泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

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梅毒の感染経路

20代の男性から梅毒の感染経路について相談がありましたので報告いたします。

【相談内容】

いきなりの相談失礼いたします。

よくあることだとは思いますが先日飲み会にて同僚と口をつけた食器の使いまわしや同じ飲料を飲みまわしをしてしまいました。
(言わば間接キスのような状態です)


このような行為でHIVなどの感染はまず無いと思っております。

しかし最近急増している梅毒の感染が「食器の使いまわしでも感染する」などと書かれている情報を多々発見し不安になりました。

仮に梅毒感染者と同じ食器やコップを使いまわした場合、その中に入っている飲料やコップに付着した唾液からの感染はあり得るでしょうか?

また、そのような事例というのは存在するのでしょうか?

お忙しい中大変申し訳ございませんが正しい知識を持っておきたいのでお答えいただけると幸いでございます。

 
【回答】

オーラルセックスは体液、唾液などの交換、粘膜と粘膜の接触がありますから、色々な性感染症のリスクが出てきます。

貴方の場合は同僚と口をつけた食器の使いまわしや同じ飲料を飲みまわした、と言うことですが、そのような行為で感染したと言う報告は、学術的にはないと考えてください。


①冠状溝に深く潰瘍化した硬性下疳を2つ認める
20161219_01.png

 

②オーラルセックスで尿道粘膜に発症した硬性下疳
20161219_02.png


現在はインターネットが広く普及し、誤った情報にいわば洗脳されてしまうケースも

しばしば見受けられます。これは難しい問題ですね。

あとは貴方の心の問題です。

梅毒がご心配であれば、その時期から6週間後に梅毒血清反応検査を受けて、心に平和を勝ち取ってください。検査は簡単にできます。

 貴方の性の健康をお祈りいたします。


③赤い薔薇
20161219_03.JPG


2016年12月13日

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