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睾丸回転症って何?(後篇)
前回は、睾丸回転症とは睾丸がどんな状態になるのか、またその症状についてお話しました。
今回は睾丸回転症の診断と治療方法についてご紹介しましょう。
診断は、症状と触診による睾丸、副睾丸の位置関係、痛みの部位、睾丸挙上による痛みの増強などをみます。血流状態を見るために、超音波断層検査、超音波カラードプラー検査、MRI検査、精巣シンチグラフィーなどを行うこともあります。
一般に発症から6~8時間以内であれば、手術により睾丸機能の回復が望めるとされています。
早ければ早いほどよく、疑わしいときはタイミングを逃さず手術で確かめることが必要です。
24~48時間も経過すると、睾丸は壊死に陥ってしまうので、その場合は除睾術が行われます。
治療は、陰嚢の外より手指で睾丸を元の状態に戻す用手整復術を試みますが、いたずらに時間を掛けてはいけません。うまくいかなければタイミングを逃さず、緊急手術に踏み切ります。
足の下から見て右の睾丸は時計方向に、左の睾丸は反時計方向に回転していることが多いとされています。
手術は、睾丸の回転を解除し、血流が回復すれば睾丸固定術を行いますが、
血流が戻らず壊死に陥っている場合は睾丸を摘出しなければなりません。
また反対側の睾丸にも同様に睾丸回転症を発症する恐れがあるため、予防的に睾丸固定術を同時に行うこともあります。
実は、この睾丸回転症(精巣捻転症)は泌尿器科医が最も緊張する病気の一つです。
それは診断が遅れ、手術のタイミングを逃し、睾丸を摘除することになる危険性が高いからです。
前回ご紹介した、睾丸回転症を発症した某お笑いタレントも、救急車で搬送された後、
睾丸のねじれを戻す手術をすぐに受けて、事なきを得たようです。
よかったですね。
それではごきげんよう。
2009年08月19日