泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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急所攻撃は、なぜ痛いのか?(その2)

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先週に引き続き、ある格闘家からの鋭い質問にお答えしていきましょう。

<質問2>
では、そもそも、あんなに痛い物が、何故外に出ているのでしょう?
<回答2>
一言でいえば、睾丸が、腹部の中にあるままですと、体温の影響を受けてしまい、精子成熟機能が阻害されるからです。
また、睾丸が腹部ではなく、陰嚢に納まっている理由が、いろいろとあるのです。

<理由 その1>
睾丸の中では精子を作るため、激しく細胞分裂が起こり、他の臓器とは比べものにならないくらい、大量の熱が発生すると考えられています。ですから、その睾丸を冷却するためには、腹部ではなく陰嚢の中にあるほうが都合がいいんですね。

陰嚢は温度管理機能が充実していて、暑い時はだらっと伸びて熱を放散します。正に、自動車のエンジンに例えるとラジエーター効果ですね。また、寒い時はギュウと縮んで保温します。
つまり、精子を作る環境には、体温よりやや低い温度が必要なんです。

精子形成の適温は体温よりマイナス2が良いといわれています。この造精機能のために金玉がブラリとさがっているんですね。
言い換えると、睾丸の熱がうまく放散されないと、精子造成機能が低下するわけです。

睾丸が外に出ている理由はまだまだありますので、続きは、次週にご紹介しましょう。




2012年08月14日

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