<<第24回 北九州STI研究会>>
日時:平成23年11月17日(木)
場所:リーガロイヤルホテル小倉 3階 エンパイア
【特別講演】
座長:産業医科大学 副学長・病院長・泌尿器科教授 松本 哲朗先生
演題:『アトラスでみる 性器ヘルペス』
演者:宮本町中央診療所 院長 尾上泰彦 先生
【講演要旨】
(1)STI(性感染症)の特徴
(2)性器ヘルペス
*性器ヘルペス初感染のメカニズム、再発のメカニズム、検査法、実際の臨床症例
*特に女性の性器ヘルペスは深刻な疾患である。女性の方が罹患率が高い 臨床症状が激しく、発熱、疼痛、膀胱炎症状、歩行障害、鼠径部リンパ節有痛性腫脹などを認める。
排尿障害、便秘などの末梢神経麻痺を伴うこともある。
ときに強い頭痛、項部硬直などの髄膜刺激症状を伴う 頻繁に再発する場合は、心身にストレスを与える。
Elsberg syndromeといって、馬尾症候群を呈する進行性炎症性多発神経根炎を生じ、 尿意を感じない神経因性膀胱となり、カテーテルの挿入が必要となるケースもある。HSVが上行性に仙骨神経根に直接進展し、限局性の髄膜脊髄炎が起き排尿障害などを生じる。
*大事なポイントとして性器ヘルペスの初感染は性感染症であるが、再発は本人にとっては性感染症ではないが、HSVを排泄するためパートナーにとっては性感染症になりえる。
*また治療に関しては神経のウイルス感染症であるから外用薬ではなく内服薬が是非、必要であることを強調した。
(3)鑑別診断:梅毒、帯状疱疹、ベーチェット病、固定薬疹などについて述べた。
2011年12月19日