泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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「遺尿症」

15歳の女性から「夜尿症(おねしょ)」について相談がありましたのでご報告いたします。

【相談】 私は、小学校に入った時から「夜尿症(おねしょ)」で悩んでいました。

小学生ですから、まだしょうがないと思っていましたが、気付いた時にはもう小学6年生になっていました。

…しかも、おねしょだけじゃなくて日中でもおしっこを漏らすことがありました。

夜の寝る前、水分をとらずに何度もトイレに行っても、朝起きたら濡れていました。

そのせいなのか、水分を取るのが怖くなってしまい、脱水になりかけたこともありました。

少し良くなったと思いますが、中学3年の今でも時々、失敗してしまいます…

私は病気なんでしょうか?

【回答】

貴女のお話からおそらく遺尿症と考えます。


遺尿とは無意識(知らない内に)に尿が排出してしまう状態をいいます。

昼間、尿をもらす昼間遺尿症,夜間、睡眠中にもらす夜間遺尿症(夜尿症ともいいます),そして両者の混合型もあります。

幼少時は,排尿の調節が完全にできないため,遺尿は生理的な現象ですが,
5歳を過ぎてからの遺尿(おもらし)は臨床的に問題があります。

夜尿症は,夜間の尿産生の異常や夜間の蓄尿の異常,
あるいは睡眠覚醒の異常等のさまざまな要因が複雑に関与した症候群とされています。

夜尿症は自然経過で治癒する頻度が比較的高いとされていました。

治療については,かつては自然経過を見守る考え方が強かったのですが,
最近は,本人への心理的負担の大きさ,一部の方では成人への移行が明らかにされて
いましたが,就学以降も持続する夜尿症にはさまざま治療が試みられています。

また,現在行われている治療法には根拠が不十分なところもあり,
本人,家族への心理的,肉体的,経済的負担が大きいものもあります。

また,薬物療法では副作用にも注意しなければなりません。

臨床的には難しい問題点も多々ありますから
総合病院の泌尿器科を受診し精査そして治療をいたしましょう。

ご心配はありませんよ。

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2015年01月06日

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