クラミジア 感染気づかず
6月20日(火)讀賣新聞 朝刊 医療ルネサンス「性感染症のいま」5回シリーズの3回目に私のクリニックのクラミジア感染症に関する記事が
掲載されましたので報告いたします。
■クラミジア 感染気づかず
「性器と喉、両方からクラミジアが見つかる人も多いんだよ」。
東京都新宿区にあるプライベートケアクリニック東京。
検査を受ける男性に医師が説明する。
若い人への感染が多いクラミジア。
感染すると女性はおりものの変化など比較的軽い症状があるか、
表れない場合もある。
男性は性器の異常で気づくことが多い。
国が定めた約1,000か所の医療機関から報告があった性感染症は、
ピークだった2002年の4万3,000人に比べ、昨年は2万人近く
減っているが、他の性感染症に比べれば圧倒的に多い。
一般的な性生活を送っている人にも感染が見つかる身近な病気だ。
身近な理由は、感染者との1回の性行為で、
30~50%の確率でうつると言われる感染力の強さにある。
1%未満とされるHIV(エイズウイルス)と比べるとよく分かる。
口と性器の間で感染することも多いほか、キスだけでも感染する
と言われ、カップルが互いに完治と感染を繰り返す
「ピンポン感染」が問題となっている。
パートナーの男性と一緒にクリニックを訪れた女性(41)は最近、
別の病院でクラミジアの治療を受けた。
「思い当たることが全然なかった。本当に不思議ですよね」と首をかしげる。
女性がクラミジアに感染したのは約4年ぶり。2回目だった。
前回は検査で見つかるまで症状は一切なかったといい、
クラミジアの症状も知らなかった。今回は性器にかゆみが出た。
当初はナプキンのせいだと思っていたが、その後、
ナプキンを使っていない時でも、かゆみは治まらなかった。
人前ではかくことができない部分だ。
我慢できず受診した結果、クラミジア感染が判明した。
クラミジアの恐ろしさは特に女性の場合、感染に気づかない
まま症状が進行しやすいこと。
男性の場合、尿道から分泌物が出たり、排尿時の違和感や痛み
があるので気づきやすい。
一方、女性は症状が出るのは2~3割。
おりものの色や量が変化したり、下腹部の痛みが出たりするが症状は軽い。
感染に気づかないまま、子宮頸管や卵管が炎症を起こし、
不妊や流産などの原因にもなりうる。
【参考症例】女性 クラミジア性子宮頸管炎
女性は完治したものの、今度はパートナーの性器に異変があるように感じた。
心配になり、一緒に全ての性感染症を受けようとクリニックを訪れた。
検査の結果、幸い2人とも感染はないことが分かった。
「今、不妊治療を受けています。今後のことを考えると、しっかり調べてもらい、
お互いに安心できました」と頬を緩ませた。
2017年06月27日
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