泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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「彼の金玉が3個ある!?」「精液瘤」(前編)

20代前半の女性が、彼を連れて受診してきました。

彼女は、開口一番こう言いました。
『先生、彼の金玉が3個あるんだけど、どうしてなんですか?3年前に付き合い始めた時には、確か左右に一つづつしか玉がなかったのに、いつの間にか右の袋の方に小さな玉が一つできて、それが段々大きくなってきて、今では金玉と同じくらいになってるんです。大丈夫かどうか、診てください。』

「それでは、診察いたしましょう」

彼は23歳のサラリーマンでした。
今までに陰嚢のトラブル等は無いと言います。
診察すると、確かに彼の右の陰嚢の中には2つの塊が触れました。
感触からすると、上に位置するのが精巣(睾丸)で、もう一つはピンポン玉大の大きさになっており、泌尿器科医の経験から直ぐに精液瘤を疑いました。

さて、この精液瘤とは何でしょうか?
その前に、精巣上体について簡単に説明したいと思います。

精巣上体は、精巣から精管まで精子を運ぶ細い1本の管が束なっている器官です。
この精巣上体の細い管腔壁の一部が弱くなって伸びてしまい、袋状に膨らみ、精子の混入した液が充満して次第に腫大して大きくなった嚢胞が、精液瘤です。

それでは、次回はこの精液瘤について、もう少し詳しくお話いたしましょう。

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2012年03月14日

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