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ガラガラうがいで咽頭のクラミジア・淋菌検査をしよう!
『先生!ノドがいがらっぽいんですけど!ノドの淋病とクラミジアが心配なんだけど!』と言って、24歳の男性フリーターが受診してきました。
『何か薬を 飲んでいますか?』とたずねると『何も飲んでいないよ!』という返事でした。
『それではノドの淋菌とクラミジアの検査をしましょう。』
ノドから検体を採取して、5日後に結果がでました。淋菌とクラミジアの両方とも陰性でした。
次にやって来た患者さんはオーラルセックスを専門的職業にする22歳のヘルス嬢でした。
『先生、いつものノドの検査して!』 『何か症状はないの?』 と聞くと『何ともないわ!』と言う返事でした。 性感染症検査目的で咽頭におけるクラミジアと淋菌の検査を行った結果、 クラミジアと淋菌の両法とも陽性にでました。 そうなんです。何の症状もないノドに淋菌やクラミジアがいるんですね! これは驚きです。まさに“口は災いのもと!”ですね。
今回は咽頭の淋菌とクラミジアの検査について勉強しましょう。
咽頭の検査は、扁桃陰窩、咽頭後壁を綿棒で擦過してこれを検体(ぬぐい液)とします。
これをスワブ法(ぬぐい液)といいます。 検査法は遺伝子増幅法によるPCR法やLCR法がありますが、さらに新しい方法としてBDプローブテックET(SDA)法、Combo2 STD(TMA)法があります。
淋菌の咽頭検査においてはPCR法は、口腔内常在菌のある細菌に間違った反応を示すことがあるので咽頭の検査として向かないといわれています。
最近ではもっと簡単に楽に咽頭検査ができるようになりました。 それがうがい液法です。
「ガラガラうがい」でクラミジアと淋菌の咽頭検査ができるようになり、スワブ法より良い成績が得られます。 検出感度の高い遺伝子増幅法の進歩より、口腔咽頭の中にいる細菌を 検出できるようになりました。
“ガラガラうがい”によるうがい液では、咽頭全体の粘膜の細胞と粘膜についている物を採取することができるため、口腔咽頭にいる細菌・微生物を採集する方法として適していると考えられます。
クラミジア・淋菌咽頭検査においてうがい液と咽頭スワブをBDプローブ テック ET(SDA)を用いて比較検討し、検体としては、うがい液の方がス ワブより陽性率が高い成績を得ております。
また2007年9月よりSDA法は咽頭検査に保険適応となりました。 では実際どのようにして検査するのでしょうか。
咽頭うがい液の検体採取法を説明します。 うがい液法は0.9%生理食塩水(10~20mL)を口に含み、顔を上に向けて10~20秒間「ガラガラうがい」をさせ、滅菌チューブに吐き出させ検体を 採取します。
クラミジア、淋菌の咽頭検査にはこの簡便なうがい液による方法がお勧めです。
貴方も一度やってみたら!
2007年11月09日