泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【その他の病気】 > 糖尿病性亀頭包皮炎

糖尿病性亀頭包皮炎

20代の男性から亀頭部の包皮の損傷に関して相談がありましたので報告いたします。

【相談内容】

はじめまして お世話になります。

ペニスの包皮について御相談があります。(私は仮性包茎です)

ここ二週間ほどペニス先端部の包皮に柔軟性(伸張性)がなくなり、勃起が起こると周りの皮膚の表面伸びずに細かな裂傷が発生して、中々治りません。

小便等の際に傷に沁みますが大した事はありませんが、勃起すると裂傷が広がり
極少しの出血を伴って、治りそうで治らない状態が続いて困っています。
もちろん性交が出来なくなっています。

傷口はお湯で毎日綺麗に洗い、その後消毒液で消毒していますが、化膿等はありません。

何が原因か良く分からず困っていますので、治療法等でアドバイスがありましたらよろしくお願いいたします。
 
①包皮輪と包皮外板に縦の亀裂が多数認められる。この状態では包皮をめくることは困難になります。
20161105_01.png

【回答】

貴男の身長と体重そして体型(肥満型など)が分かりませんからお答えしずらいのですが、貴男はすでに糖尿病になっているか、糖尿病の予備軍だと思われます。
 
糖尿病がありますと、包皮の皮膚粘膜移行部にダメージがくることが多いです。
 
内科の糖尿病の専門医はパンツの中をみませんから、このことはご存じありません。
 
毎日の運動、1~2時間の少し汗をかくくらいのウオーキングが良いと考えます。
 
貴男の体調が良くなれば、ペニスの状態もきっと良い方向にいくと思います。
 
大事なことは、第一に糖尿病の専門医に診ていただき、もし糖尿病と診断されたら食事と運動の指導を受けましょう。
 
②糖尿病性亀頭包皮炎の特徴は、包皮輪の亀裂が縦に生じることです。
20161105_02.png

糖尿病性亀頭包皮炎の特徴は、包皮輪の亀裂が縦に生じることです。

糖尿病が持続すると包皮輪においては皮膚粘膜移行部の炎症が生じ弾力性が低下し、機械的刺激(無理にむくと)により容易に亀裂が生じるものと考えます。

今の状態では性的行為は不可能です。

また糖尿病性亀頭包皮炎がありますと、糖尿病により免疫能力が低下しカンジダに感染しやすくなり、カンジダ性亀頭包皮炎を合併することがあります。

何度も申し上げますが、糖尿病の専門医を受診し、貴男は元気になれば、貴男のジュニア(ペニス)もきっと元気になりますよ。

ご機嫌よう。

③ナポリのビッグなレモン 20161105_03.jpg

 

「糖尿病性亀頭包皮炎」の相談者から返事がありましたので追加報告いたします。

【相談者からの返事】

尾上先生、 御親切なご指導誠にありがとうございました。

ご指摘の通り別件で糖尿病と診断を受けておりましたので、その症例として認識を致しました。

早速糖尿病の専門医へ掛かり、治療を受けたいと思っております。

改めて本当にありがとうございました。
 
【回答】

早く良くなって健康なセックスができることを目標にいたしましょう。
 
もしも経過が思わしくなければご連絡ください。
 
お大事になさってください。




2016年11月05日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dr-onoe.com/mt/mt-tb.cgi/354

Entries

Archives