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性風俗嬢の性感染症(その2)
前回から、先日、ある出版社から取材を受けた「性風俗嬢の性感染症」のインタビュー内容を、抜粋してご紹介しています。前回は、日本の風俗の歴史と特徴についてご紹介しました。
今回は、「性風俗嬢(CSW)によくみられる感染症」についてです。
記者:
CSWの女性自身は、どのような性感染症に感染している場合が多いのでしょうか?
尾上:
CSWの性感染症で最も頻度の高いものは、クラミジア感染症です。次いで性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、ケジラミ症、梅毒の順になっています。
記者:
やはりクラミジアが一番多いのですね。
尾上:
その通りです。クラミジア感染症はCSWにとっては避けては通れない性感染症で、最も高頻度に罹患しています。また外陰・腟カンジダ症、細菌性腟症も多くみられます。
これらは多くのCSWの職業病的な様相を呈していると言えるでしょう。
記者:
なぜ職業病なのでしょうか?
尾上:
CSWの仕事上、腟内洗浄を日常的に行うことや何らかの理由により抗生物質を服用することがその要因の一つと考えられますね。
記者:
性器ヘルペスのように、一度かかるとそのあと何度も発症する病気も含まれていますね。
尾上:
CSWにとって性器ヘルペスは、初感染時は性感染症だと言えますが、そのあとは、ヘルペスウイルスが骨盤の中の神経節に潜んで眠っています。
一度治ったように見えても、セックス、月経、仕事などのストレスにより、眠っていたヘルペスウイルスは目を覚まし再発してきます。この再発は高頻度にみられます。ですから性器ヘルペスの再発は性感染症だとは言い難いのですが、感染力があるので他人(男性)にとっては性感染症となりえます。
記者:
HIVおよびエイズに関してはどうですか?
尾上:
CSWは日本人の中でも、HIV/AIDS感染の、High Risk Group(病気になる危険性が高いグループ)に属しています。しかし、感染の報告はほとんどなく、HIVの陽性率は一般女性と変わらないと考えられます。
記者:
それはちょっと、安心できる材料ですね
尾上:
しかし、その他の性感染症に関してはHigh Risk Groupであることに変わりはありませんよ。常に感染の危険と隣り合わせであることを忘れてはいけません。
さて、次回はCSWの行う、とあるサービスが、感染症の拡大に拍車をかけていることについてお話します。お楽しみに。
2009年06月30日