Home > 【性感染症全般】 > ミノマイシンの長期服用とクラミジアや淋病の治療について
ミノマイシンの長期服用とクラミジアや淋病の治療について
ある性風俗の好きな男性からミノマイシンについて相談がありましたので、その内容をご紹介いたします。
【相談】 ミノマイシンの耐性とクラミジアや淋病の治療についてです。
3年ほど前から頭皮のニキビのために3週間に5日間ほどミノマイシンを飲むというサイクルを続けています。
ミノマイシンにもし耐性がついたら、という前提で質問させてください。
私は風俗が趣味なのですが、もしクラミジアや淋病に感染して治療を始めたとして、
ミノマイシンへの耐性は治療に影響があるでしょうか?
やはりミノマイシンはクラミジアや淋病の治療に使えませんか?
またその場合、ジスロマックやクラビットもミノマイシンと同様の耐性を獲得していて治療に使えないということは生じますか?
【回答】
まずミノマイシン、クラビット、ジスロマックSRについて、その特性を述べます。
1.ミノマイシンンは多くの細菌に有効なので、各科で広く用いられています。
性行為感染症のクラミジア感染症、また皮膚科ではニキビ治療によく使用されている先生方が大勢いらっしゃいます。
さて、ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質です。この系統の特徴として、同系のなかでは、抗菌力が強く、耐性菌も比較的少ないとされています。
抗菌力は従来のテトラサイクリンなどに比較して1~4倍あり、またテトラサイクリンが効きにくい耐性ブドウ球菌やレンサ球菌、大腸菌に対しても効果が期待できます。
2.クラビットは、約15年以上前になりますが,淋菌治療には無効で、クラミジアにも効きが悪くなっているので、常用量(当時300mg/日)の1.5倍~2倍必要であると考えられるようになりました。
その後研究が進み,現在では500mg/日の服用が標準になっています。また,現在ではクラビットを改良し、少ない量でも高い効果が期待できる薬としてグレースビットが出ております。
3.ジスロマックSRは、2000mgの超大量を1回だけ飲めば約90%の治療効果があるとされており、海外では非常に多く使われています。
現在、日本でもよく使われております。ただ、既に、治療の失敗例も報告されています。
これまで述べました通り、「淋菌とクラミジアの治療に有効」として、クラビットやミノマイシン等が使われていました。
しかし、これらは現在、淋菌とクラミジアのどちらにも効果が期待できません。
貴方は長期間ミノマイシンを服用なさっていますから、淋菌感染症やクラミジア感染症に罹った場合、治療をしてみなければ 治療が奏功するかどうか、分りません。
しかも、淋病、クラミジアの治療は、たとえ不適切な抗生物質でも、1~2週間ぐらいで自覚症状が消失してしまうことが多いので投与薬に注意が必要です。
ご心配な場合は専門医を受診いたしましょう。貴方のご相談に十分に答えられていないかもしれません。お許しください。
これからは、 健康なセックスを心がけましょう。
2014年10月27日
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dr-onoe.com/mt/mt-tb.cgi/98