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『性器ヘルペス患者に対するファムシクロビルの安全性と有効性の検討』
私が協力した研究論文(原著)が日本性感染症学会誌 Vol.27,No.1(135~146頁)に掲載されましたので報告いたします。下記に要旨を示します。
【原著】
性器ヘルペス患者に対するファムシクロビルの安全性と有効性の検討(特定使用成績調査)
本田まりこ、他。
日本性感染症学会誌 Vol.27,No.1
ファムビル錠250mg(販売:マルホ株式会社、製造販売:旭化成ファーマ株式会社、一般名ファムシクロビルfamciclovir 以下、FCV)の性器ヘルペス(genital herpes 以下GH)に対する安全性および有効性を製造販売後の特定使用成績調査(以下、本調査)でProspectiveに検討した。
①(参考症例)女性 初感染初発型 腟前庭、小陰唇、に多数のビラン、浅い潰瘍を認める。
発熱、膀胱炎症状、両側鼠径部リンパ節有痛性腫脹、疼痛あり。
②(参考症例)女性 再発型。 右小陰唇内側下部にビラン、浅い潰瘍を認める。
掻痒感、疼痛あり。
2013年8月から2015年2月の期間、GH患者352例(初発型119例、再発型233例)が登録され、そのうち安全性解析対象症例が296例(初発型107例、再発型189例)、有効性解析対象症例が251例(初発型90例、再発型161例)となった。
安全性解析対象における副作用発現頻度は1.4%(初発型0.9%、再発型1.6%)であった。
有効性解析対象における観察期間終了時点の全般改善度を評価したところ、全般改善度が「改善以上」と判定された患者の割合は93.2%
(初発型93.3%、再発型93.2%)であり、皮膚・粘膜病変が治癒するまでの日数の50%点は9.0日(初発型9.0日、再発型9.0日)であった。
③40代前半女性 FCV投与開始前 会陰部左側
紅斑、水疱、疼痛あり。
④40代前半女性(③と同一症例患者)
FCV投与 6日後 皮膚・粘膜病変治癒
これらの結果から、GH患者に対するFCVの使用実態下での安全性および有効性が確認された。
尚、当院(宮本町中央診療所)はFCVの安全性および有効性の検討に患者登録医療機関として協力した。
2016年11月19日
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