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エッチしてないのに左の睾丸が痛い!(その2)
前回、半年も女性と性交渉がないのに、左の陰嚢が痛いと言って来院してきた真面目そうなサラリーマンをご紹介しました。
詳しくはバックナンバーをご覧ください。
彼の病名は「精索静脈瘤」。
今回はこの病気について、もう少し詳しくお話ししましょう。
「精索静脈瘤」は、陰嚢の中の精索の静脈が蛇行(くねくね曲がる)したり、
拡張(ふくらむ)したりしてできる血管の腫瘤(コブ・塊))です。
この病気は比較的多いものですが、
この病気を疑って診ないと、医師も見逃すケースがあります。
症状は陰嚢の痛み、不快感、違和感、金玉を握られている感じ、
あるいは陰嚢部や鼠径部、下腹部にかけての重圧感など様々です。
そしてこの静脈瘤は不思議と80~90%は左側に起こるのが特徴です。
思春期以降に多く、ことに長時間、座ったまま、立ったままで仕事をする男性にみられます。
パソコン業務、タクシーやトラックの運転、売り場の立ち仕事などの業務中にみられることから、立位、坐位の姿勢のまま長時間じっとしていることが症状のでる誘因となるようです。
ですから1~2時間、立位、坐位の仕事をしたら適当な運動、コーヒーブレークをとるようにした方がよいでしょう。
また程度の強い「精索静脈瘤」では男性不妊症の原因となることがあります。
成人男性の10~20%に、程度の差はありますが、この静脈瘤を認められます。
症状がなければ、そのまま放置しておいても特に問題はありませんが、
症状は突然でてきます。そうなると仕事に集中できなくなります。
痛みなどの症状を伴う人は、一度、泌尿器科の専門医に診てもらう必要もあるでしょう。
では、どうして精索静脈瘤は左側に多いのでしょうか?
これについては次回ご紹介いたします。
2009年10月19日