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讀賣新聞 掲載 : 梅毒「まさか自分が」

6月16日 讀賣新聞 朝刊 医療ルネサンス 「性感染症のいま」 5回シリーズの1回目に私のクリニックの梅毒に関する記事が掲載されましたので報告いたします。

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■梅毒「まさか自分が」

「偽装の達人」と呼ばれる性感染症がある。

最近、感染者数の急増が指摘されている梅毒のことだ。

これまで年間1,000人に満たなかった感染者数が、2011年頃から増加し、昨年は4,500人を超えた。

「感染するような性行為は思い当たらないのですが」

40歳代の会社員の男性が、医師に手を差し出す。男性の手や体に突然、赤い発疹が現れたのは6月初め。東京都新宿区のクリニックを初めて訪れた時、医師は皮膚を見るなり、梅毒と言い当てた。

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発疹は梅毒の症状の一つでバラの花のように見える「バラ疹」だった。

血液検査の結果はやはり、陽性だった。初診時に処方された抗菌薬を飲むと、バラ疹は一週間できれいに消えた。

それでもまだ感染を示す数値は高く、性行為で相手に感染するリスクがある。
症状の進行度合いにもよるが、この男性の場合は4~8週間、薬を飲み続ける必要がある。

医師は「決められた量の薬を飲み終わるまで、ちゃんと治療に来てください」と、継続して薬を処方した。

 感染している人と1回の性行為でも、梅毒は比較的感染が起きやすい。
性器からではなく、口からも感染は起きる。

 一般的に、感染から約3週間で性器など病原体が入った部分に潰瘍などができる。
次に血中で病原体が増殖して全身に広がり、約3か月で体にバラ疹などが出る。

無治療なら数年で意識障害や知能低下、失明などにいたると言われている。
しかし、潰瘍などの初期症状は出なかったり、

発症時期がずれたりすることも多い。症状の出方も様々。

 潰瘍は唇や喉にできることもある。バラ疹が出る部位も一定ではない。
痛みやかゆみをほとんど伴わず、放っておくと数週間で表面的な症状は消えてしまう。
多様な症状を伴いながら、何事もないかのように潜伏する様子は、まさに「偽装の達人」。

梅毒をよく理解する医師でなければ、見逃してしまう可能性がある。

【参考症例】梅毒 第2期 バラ疹 20代の女性

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 実際に現場の医師からは、皮膚科でバラ疹を別の皮膚疾患と

診断されていたケースや、産婦人科で性器のしこりを見落とされ、多くのパートナーと性行為を持った後にバラ疹が出た例などが報告されている。

パートナーを次々に代える人や不特定多数と性行為を持つ人の間では、本人も気付かないうちに梅毒に感染したり、拡大させたりしているかもしれないのだ。

クリニックを訪れた会社員の男性も、バラ疹が出るまで体の異変に気付かなかった。
梅毒の名前は知っていたものの、「まさか自分が」という驚きは今も隠せない。
「しっかり治るまでは不安。他の人にうつしていなければいいのですがー」




2017年06月18日

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