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「増加する性感染症(下)」共同通信47NEWS
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≪共同通信47NEWS≫
【特集】増加する性感染症(下)
口と喉は危険な「温床」
(2016/3/14 16:01 公開)
性感染症に関し関係者らが問題とするのがオーラルセックスの危険性に対する認識の低さだ。
▽きれいでも…
名古屋泌尿器科病院の小島宗門院長(62)は、2000年から15年間に尿道炎と診断した男性の約4800例について性的接触の形態などについて調査。
その結果91%でオーラルセックスが行われていることが分かった。
性風俗店では98%に上りオーラルセックスが主体とすら言える実態が明らかになった。
一方で口や喉の感染危険性の認識は、過去にも尿道炎を経験している層では82%と高かったが、初めての患者では53%にとどまった。
①名古屋泌尿器科病院の小島宗門院長
日本性感染症学会代議員の尾上泰彦医師(71)は「口腔咽頭(口と喉)は性感染症の温床」と断言する。
喉は感染しても腫れや赤みといった異常が見られず自覚症状もほとんどない。
尾上医師は、男性のクラミジアや淋菌の最大の感染源は性風俗店でのオーラルセックスで、性風俗店で働く女性からの淋菌検出は性器より喉の方が多いとし「性器同士の接触は危険でも、口や喉は大丈夫と思っている人が多い。
だからそういうサービスの店に平気で行く。そこの女性も自分が病気をうつしているとは思っていない」と説明した。
尾上医師は「口腔咽頭の感染を制御できれば性感染症は激減する」と強調し「そのためには専門家である耳鼻咽喉科医の関与が不可欠」と訴える。
ただ耳鼻咽喉科医の関心は低く、感染を心配する患者が訪れても「喉はきれい。問題はありません」と言われ精密な検査をせず帰されることが多いと現状を語った。
②梅毒の病原細菌「梅毒トレポネーマ」の侵入部位の下唇にできた潰瘍(尾上泰彦医師提供)
▽人間の根幹
一方、エイズウイルス(HIV)の新規感染・発症者の報告は2007年以降1500人前後の高水準が続き、減少傾向にある先進各国とは対照的とされる。
ただ小島院長は「日本は絶対数が少ない」と言う。
厚生労働省によると、日本は初めて症例が出た1985年以来の累計が約2万4千。
米国では毎年の新規感染・発症者が5万近くに達する。差は歴然だ。
③厚生労働省、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の資料から作成
エイズは治療薬の進歩もありもはや「確実に死に至る病」ではない。
それでも完全に治るわけではなく他の性感染症との併発リスクも高まる。
エイズ撲滅は性感染症対策の最大の目標だ。最も有効なのはコンドームの使用だが、小島院長は「日本ではコンドームは病気予防具ではなく避妊具として位置づけられているのが問題」と話す。
原因の一つは経口避妊薬ピルの認可の遅れ。
1999年の日本のピル認可は申請から9年を要し欧米からは約40年遅れた。
小島院長は「エイズへの危機意識が今より高かった時に早くピルを認可しておけば、コンドームは病気予防具と位置づけられる契機となりえたのだが」と悔やんだ。
諸外国では、社会全体で危機意識を共有できるほどエイズ感染が増え予防対策も普及した。
しかし「日本では、エイズは怖いが自分は無関係と思っている人がほとんど。
他の病気はなっても治せばいいと思っている人も多い」と小島院長。
「性行動というのは人間の根幹に関わることがら。
啓発・教育活動ではなかなか行動を変えさせるところまでいかない。
人間とはそういうものだから…」と話した。(共同通信=松村圭)
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【特集】増加する性感染症(下)
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2016年03月15日
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