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硬化性リンパ管炎(陰茎、小陰唇内側)
40代の女性から外陰部のコリコリが気になるという相談がありましたので報告いたします。【相談内容】
私は40代前半の女性です。
腟の入り口右側の皮下にコリコリしたものがあります。
表面にできているのではないため、肉眼ではわかりません。触ったら分かります。
入浴時に洗っていたらいつもとは違う感じで、よくよく触ったらクリクリしたものがありました。
ただ、体勢によってはクリクリしたものを探せません。
座った体勢だと良く分かります。痛くも、かゆくもありません。
鏡で確認したところ、表面的にはなにも無い為、肉眼では確認できません。
触診でわかりました。
①小陰唇内側に発症した硬化性リンパ管炎
【回答】
これは診察しないとわかりませんが、先ず、硬化性リンパ管炎が考えられます。
聞いたこともありませんね。
男性の陰茎によく発症するシコリです。触るとコリコリ、クリクリしています。
痛みもかゆみもありません。
男性では包皮の内板によく発症します。
時に、亀頭部に発症することもあります。
②参考症例:非性病性硬化性リンパ管炎
③参考症例:非性病性硬化性リンパ管炎
女性では腟前庭や小陰唇内側に発症することがあります。
性感染症とは全く関係なく、生理的な変化で硬化性リンパ管炎と言われています。
この病気の原因ははっきり分かっていません。
何らかの原因でリンパ管内腔にリンパ液のうっ滞や凝固、器質化などが生じた結果、リンパ管に閉塞性、増殖性の索状結節が発症したものとされています。
④参考症例:非性病性硬化性リンパ管炎
某医の報告では、組織学的特徴はリンパ管壁の肥厚ないし硬化とされています。
肥厚した壁は結合織が大部分を占め、これに浮腫性変化とわずかのリンパ球および組織球が混在している。
内腔は壁の高度肥厚のため、また肥厚に加えて内壁に付着した血栓様構造ないしその器質化のため、狭小化、ときに閉塞状態を呈すると報告しています。
通常は、およそ1~4週間で閉塞したリンパ管が再開通し、自然消褪するため、経過観察でかまいません。
日常生活に支障がなければ、外科的治療をする必要はないと考えます。
リンパ管の切開ないし穿刺は一時的な効果はありますが、また直ぐ、リンパ液がうっ滞し、リンパ管が腫れてくるため、無意味な処置となります。
⑤参考症例:非性病性硬化性リンパ管炎
モンドール氏病(Mondor病)《non-vevereal sclerosing lymphangitis of the penis (Mondor病)》とも言われています。
一度、専門医の診察を受けて安心いたしましょう。
お大事なさってください。
2016年12月09日
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