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糖尿病による包皮輪の亀裂(前編)
38歳の男性が受診してきました。
同い年の女性と結婚して13年になるそうです。
小学6年生の一人息子がいて、家庭は円満とのこと。
しかし…。
奥さんとは何年も前からセックスレス状態のようです。
男性には、浮気相手がいるわけでもなく、
「オチンチンはオシッコをするためのもの」と開き直っていたようですが…。
「先生、最近、オチンチンの先の皮が硬くなって、めくれなくなってしまいました。」
「硬い」といっても、オチンチンが硬くなって勃起状態になっているわけではありません。
通常は弾力性があり、柔らかいはずの包皮の先(包皮輪)が硬くなったということなのです。
『パンツを膝ぐらいまでおろしてください』というと、
男性は、恥ずかしそうにズボンとパンツをおろしました。
いよいよ診察です。
『最後のセックスは何時しましたか?』
「もう何年もしていません」
ペニスを診ると、包皮の先端(包皮輪)が白色化し、タテに亀裂がいくつも入っています。
排膿やイボなど、性感染症を疑うような所見はありません。
手袋をして触診すると、包皮の弾力性がなくなっていました。
包皮には、ペニスが勃起しても大丈夫なように、“遊び”があるのが普通です。
ところが、この男性には、“遊び”がほとんどないのです。
包皮を無理やりむこうとすると、裂けてしまい出血します。
これはイタイ、イタイ。
このオチンチンを診てピンときました。おそらく彼は糖尿病なのでしょう。
小太りして比較的若い男性に最近増えているのです。
でも、糖尿病とこの包皮とどういう関係があるのか?
それは、次回に説明することにいたしましょう。
2012年06月27日