泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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セックスによる包皮小帯断裂 出血

春ですね!40代後半の男性が受診してきました。
 
主訴は「裏筋が裂けて出血して強い痛みがあります」ということでした。
 
お話を聞くとソープランドにてセックスの最中のアクシデントでした。
 
セックスの最中に突然、ペニスの裏筋が裂けて出血しコンドームの中は血だらけになったそうです。
 
また出血は2時間ほど止まらなかったと言っています。


 
この男性は以前から亀頭包皮炎を繰り返している方で、恐らく
慢性的な粘膜の炎症が継続していたため包皮小帯の弾力性が低下し、
そこにセックス時のピストン運動という外的刺激が加わり、突然、
この包皮小帯が断裂、裂傷が生じたというのが、今回のアクシデントの誘因と考えられます。
 
夜間であったため基幹病院の緊急外来にて形成外科医に圧迫止血してもらったそうです。
 
そして翌日、当院に来院してきました。
 
当クリニックでの性器の視診では包皮小帯は約5mm断裂しており、
 
断裂部の創面は直径5㎜大で出血は止まっており、創面は紅潮したビラン面を呈していました。
 
(写真1を参考にしてください)
 
また軽い慢性的亀頭包皮炎(皮膚粘膜症状)の所見を認めました。
 
治療は創面保護のため消炎用軟膏と感染予防のため抗生物質を投与し、創面が癒されるのを待つことにしました。
 
そして外傷8日後に再診した際には創面は縮小しビラン面は少しあるもののほぼ治癒状態でした。
 
経過は極めて順調、良好でした。(写真2を参考にしてください)
 
ここで包皮と包皮小帯について説明しておきます。
 
包皮は亀頭を包む皮膚です。亀頭冠の腹側端(裏側)と外尿道口が出会う亀頭の腹側面(裏側)正中線上、つまり身体の真ん中において包皮は小さなヒダとなっています。
 
このヒダを包皮小帯といいます。この包皮小帯と陰茎縫線とはつながっています。
 
言い換えると包皮小帯とは外尿道口と陰茎縫線を結ぶヒダなのです。

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2015年05月01日

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