泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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男の性(さが)の“馬鹿さ加減”

ゴールデンウイークが終わりました。20代後半、未婚の男性が受診してきました。元気のない様子です。

『 よくいらっしゃいました。さてどうしましたか? 』

「今年の1月頃、ある女性の使用済みの下着をなめたり自分のペニスに押し付けたりしました。馬鹿なことをしました。最近になり段々、段々、心配になってきました。仕事も手につかなくなり、夜も眠れません。心配でもうダメです。性感染症の検査を全部してください」

『その下着は湿っていたのですか? 乾燥していたのですか?』

「まだ湿っていました!」

『わかりました。それは心配ですね。それでは診察と検査をしましょう』

先ずは外陰部、口腔内の診察を行ないました。視診では肉眼的に異常所見を認めませんでした。

検査は本人の希望で、先ずHIV即日検査を施行しました。成績は約30分で出ます。結果は陰性でした。

本人にその結果を伝えると、震えながらその場に泣きくずれました。本人の精神的苦悩がはっきり見てとれる瞬間です。

他の検査結果は7日後に検査成績が出ると本人に伝えました。

彼は1週間後に来院してまいりました。

血液検査は梅毒血清反応 : 陰性でした。B型肝炎、C型肝炎:陰性でした。尿検査にてクラミジア、淋菌は陰性。咽頭検査にてクラミジア、淋菌は陰性。

『検査結果はすべて陰性で、大丈夫でしたよ。おめでとうございます。』

「本当ですか? 先生、ありがとうございます」

『これからは健康なセックスをしましょうね』

「分かりました。もう二度とこんな馬鹿なことはしません」

そして、本人はクリニックを後にしました。

まずは、良かった!良かった!一見、本人は好青年で常識人に見えました。

しかし、魔が差したのか、男の性(さが)の“馬鹿さ加減”なのか。男はこのような性行動をおこすことがあるのだ。男は、こまった動物だ。あきれるばかりだ。

男性諸君、常識ある性行動をしましょう。

ごきげんよう!

鯉のぼり


2014年05月15日

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