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クラミジア感染による夫婦の危機!(前編)
性感染症は他の疾病と違い、性交渉またはそれに類似した行為という大変特殊な状況で感染するのが特徴です。それゆえ、性感染症が夫婦の間に亀裂を生じる原因になることがままあります。
先日も20代の妊娠中の女性からクラミジアに関する相談を受けました。
クラミジアになったという事実よりも、なぜクラミジアになったのか、ということに心を痛める彼女と私が、どんなやり取りをしたのか・・・。
今回は一問一答形式でご紹介してみましょう。
【相談者】 29歳 女性、既婚 子供1人
【相談者】先生、私、妊婦検診でクラミジアの検査をしたら、陽性と出て薬をもらいました。
【尾上】貴女はおそらく妊婦検診で、子宮頸管のクラミジア検査(遺伝子増幅法検査)を受け、その結果が陽性と出たためにクラミジアに効く治療薬を処方されたのですよね。
クラミジアの検査が血液検査(クラミジア抗体検査)ではないことを確認されましたか?
まずは、貴女が受けたクラミジアの検査方法がなんであったかを医師に確認してみてください。
もし血液検査(クラミジア抗体検査)であれば過去にクラミジアになったことを表しているに過ぎませんから、治療は必要ありませんよ。
【相談者】でも不思議なのは、1年前に妊娠した時のクラミジア検査結果は陰性だったんです。
【尾上】子宮頸管のクラミジア検査(遺伝子増幅法検査)は生理時、抗生物質服用時、あるいは服用終了時から7日間以内、検体採取方法などにより成績に影響がでます。
残念ながら検査の信頼性は100%ではありません。90%台と考えた方がよろしいでしょう。
ですから妊娠時にもしクラミジアに感染していても陰性になることもありえますよ。
【相談者】なるほど。でも、今回、陽性になったって事は、夫はこの1年の間に他の女性と性行為をしたと考えられませんか?
【尾上】普通に考えれば、貴女が言うとおり、今回、貴女のクラミジア検査(遺伝子増幅法検査)が陽性になったという事は、夫がクラミジア感染症の女性と性行為をしたということです。
そして、その後、夫と貴女のあいだに性行為があったということです
もう一つは先に申しましたように、検査の精度の問題も考えられます。1年前のクラミジア検査が陰性と出ましたが、実はその時、クラミジアに感染していたのですが、それが検査で見つけることができなかった、ということもありえます。
【相談者】でも90%の確率で、検査で発見できるのですよね。私は夫としか性行為をしてません。
【尾上】貴女が夫とだけしか性交渉がないということは、素晴らしいことです。
これからも当然そうあるべきです。でも貴女には結婚する前に元彼はいなかったのですか?
よけいなことを聞いたかもしれませんが、もしモトカレがいたとすれば、話が違ってくる可能性がゼロではなくなります。
【相談者】夫の前に付き合った人はいません。ただ、クラミジアは、性行為の他に、女性の場合は温泉などでもうつると聞いたのですが、その確率は何パーセントぐらいなのでしょうか?
【尾上】「温泉で何%ぐらいの確率でクラミジアが感染するか?」ということはセックスを一度もしたことがない人が考えるべきことです。リスクは私には判りませんが1%以下よりもっと低いと考えます。私の見解は、温泉ではクラミジア感染は生じません。
【相談者】それではやっぱり夫が他の人と性行為をしたとしか考えられませんね。
【尾上】普通に考えれば、貴女の言うとおりです。であれば夫を許せませんよね。
でも違うかもしれません。もし違っていれば大変なことです。夫の心を傷つけることになります。十分に慎重に考えてくださいね。
【相談者】本人は浮気をしていないと言っています。妻が陽性でも、夫は陰性になる例もあると聞きました。夫婦の間でどうして片方だけが陽性になるのでしょうか?
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この質問に私はどう答えたのか・・・?
続きは後編をお読み下さい。
2009年02月08日