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再相談、梅毒の検査と治療について
先日、梅毒について相談がありました、30代後半の男性から、お礼と再度の相談がありましたので報告いたします。
【相談内容】
先日は丁寧な回答をいただきありがとうございました。
そのせいか、心が大分楽になりました。
また一つ教えていただきたいのですが、今薬を飲んでいて、6月に再検査を受ける予定です。
その時、感染をしていなくても薬を飲んでいたら、RPRやTPHAは増加しますか?
【回答】
貴男は梅毒に治療効果のある合成ペニシリンである
≪アモキシリン250mg、1回2カプセル、1日3回(1日量1.5g)≫
薬を服用していますから、恐らくRPRやTPHAは増加しないと思います。
ただ検査結果にあまり左右されないでください。
検査成績は治療開始から落ち着くまでは、しばらく上降下いたします。
データが落ち着くのは個人差があります。だいたい1~2年とみてよいでしょう。
しかし、通常であれば徐々に下がっていき落ち着いてきます。
ですから、検査結成績が上がっても新たに薬を服用する必要はありません。
検査データの結果で一喜一憂しないことです。
しかしデータとしてはRPRが下がっていけば安心です。
RPRは治療効果を見ることができます。
RPRは経過観察するのに適しています。
RPRは治癒判定に役に立ちます。
それに反して、TPHAの成績は参考程度と思ってください。
治癒判定には用いられません。
TPHAの検査結果は、一度梅毒に罹患すると陰性化しません。
駆梅治療が終わっていれば心配いりません。
あとは、定期的に検査を受けて経過観察することが大切です。
梅毒の治療の目的は、検査結果の抗体価を下げることでも、陰性化させることでもありません。
病原菌のスピロヘータを死滅させることです。
このことは我々、臨床医が落ち込む、落し穴とも言われています。
大変、重要な注意点です。
そういう意味では梅毒の専門医に相談することをお勧めいたします。
前にも申し上げましたが、パートナーの女性が梅毒に罹患しているかどうか、はっきりしていない状態での性交渉はリスクがあります。
パートナーの女性には、梅毒の血液検査を必ず受けてもらってください。
また、性交渉の際にはコンドームを使用してください。
健康な、安全なセックスをしてください。
おだいじにしてください。
①包皮内板に発症した硬性下疳、痂皮形成している。 感染機会より4週間。
①②高野のフルーツパーラーにて
2016年05月29日
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