックスのためには避けては通れないテーマです。そんな話もきちんとできるような、大人のお付き合いを、世の中のすべてのカップルに望みたいものです。
2011年02月28日