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ウイルス遺伝子検査●LAMP法
LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法は日本で開発された核酸増幅法(*1)であり、感度(*2)、特異度(*3)はポリメラーゼ連鎖反応法(*4)(poiymerase chainreaction:PCR)と同等です。保険は適用されません。
全ての反応が等温(65℃付近)で進行するため、サーマルサイクラー(thermal cycler)などの特別な装置を必要とせず、恒温槽で測定することもできます。 ウイルス遺伝子の有無は、試験液の白濁などにより目視でも判定でき、濁度を測定すれば定量的評価が可能です。
HSV-1、HSV-2の型特異的なプライマー(*5)がキット化されており、型別の判定が可能です。 ウイルス量がごく微量でも検出できるため、無症候性ウイルス排泄(*6)も検出されます。 核酸増幅と検出のみなら、1時間程度で実施できますが、核酸の抽出・精製といった検体の前処理が煩雑で時間がかかる点が問題といわれています。
次回は●PURE-LAMP法についてお話いたします。
(*1)核酸増幅法:ウイルスは遺伝子を持つ。
遺伝子を構成するDNAやRNAを短時間で増幅して、
検体内のウイルス存在を証明する検査法。
(*2)感度:陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率。
(*3)特異度:陰性のものを正しく陰性と判定する確率。
(*4)ポリミラーゼ連鎖反応法:DNA増幅技術の一つ。
(*5)プライマー:DNAポリメラーゼが DNA を合成する際の核酸の断片。
DNAは2本の鎖構造だが、DNAポリメラーゼは1本鎖の核酸を鋳型として、
相補的な塩基配列を持つDNA鎖を合成する酵素の総称。
(*6)無症候性ウイルス排出:症状が認められないがウイルスが存在する状態。
2013年11月08日
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