Home > 【その他の病気】 > スキンシップでうつる疥癬(前編)
スキンシップでうつる疥癬(前編)
とても寒い日の午前診療中に「あそこが痒いんです!」と、
30代後半の男性サラリーマンが受診してきました。
話を聞くと、夜中になると、あそこが猛烈に痒くなるとのこと。
あそことは、陰嚢のことである。
診察すると、左右の陰嚢皮膚がデコボコになっており、赤い 3-5mm大の結節が多数見られます。 また、手指の指と指の間(指間)、そして、胸などに赤いブツ ブツができていました。
疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニという体長、約0.4mmの虫です。
比較的柔らかい皮膚表面の角質に寄生します。
痒みが主な症状の皮膚病ですが、夜中に激しい痒みに襲われるというのも特徴の一つです。
ただし、通常疥癬と、感染力の強い角化型疥癬の2種類があります。
この2種類がどう違うかというと、同じヒゼンダニによる皮膚病なのですが、患者さんに寄生しているヒゼンダニの数が違います。
通常疥癬では重症例でも1,000以下なのに対し、角化型は100万~ 200万と桁違いに多く、感染力が強いといわれています。
角化型は免疫力が落ちた高齢者に発症しやすいと言われ、病院や介護施設(老人ホーム)で集団感染することが多く、時々、ニュースにもなっています。
スキンシップ(肌と肌が触れる)やタオル、ベット、 リネンなどから感染するんですね。
では次回は、感染した場合の治療について、詳しくお伝えすることに致しましょう。
2012年01月08日