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アトラスでみる これが性感染症だ
私の人生で始めての、そして最後の教育講演になると思います。大変栄えある講演だと認識し、この準備に約半年の情熱を注ぎました。
大スクリーン2画面のプレゼンテーション、参加者約300名です。
このプログラムに参加しますと、日本性感染症学会の認定医のポイントを10単位取得できます。
緊張で始まり、リラックスして終わることができました。
このような機会をいただきました、本田まりこ学会会長と座長の保田先生に感謝申し上げます。
ありがとうございました。
【教育講演】
日本性感染症学会 第24回学術大会(都市センターホテル)
12月3日(土) 卒後・生涯学習プログラム
座長:保田仁介 松下記念病院産婦人科
<講演1>『アトラスでみる これが性感染症だ』
<講師>宮本町中央診療所 尾上泰彦
【講演要旨】
『アトラスでみる これが性感染症だ』
性感染症は異性間あるいは同性間で性の営み、性行為があって初めて生じるという、大変人間性豊かな病気であり、誰もが感染しえる疾患群である。
また“性感染症を疑うポイント?”とは本人が、何時、何処で、誰と、何をしたのか、どんな事象が起きたのかの検証ともいえる。
外陰部はパートナーと濃密に接触する性行為の主役を果たす性器としての特異性とともに、皮膚粘膜、特に排泄口への移行部、各種の付属器官が豊富、皮膚が菲薄で柔軟であるなどの特性があり性感染症の好発部位となりえる。
性感染症の臨床現場においては、教科書でみるような「これが性感染症だ」という典型的な症例ばかりではない。
そのため,性感染症の診断には問診技術と視診技術が重要となるが、今回は特に視診技術に関して述べる。
私が経験しえたクラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペス、梅毒、尖圭コンジローマ、ケジラミ症、性器伝染性軟属腫、腟トリコモナス症、性器カンジダ症、軟性下疳などの性感染症症例を中心に臨床写真を提示しながら視診技術のポイントについて言及し 「これが性感染症だ」の実態に迫る。
多くが演者の臨床経験に基づいた(エビデンスに基づかない)内容であるが、パンツの中に隠された、驚くような性感染症の情報をご覧いただき、実際の診療に役立てていただければ幸いである。
2011年12月30日