泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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新婚旅行で淋菌感染症に!?

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つい最近、34歳の女性(Tさん)から性感染症について相談がありました。
その相談内容は以下の通りです。

『新婚旅行に海外に10日程行って来ました。
旅行3日目に彼から、「パンツに変なものがついてる」と言われその下着を見たら、
女性の帯下(おりもの)のような分泌物が付いていました。
何時からか聞いたら、1日前からで、排尿の時も少し痛むとの事でした。
添乗員に言った方がいいんじゃないか?と言ったのですが、
自分のおちんちんから変な液体が出てると言うのが恥ずかしいから、
日本帰ってから、治ってなければ病院に行くとのこと。
しかし、彼は今回の長期連休をとった為に休みが取りづらく、
まだ病院に行っていません。
現在、帰国して3日ですが、排尿時の痛みは無くなったようですが、
まだ黄色いような茶色いような液体は出ているようです。
これは性感染症でしょうか?彼のことが心配です。』

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大変心配なケースですね。

ここから先は、私のほうからTさんにした回答のポイントをお伝えしていきたいと思います。

ご相談内容から考えると、彼には現在、尿道炎が生じていると考えられます。

現在、尿道口から出ている黄色~茶色い分泌物は、おそらく血膿でしょう。

この尿道炎の原因菌は相談内容の状況から、淋菌が最も考えられます。

ということは淋菌性尿道炎になっている可能性があるということなんですね。

もちろんクラミジアなども否定できません。

それでは、いつどこから感染したか?の答えとして考えられるのは、

旅行の2日目から症状があったということですから、

パートナーであるTさんが 原因なのかも しれませんし、

もしくは、旦那さまが新婚旅行前に他の女性と性交渉を持っていたという可能性があります。

Tさんご夫婦は新婚さんですから、おそらくそのようなことはないと思いたいのですが…。

とにかく、旦那さまのほうは、一刻も早く泌尿器科を受診することが必要です。

仕事をしている場合ではなく、彼のペニスの一大事ですし、症状が悪化しては大変です。

もし淋菌感染症であれば将来、急性精巣上体炎が生じ、

男性不妊症になる危険性があります。

そして、もしも旦那さまが本当に淋菌感染症であることがわかったら、

Tさんご自身も、早急に婦人科を受診され、性感染症の検査を受けなければなりません。

Tさんが将来、不妊症で悩まないためにも、早急に行動を起こす必要がありますね。

ご夫婦そろって健康になられることを心より願うばかりです。


2011年07月17日

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