ワンタン「雲吞」について
今回は私の好きな「雲吞」についてお話します。
雲吞(わんたん)とは、字の如く雲を呑むと書く。
某中華料理店のワンタンは、雲吞の皮のツルルンという、咽越しがなんともいえない心地よい感じである。
たまらない感触である。 まるで雲を呑むような感じである。
この一品こそ私が求めていた雲吞である。
スープが澄んでおり、気品があり控えめで、あまりでしゃばることもなく、控えめであるが、そこに存在感がある。
正に雲吞の皇帝である。でも威張っておらず、真につつましやかである。
まるで、天皇陛下に使える侍従のようである。
実は私は、十数年前から、ここの店の雲吞麺を今上天皇に是非食していただきたいと思っておりました。
でも叶わぬ思いです。「医食同源」を謳っている町中の普通の中華料理屋です。
JR東中野駅の近くにあるお店です。行かなくていいですよ。
でも雲吞の歴史を顧みると、だいぶ私は雲吞に関して思い違いをしていることが分かりました。
でも私は思い違いのままで良いと考えています。
もちろんこの店の雲吞・ワンタン麺より美味しいところもあるでしょう。
食する物は人、それぞれですから、感じ方もそれぞれですから。
ちなみに、この店の「ワンタン麺」も最高です、麺は手打ちでスープは澄んでおり、
それにシナチクが何ともいえず旨い。またチャーシューも絶品である。
初めて行かれる方にはこのワンタン麺をお勧めいたします。
以下に雲吞・ワンタン麺についての資料をお示しします。
中国語では ワンタンを雲吞・饂飩と書きます。
中国料理の点心の一つだそうです。
小麦粉で作った四角形の薄皮で豚のひき肉を包んだものです。
ゆでてスープに入れたり,揚げたりします。
細かく刻んだ肉や魚介類、野菜などを混ぜた餡を、薄く伸ばした小麦粉の四角い皮で包み、
いったん茹でてからスープに入れて食します。
広東では鶏卵を配合し約8cm角の正方形に切った皮を使用し、
上海など江南ではトルテッリーニのような形状に包むことがあります。
現在のワンタンに使われるスープはとろみのないものが多く、華南では鶏がらスープ、
中国ハムのスープなどを基本にしています。
華北では器に干しエビ、ネギ、塩、うま味調味料、醤油などを入れておき、
そこに茹で汁とともにワンタンを入れる食べ方もされています。
同じ小麦粉の食品である麺と組み合わせた雲吞麺は、広東で生まれた比較的新しい食べ方だそうです。
歴史的にみると、ワンタンは華北で生まれたが、しばらくは餃子と区別されていなかったそうです。
「渾沌」と書かれ、漢字の発達とともに「餛飩」という字になったと言われています。
前漢の揚雄による『方言』には「餅謂之飩」とあり、スープに入れることから「湯餅」ともされていました。
現在のワンタンが形作られたのは南方においてであり、唐代になってから「餛飩」「餃子」の言葉が区別されました。
日本では、平安時代に編纂された漢和字典『新撰字鏡』に「餛飥」と記載されており、
「こんとん」と読める音注と餅との説明がついています。
餛飩は現代の呉語では「ウンドン」、陝西省の西安語では「ホエトエ」と発音するが、
日本に伝来したワンタンがうどん、ほうとう、さらには大分県のほうちょうや栃木県のはっとのルーツである可能性も指摘されています。
名称についてですが、ワンタンの漢字表記のうち、雲呑の表記は広東語で用いられ、
ワンタンという読み方も広東語によるものです。
標準的な中国語では餛飩と書き、「ホゥントゥン」のように発音します。
福建省のアモイ周辺や台湾ではワンタンを扁食(ピェンスー)といいますが、
山東省や山西省の一部で扁食の語は餃子を指します。
逆に、広東省潮州では「餃」がワンタンを指し、魚のすり身を練り込んだ魚皮餃(潮州語: フープエギオウ)という、腰のあるワンタンも有名でらしいです。
福建省沙県の小振りな扁肉、福州のサツマイモでん粉と豚肉を練って皮を作る
扁肉燕(福州語: ピエンニュッイエン)など、各地に変種も存在するそうです。
四川、重慶では抄手(チャオショウ)と称し、ラー油や花椒の利いた辛い味のスープ
もしくは醤油味のスープと共に食べる事が多いいようです。
インドネシア料理では扁食に由来するパンシット (Pangsit) であり、
ベトナム料理ではホアン・タイン (Hoành Thánh) というそうです。
以上です。
①ワンタン麺
②雲吞麺
③カプリ島:青の洞窟
2016年05月13日
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