泌尿器科専門医 ドクター尾上の医療ブログ:泌尿器科専門医 ドクター尾上に寄せられるさまざまな性感染症のトラブルについて専門家の立場からお答えします。

Home > 【その他の病気】 > 尿管結石でも、セックスして大丈夫?

尿管結石でも、セックスして大丈夫?

先日、32歳の既婚女性からの電話相談を受けました。
相談者の旦那さんは、腹部に痛みを感じて病院に行ったところ、尿管結石という診断を受けたそうです。
幸い、今は痛みもおさまっているとのことですが、
彼女の心配は、「結石があっても、セックスして大丈夫でしょうか?激しく動いたらまた痛くなるのでしょうか?」ということでした。

尿管結石は、決して特別な病気ではありませんので、同じような悩みをお持ちの方もあるかもしれません。
そこで今回は、尿管結石とセックスについてお話してみましょう。
 
先に結論から申し上げると、尿管結石があってもセックスはOKです。
もちろん、発作があるときは痛くて何もできませんが、発作時でなければ、尿管結石があっても大丈夫。
セックスしてもかまいません。
むしろ、セックスは夫婦でできる運動療法になりますから、良いかもしれません。
 
と言いますのも、セックスで体を動かすことにより、尿管結石が自然に排出する可能性があるからです。
もしセックスした後に排尿し結石が出てきたら、最高に幸せですね。
セックスして結石が治るとは、何とラッキーなことでしょうか!
 
ただ、注意しなければいけないのは、しばしば「尿管結石」と「尿道結石」を間違えてしまうことです。
「尿管」とは、腎臓で作った尿を膀胱に運ぶ管です。
「尿道」とは、尿が膀胱から体の外へ排泄されるときに通る管のことです。
 
そして、男性の尿道は2つの役目(機能)があります。
一つは尿が通る尿路(尿の道)、二つ目は、精液が通る精液路です。
男性の場合、膀胱の出口付近の前立腺部尿道に精管が接続されています。
射精の時、その前立腺部尿道に精液が飛び出してきます。
つまり尿道は精液を運ぶ管でもあるので、生殖器でもあるわけですね。
 
ですから、もし、この尿道に結石があると、結石自体の尿道を刺激する痛みと射精障害が生じるかもしれません。
 
殊に陰茎部(ペニス)の尿道に結石があると、おそらく痛くてセックスはできないでしょう。
まずは旦那さんの結石が“尿管”の結石であることを確認して、夫婦で運動療法に励んでください。
そのことにより結石が自然排石されんことを祈念し、さらには貴女の心に平和が訪れることをお祈りいたします。

 
20091001.jpg



2009年10月01日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dr-onoe.com/mt/mt-tb.cgi/27

Entries

Archives