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クラミジア感染による夫婦の危機!(後編)
前編から、性感染症が夫婦の間に亀裂を引き起こす事例をご紹介しています。過去に夫としか性交渉がない妻がクラミジアに感染。夫の浮気を疑うも、夫の検査
結果は陰性。前編は「いったいなぜ・・・?」という質問が相談者から出された
ところまででした。
【相談者】 29歳 女性、既婚 子供1人
【相談者】夫の検査結果は陰性で、本人も浮気をしていないと言っています。
妻が陽性でも、夫は陰性になる例もあるのですか?夫婦の間でどうして片方だけが陽性になるのでしょうか?
【尾上】先に申し上げたように、検査の信頼性が100%ではないということです。
また検査を受ける際の条件が悪いと、感染していても陰性となることがあります。
女性であれば、検査前に抗生物質を服用している場合、または生理中でも検査成績に影響がでることがあります。
男性であれば、クラミジアの尿検査は最後に排尿をしてから2~3時間たってからの尿を採取します。しかも排尿初期の尿を10~20ml採取します。これが医療機関できちんと守られなければ、検査をする意味がなくなります。残念なことですが、医師側の説明不足・知識不足によって検査の精度が下がることもありえます。もちろん男性でも検査前に抗生物質を服用している場合には検査する意味合いがなくなります。夫にどのように採尿したかを聞けば、検査の精度の推察が出来ますね。
【相談者】夫は「昔、クラミジアになったけど薬で治した」と言っていました。
浮気はしていないが、過去のクラミジアが突然再発して、私にうつったという可能性もあるのでしょうか?
【尾上】今回の貴女の感染には、いくつかの可能性が考えられます。第1番目の推理では、夫の過去のクラミジアに対する薬の服薬が不完全であったのかもしれません。だから後に再発し、貴女にうつった。ところが受診した医療機関の検査の精度が悪く、陽性の結果が出なかった。
第2番目の推理では、夫は浮気をして、たまたま運悪くクラミジア性尿道炎なってしまった。
そこで、貴女にうつった後、夫は内緒で医療機関に行き、自分だけ治療していた。
第3番目の推理では、クラミジア性尿道炎は症状が約50%の人にしかでないため、夫は気づかずに放置していた。貴女にうつしたあと、夫は、風邪や他の病気で偶然服用した抗生物質などの効果で、本人も知らないままにクラミジアが治療されてしまった。
第4番目の推理ではクラミジア感染は生殖器感染のみではなく、クラミジア性咽頭炎があるということです。咽頭感染ではノドの症状がまったくないため、検査もされず、治療もされません。
もちろん生殖器感染の時クラミジアの治療を受ければ、知らずして咽頭感染の治療もしたことになります。ですが咽頭感染の方が生殖器感染より治癒率が低いのです。咽頭感染の場合は長期間の治療が必要になります。ですから咽頭感染を確認していないと不完全な治療となります。生殖器
感染の治療後、しばらくして原因不明の感染(再発)が生じた場合は咽頭感染を考えなければなりません。
【相談者】私は夫に、私のクラミジア検査結果が陽性だったというのを、どう伝えればいいでしょうか?
【尾上】大変難しいですね!夫が貴女を大切に思っているのなら、なぜ妻をクラミジアに感染させてしまったかを正直に話してほしいところです。もし、夫が本当はクラミジアに感染しているのに、貴女にそのことを隠していたとしたら、貴女は「夫から大切に思われていない。」と感じ、悲しい気持ちになりますよね。
ですから、もし貴女が夫から真実を告白されたならば、どのような内容であっても勇気を持ってそれを受け止め、告白した夫を 責めることはしない方がよろしいでしょう。妻を思うからこそ、正直に告白をするのです。話し合いをすれば、夫は十分に反省することでしょう。
夫婦ですから、お互いの信頼関係がなくなれば、一緒には生活ができなくなる可能性もなきにしもあらずです。お子さんもいるのですから、お互いに冷静に将来をみつめ、『性の健康』について話し合いをいたしましょう。
私からの提案ですが、もう一度、専門医を訪ね、夫婦そろって生殖器と口腔咽頭の両方の検査(治癒判定検査)を受けてはいかがでしょうか!そして二人一緒に安心いたしましょう。
『性の健康』を確認し、愛のある健康なセックスを心がけてくださいね。
2009年02月08日